魔女
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「自分の【運命】?何それ?」
「【Fate】として【指環】を守る事。それに、カゲロウ達が安全で安心して暮らせる土地を創る事。それが私の【運命】。なのに私はヒソカから逃げてた。それが結果的に此処を部外者に知られる結果を招いてしまった……折角ゾルディックの皆がお母さんの時から協力してくれてたのに――私はそれを台無しにしてしまった」
「それがなんだと言うんだ?【運命】とは自分で切り開くモノだろう?少なくともオレ達はそうやって生きている」
「アンタには解かんないよ、クロロ」
「何故そう決めつける?現にオレ達蜘蛛は欲しいモノは何としてでも手に入れる。そうやって生きてきた。【運命】とてそうだ。自らの意思で掴み取るものだ」
「そうだよナマエちゃん!決めつけは良くないよ!?」
冷徹なクロロと、慌てるシャルナークの言葉。それを聞いてなお、ナマエは頭を振った。
「アンタ等の言い分は解ってる。でも、私にはそんな事関係ない!」
「お嬢様?」
「ごめん……ちょっと頭冷やしてくる…………」
それ以上何も言わず、ナマエは家を出て行った。
「いいのか?追わなくて」
カゲロウを見上げながら言うクロロに、カゲロウは何も言わなかった。それを不思議に思ったクロロだが、それ以上は何も言わずに今朝まで寝ていた部屋へと向かって歩き出した。
何をするでもなく、部屋の窓から空を見上げるクロロ。見上げた先には大きな月が輝いている。
(満月か……ん?何だ……?何か聞こえる…………)
窓の外から微かに聞こえる声。
(歌……?)
それは悲しげな旋律だった。
そんな声に惹かれるように、クロロは窓から身を乗り出し辺りを見回した。
窓が開け放たれた事により、歌声は先程よりもハッキリと聞こえるようになった。
(この声は……ナマエか?)
確信はなかったが、以前聴いた【Fate】の歌声に似ていると思ったクロロ。彼はそのまま歌声に導かれるかのように窓から外へと出た。
歌声の元へと静かに歩き出すクロロ。
声は林の奥深くから聞こえてきているようで、歩を進める度に明瞭になってくる。
「吐き出す様な暴力と 蔑んだ目の毎日に
君はいつしか そこに立ってた
話しかけちゃだめなのに『君の名前が知りたいな』
ごめんね名前も舌も無いんだ
僕の居場所は 何処にも無いのに
『一緒に帰ろう』手を引かれてさ
知らない知らない 僕は何も知らない
君はもう子供じゃないことも
慣れない他人(ひと)の手の温もりは
ただ本当に本当に本当に本当のことなんだ
やめないやめない 君は何でやめない?
見つかれば殺されちゃうくせに
雨上がりに忌み子がふたり
夕焼けの中に吸い込まれて消えてった
日が暮れて夜が明けて 遊び疲れて捕まって
こんな世界僕と君以外 皆いなくなればいいのにな
皆いなくなればいいのにな
知らない知らない声が聞こえてさ 僕と君以外の全人類
抗う間もなく手を引かれてさ
夕焼けの中に吸い込まれて消えてった
知らない知らない 僕は何も知らない これからのことも君の名も
今は今はこれでいいんだと
ただ本当に本当に本当に本当に思うんだ
知らない知らない あの耳鳴りは
夕焼けの中に吸い込まれて消えてった♪」
「随分と悲しい歌を歌うんだな」
「……クロロか。何か用?」
ナマエが歌い終わるまで待ってから、クロロは声を掛けたが特に驚かれもしなかった。
「こんな時間に、しかもこんなに“家”から離れた場所で1人になるとは……お前には危機感がないのか?」
「……ミヤビのテリトリーからは出てない」
「そういう問題じゃないだろ?」
「……アンタには関係ない」
「いや。関係あるな」
「どういう意味だよ……」
理解出来ないといった表情で見つめてくるナマエの隣に座り、彼女の頬に手を当てながらクロロは寂しそうに笑った。
「【Fate】として【指環】を守る事。それに、カゲロウ達が安全で安心して暮らせる土地を創る事。それが私の【運命】。なのに私はヒソカから逃げてた。それが結果的に此処を部外者に知られる結果を招いてしまった……折角ゾルディックの皆がお母さんの時から協力してくれてたのに――私はそれを台無しにしてしまった」
「それがなんだと言うんだ?【運命】とは自分で切り開くモノだろう?少なくともオレ達はそうやって生きている」
「アンタには解かんないよ、クロロ」
「何故そう決めつける?現にオレ達蜘蛛は欲しいモノは何としてでも手に入れる。そうやって生きてきた。【運命】とてそうだ。自らの意思で掴み取るものだ」
「そうだよナマエちゃん!決めつけは良くないよ!?」
冷徹なクロロと、慌てるシャルナークの言葉。それを聞いてなお、ナマエは頭を振った。
「アンタ等の言い分は解ってる。でも、私にはそんな事関係ない!」
「お嬢様?」
「ごめん……ちょっと頭冷やしてくる…………」
それ以上何も言わず、ナマエは家を出て行った。
「いいのか?追わなくて」
カゲロウを見上げながら言うクロロに、カゲロウは何も言わなかった。それを不思議に思ったクロロだが、それ以上は何も言わずに今朝まで寝ていた部屋へと向かって歩き出した。
何をするでもなく、部屋の窓から空を見上げるクロロ。見上げた先には大きな月が輝いている。
(満月か……ん?何だ……?何か聞こえる…………)
窓の外から微かに聞こえる声。
(歌……?)
それは悲しげな旋律だった。
そんな声に惹かれるように、クロロは窓から身を乗り出し辺りを見回した。
窓が開け放たれた事により、歌声は先程よりもハッキリと聞こえるようになった。
(この声は……ナマエか?)
確信はなかったが、以前聴いた【Fate】の歌声に似ていると思ったクロロ。彼はそのまま歌声に導かれるかのように窓から外へと出た。
歌声の元へと静かに歩き出すクロロ。
声は林の奥深くから聞こえてきているようで、歩を進める度に明瞭になってくる。
「吐き出す様な暴力と 蔑んだ目の毎日に
君はいつしか そこに立ってた
話しかけちゃだめなのに『君の名前が知りたいな』
ごめんね名前も舌も無いんだ
僕の居場所は 何処にも無いのに
『一緒に帰ろう』手を引かれてさ
知らない知らない 僕は何も知らない
君はもう子供じゃないことも
慣れない他人(ひと)の手の温もりは
ただ本当に本当に本当に本当のことなんだ
やめないやめない 君は何でやめない?
見つかれば殺されちゃうくせに
雨上がりに忌み子がふたり
夕焼けの中に吸い込まれて消えてった
日が暮れて夜が明けて 遊び疲れて捕まって
こんな世界僕と君以外 皆いなくなればいいのにな
皆いなくなればいいのにな
知らない知らない声が聞こえてさ 僕と君以外の全人類
抗う間もなく手を引かれてさ
夕焼けの中に吸い込まれて消えてった
知らない知らない 僕は何も知らない これからのことも君の名も
今は今はこれでいいんだと
ただ本当に本当に本当に本当に思うんだ
知らない知らない あの耳鳴りは
夕焼けの中に吸い込まれて消えてった♪」
「随分と悲しい歌を歌うんだな」
「……クロロか。何か用?」
ナマエが歌い終わるまで待ってから、クロロは声を掛けたが特に驚かれもしなかった。
「こんな時間に、しかもこんなに“家”から離れた場所で1人になるとは……お前には危機感がないのか?」
「……ミヤビのテリトリーからは出てない」
「そういう問題じゃないだろ?」
「……アンタには関係ない」
「いや。関係あるな」
「どういう意味だよ……」
理解出来ないといった表情で見つめてくるナマエの隣に座り、彼女の頬に手を当てながらクロロは寂しそうに笑った。