魔女
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「たかが道案内に“代償”を求めるのか?」
「されど“道案内”、だ」
クロロの問いかけに“魔女”は当たり前のように答えた。
「儂に何かを求めるのであれば、“代償”は付き物よ。さぁ、“代償”は何だ?」
「「…………」」
カゲロウは何も言わずにクロロに目配せした。そして1つの結論を導き出す。
「“代償”は――」
「お前の“命”だっ!」
クロロとカゲロウは言い切ると、直ぐ様戦闘態勢に入った。
「面白いことを言う童共だな。サキュバス、出番だ」
「は~い」
“魔女”が影に声をかけると、そこから先程消えた少女が現れた。
「もうお腹ペッコペコー。食べちゃっていいんだよね?ご主人様」
「あぁ。思う存分喰らうがいい」
「やったぁ!良い悪夢(ゆめ)見てね?」
言うが早いか、“魔女”がサキュバスと呼んだ少女は山羊の様な角と蝙蝠の羽を生やし妖艶な美女へと姿を変えた。
「さぁ、私の眼を見て。そう、ゆっくり深呼吸して……」
サキュバスはクロロに狙いを定め、真っ直ぐに目を見つめながら近付いて行く。
「わたしは貴方が心底欲している女よ……さぁ、一緒に快楽の海に沈みましょう?」
「……ナマエ?」
「そう、わたしはナマエよ」
「……」
クロロがサキュバスの術に嵌りかけているにも関わらず、カゲロウは黙ってそのさまを見ていた。
「どうした?助けなくとも良いのか?」
「ふん……これしきの“術”に掛かるようでは、それまでという事だ」
「ほぅ……サキュバスの力を随分と甘く見ているのだな」
「たかが夢魔ごとき、吾輩達には無意味な抵抗だ」
「どういう意味だ?」
「ッ……」
カゲロウが真っ直ぐに“魔女”を見据え対峙していると、サキュバスの様子が変わった。
「どうした?続きをせぬか!」
「嫌ッ……わたしの片割れが…………ご主人様!インキュバスがッ!!」
「インキュバスがどうしたというのだ?」
「ククッ、自分の“使い魔”の気配すら感知出来ないのか」
「どういう意味じゃ?!」
「……【六兆年と一夜物語(トリックスター)】」
カゲロウが呟くと、半透明な膜が山小屋を覆った。
「こーいう意味だよっ!」
“魔女”とサキュバスが取り乱していると、そこにドアを蹴破ってナマエとハヤトが入って来た。
ハヤトはその手にインキュバスの残骸を持っていた。
「いや……何で……何でインキュバスが?!」
「ッ……」
「どうやら間に合ったみたいだね」
「誰だ!儂の邪魔をするとは……儂の“使い魔”を使い物にならなくしたのは、誰だ!?」
「私だよ」
一気に現実世界へと引き戻されたクロロは、状況が飲み込めずにいた。
そんなクロロを無視し、ナマエは“魔女”と対峙した。
「随分とセコい真似してくれるじゃないの、“魔女”さんや」
「くっ……貴様…………“あの女”の娘か!?」
「コイツもそうだったけど……お母さんを“あの女”呼ばわりしないで貰いたいな」
「フンッ……あんななり損ない、名で呼ぶ道理なぞないわ」
「なり損ない、ねぇ……“使い魔”すらまともに躾けれないアンタに言われたくないわ」
「よくも……よくもわたしの片割れを――」
サキュバスは怒りに満ちた表情でナマエに向かって鋭い爪を向けた。
「ぐぁッ……」
「フンッ――吾輩の前でナマエに手を出すとはな。馬鹿な奴め」
「ワタシのお嬢様に何をしてくれるんですかァ?」
ナマエにその爪が届く前に、サキュバスはカゲロウとハヤトの手によって切り裂かれ事切れた。
「アンタはやっちゃいけない事をしたんだ。覚悟は出来てるよな?」
「やっちゃいけない事だと?ハッ……そんなモノ、儂等“魔女”には関係ない事だ。儂等は常に“闇”に生きる者。常に“人間”からは畏怖されるべき存在なのだ!それを理解しなかったから、“あの女”は殺されたんだよ!!」
“魔女”の言葉に、ナマエの中でナニかが崩れ去る音がした。
「されど“道案内”、だ」
クロロの問いかけに“魔女”は当たり前のように答えた。
「儂に何かを求めるのであれば、“代償”は付き物よ。さぁ、“代償”は何だ?」
「「…………」」
カゲロウは何も言わずにクロロに目配せした。そして1つの結論を導き出す。
「“代償”は――」
「お前の“命”だっ!」
クロロとカゲロウは言い切ると、直ぐ様戦闘態勢に入った。
「面白いことを言う童共だな。サキュバス、出番だ」
「は~い」
“魔女”が影に声をかけると、そこから先程消えた少女が現れた。
「もうお腹ペッコペコー。食べちゃっていいんだよね?ご主人様」
「あぁ。思う存分喰らうがいい」
「やったぁ!良い悪夢(ゆめ)見てね?」
言うが早いか、“魔女”がサキュバスと呼んだ少女は山羊の様な角と蝙蝠の羽を生やし妖艶な美女へと姿を変えた。
「さぁ、私の眼を見て。そう、ゆっくり深呼吸して……」
サキュバスはクロロに狙いを定め、真っ直ぐに目を見つめながら近付いて行く。
「わたしは貴方が心底欲している女よ……さぁ、一緒に快楽の海に沈みましょう?」
「……ナマエ?」
「そう、わたしはナマエよ」
「……」
クロロがサキュバスの術に嵌りかけているにも関わらず、カゲロウは黙ってそのさまを見ていた。
「どうした?助けなくとも良いのか?」
「ふん……これしきの“術”に掛かるようでは、それまでという事だ」
「ほぅ……サキュバスの力を随分と甘く見ているのだな」
「たかが夢魔ごとき、吾輩達には無意味な抵抗だ」
「どういう意味だ?」
「ッ……」
カゲロウが真っ直ぐに“魔女”を見据え対峙していると、サキュバスの様子が変わった。
「どうした?続きをせぬか!」
「嫌ッ……わたしの片割れが…………ご主人様!インキュバスがッ!!」
「インキュバスがどうしたというのだ?」
「ククッ、自分の“使い魔”の気配すら感知出来ないのか」
「どういう意味じゃ?!」
「……【六兆年と一夜物語(トリックスター)】」
カゲロウが呟くと、半透明な膜が山小屋を覆った。
「こーいう意味だよっ!」
“魔女”とサキュバスが取り乱していると、そこにドアを蹴破ってナマエとハヤトが入って来た。
ハヤトはその手にインキュバスの残骸を持っていた。
「いや……何で……何でインキュバスが?!」
「ッ……」
「どうやら間に合ったみたいだね」
「誰だ!儂の邪魔をするとは……儂の“使い魔”を使い物にならなくしたのは、誰だ!?」
「私だよ」
一気に現実世界へと引き戻されたクロロは、状況が飲み込めずにいた。
そんなクロロを無視し、ナマエは“魔女”と対峙した。
「随分とセコい真似してくれるじゃないの、“魔女”さんや」
「くっ……貴様…………“あの女”の娘か!?」
「コイツもそうだったけど……お母さんを“あの女”呼ばわりしないで貰いたいな」
「フンッ……あんななり損ない、名で呼ぶ道理なぞないわ」
「なり損ない、ねぇ……“使い魔”すらまともに躾けれないアンタに言われたくないわ」
「よくも……よくもわたしの片割れを――」
サキュバスは怒りに満ちた表情でナマエに向かって鋭い爪を向けた。
「ぐぁッ……」
「フンッ――吾輩の前でナマエに手を出すとはな。馬鹿な奴め」
「ワタシのお嬢様に何をしてくれるんですかァ?」
ナマエにその爪が届く前に、サキュバスはカゲロウとハヤトの手によって切り裂かれ事切れた。
「アンタはやっちゃいけない事をしたんだ。覚悟は出来てるよな?」
「やっちゃいけない事だと?ハッ……そんなモノ、儂等“魔女”には関係ない事だ。儂等は常に“闇”に生きる者。常に“人間”からは畏怖されるべき存在なのだ!それを理解しなかったから、“あの女”は殺されたんだよ!!」
“魔女”の言葉に、ナマエの中でナニかが崩れ去る音がした。