魔女
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「そうか……なら、オレの事はどう思っている?」
「アンタは嫌いだ。大事な“家族”に手を出したんだ。許せるわけがない」
「別にオレは許しを乞うてはいない」
「そういう所も含めて嫌いなんだよ!」
「オレはお前のそういう強気な所も好きだ」
「……帰ろう。ミヤビが待つ“家”へ」
それからクロロとは話す事なく、黙々と“家”に向かって走ったナマエ。そんなナマエの態度にカゲロウはどことなく不安感に駆られていた。
カゲロウの不安は拭われること無く、ナマエ達はミヤビの待つ“家”に辿り着いた。
「ただいまー」
「おかえりなさいませ、お嬢様」
「あ、団長ーおかえり!」
ミヤビとシャルナークに出迎えられ、家の中へと入っていくナマエとクロロ。その後姿をカゲロウは黙って見つめていた。
「何かあったのか?」
中に入ろうとしないカゲロウを不審に思いながら、フランクリンは声を掛けるが返事はなかった。
「お嬢様、“魔女”はいかがなさいましたか?」
「……殺してきたよ」
「え?!ナマエちゃんが殺したの?団長じゃなく??」
心底驚くシャルナークに対し、クロロはなんて事ないといった表情で答えた。
「オレは何もしていない。いや、する隙もなかったというのが正確だな」
「ほぉ……団長が何も出来なかったというのは初めてじゃないのか?」
「“使い魔”とやらの“術”にハマってな。気付いたら狼男とあの胡散臭い男が“使い魔”を始末して、ナマエがいたってところだ。正気に戻った時には“神”とやらにも会えたな」
「「“神”?」」
「そうだ。ナマエには【エラトー】とかいう“神”が憑いているらしい。“魔女”は“神宿り”と呼んでいたがな」
「【エラトー】……確か独唱歌を司る“女神”だったハズだよ。何でナマエちゃんにそんな“女神”が?」
「お嬢様の血筋は、女性のみ受け継がれる“力”がございます。それが“女神”【エラトー】の“力”でございます。“女神”の恩恵は計り知れないモノ。故に先代である奥様も隠し続けておりました。しかし――何かの拍子にご主人にバレてしまい、奥様は逃げる様にこの森にやって来たのです。丁度主人を失っていた私にこの“家”と仕事を与えてくださり、カゲロウ達を迎え入れてくださいました。そして【Fate】が生まれたのです。【エラトー】の“力”と【ニーベルングの指環】を守り通す為に……」
「なら……何故ナマエは歌うんだ?歌わなければ狙われる事もないだろ?」
クロロの最もな疑問に答えたのはミヤビではなく、カゲロウだった。
「ナマエにとって歌うことは自身の存在意義を見出す事に等しい。故に歌い続ける。【Fate】としての正体がバレたら吾輩達が排除し、ナマエを護る。それが吾輩達の存在意義だからな」
「では、その正体を知ってしまったオレ達を何故始末しない?お前の言っている事に矛盾しないか?」
「面倒な事は嫌いなんだよ。アンタ等だって面倒事は嫌いでしょ?」
「正体を知っている者がいる方が面倒事を引き起こすと思うが?」
「今回はヒソカの相手が面倒だからって放置した私が悪い。カゲロウに非はないよ。結果、アンタに目をつけられるハメになったけどね……」
ゲンナリしながらナマエはそう言うと、持っていたグラスに視線を落とした。
「私は【Fate】である事を選んだ。だけど、それ以上に一般的に言う“普通”の生活をしてみたかった。周りは皆何らかの【能力】を持っている。カゲロウ達3人が“人間”じゃないってのは小さい頃から気付いてた。けど、イルミ達みたいに“人間”なのに“普通”じゃない人が私の周りには集まってくる。ヒソカの事も面倒がらずにちゃんと対処しとけばよかったんだ……今は後悔してるよ。自分の【運命】を変える事が出来なかったんだからね」
「アンタは嫌いだ。大事な“家族”に手を出したんだ。許せるわけがない」
「別にオレは許しを乞うてはいない」
「そういう所も含めて嫌いなんだよ!」
「オレはお前のそういう強気な所も好きだ」
「……帰ろう。ミヤビが待つ“家”へ」
それからクロロとは話す事なく、黙々と“家”に向かって走ったナマエ。そんなナマエの態度にカゲロウはどことなく不安感に駆られていた。
カゲロウの不安は拭われること無く、ナマエ達はミヤビの待つ“家”に辿り着いた。
「ただいまー」
「おかえりなさいませ、お嬢様」
「あ、団長ーおかえり!」
ミヤビとシャルナークに出迎えられ、家の中へと入っていくナマエとクロロ。その後姿をカゲロウは黙って見つめていた。
「何かあったのか?」
中に入ろうとしないカゲロウを不審に思いながら、フランクリンは声を掛けるが返事はなかった。
「お嬢様、“魔女”はいかがなさいましたか?」
「……殺してきたよ」
「え?!ナマエちゃんが殺したの?団長じゃなく??」
心底驚くシャルナークに対し、クロロはなんて事ないといった表情で答えた。
「オレは何もしていない。いや、する隙もなかったというのが正確だな」
「ほぉ……団長が何も出来なかったというのは初めてじゃないのか?」
「“使い魔”とやらの“術”にハマってな。気付いたら狼男とあの胡散臭い男が“使い魔”を始末して、ナマエがいたってところだ。正気に戻った時には“神”とやらにも会えたな」
「「“神”?」」
「そうだ。ナマエには【エラトー】とかいう“神”が憑いているらしい。“魔女”は“神宿り”と呼んでいたがな」
「【エラトー】……確か独唱歌を司る“女神”だったハズだよ。何でナマエちゃんにそんな“女神”が?」
「お嬢様の血筋は、女性のみ受け継がれる“力”がございます。それが“女神”【エラトー】の“力”でございます。“女神”の恩恵は計り知れないモノ。故に先代である奥様も隠し続けておりました。しかし――何かの拍子にご主人にバレてしまい、奥様は逃げる様にこの森にやって来たのです。丁度主人を失っていた私にこの“家”と仕事を与えてくださり、カゲロウ達を迎え入れてくださいました。そして【Fate】が生まれたのです。【エラトー】の“力”と【ニーベルングの指環】を守り通す為に……」
「なら……何故ナマエは歌うんだ?歌わなければ狙われる事もないだろ?」
クロロの最もな疑問に答えたのはミヤビではなく、カゲロウだった。
「ナマエにとって歌うことは自身の存在意義を見出す事に等しい。故に歌い続ける。【Fate】としての正体がバレたら吾輩達が排除し、ナマエを護る。それが吾輩達の存在意義だからな」
「では、その正体を知ってしまったオレ達を何故始末しない?お前の言っている事に矛盾しないか?」
「面倒な事は嫌いなんだよ。アンタ等だって面倒事は嫌いでしょ?」
「正体を知っている者がいる方が面倒事を引き起こすと思うが?」
「今回はヒソカの相手が面倒だからって放置した私が悪い。カゲロウに非はないよ。結果、アンタに目をつけられるハメになったけどね……」
ゲンナリしながらナマエはそう言うと、持っていたグラスに視線を落とした。
「私は【Fate】である事を選んだ。だけど、それ以上に一般的に言う“普通”の生活をしてみたかった。周りは皆何らかの【能力】を持っている。カゲロウ達3人が“人間”じゃないってのは小さい頃から気付いてた。けど、イルミ達みたいに“人間”なのに“普通”じゃない人が私の周りには集まってくる。ヒソカの事も面倒がらずにちゃんと対処しとけばよかったんだ……今は後悔してるよ。自分の【運命】を変える事が出来なかったんだからね」