魔女
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その声に導かれる様に、カゲロウとクロロは山小屋へと足を踏み入れた。その直後に、扉はまたひとりでに閉じられた。
「どういう原理なんだ?」
「アンタ等にゃ解らない原理さね」
部屋の奥から現れたのは、見た目20代半ばの女だった。
「お前がここの主か?」
「そうだ。アンタ等はこんな何も無い山奥に何をしに来たんだい?」
「隣国への近道だと麓の町で聞いたんで山を登っていたら、道に迷ってしまったんだ」
女の問いに答えるクロロ。しかし女はまるで値踏みでもするかの如く、2人を舐める様に見ていた。
「ただの“人間”ではないようだね」
「何故そう思うのだ?」
「ここまで来るにはかなりの労力が必要となる。が、アンタ等は衣服に乱れがない。ここがどんな場所か判って来たという所だね」
「わぁ!美味しそうな殿方が2人もいる!ご主人様、食べてもいい?」
「お前は黙っておいで」
女の影から少女が現れ、舌舐めずりをしながら2人を見ていた。
「必要があれば喚ぶ。それまでは控えておれ」
「……はーい」
まるで影に吸い込まれるように消えていく先程現れた少女。その光景を不思議そうに眺めていたクロロだが、カゲロウはさして驚きもしなかった。
「さて、先程の続きだが……何故この様な場所にその様な格好でいるのかね?」
「吾輩はコヤツの護衛でな。ほんの少し“特殊”なんだ」
「“ほんの少し”ねぇ……見たところ、そっちの男も“普通”じゃないようだが?」
クロロを指差しながら、山小屋の主は言い切った。それに対し、クロロは別段驚くこと無く、冷静に返した。
「オレも“普通”の“人間”じゃないんでな。よく命を狙われる。だからコイツを雇った。だが、コイツが道を間違えたのか……こんな森の奥深くまで迷ってしまった」
「そうかい。まぁよいだろう。道を教えて欲しいと言ったな?代償はあるのかい?」
「「代償?」」
「そうだ。“魔女”の棲家に迷い込んで、ただで帰れると思ったか?」
「やはり……お前が噂の“魔女”なのか?」
カゲロウの問いに、“魔女”は不敵に笑いながら答えた。
「あぁ、そうだ。儂が俗に言う“魔女”だよ。で?道案内の“代償”は何だ?」
山小屋の見える位置で様子を伺っているナマエとハヤト。
「はてさて、上手くいきますかねェ……」
「さぁね……でも、今は待つしかないよ。歯痒いけどね」
小声でやり取りを交わしていると、不意に背後に気配が現れた。
「あれぇ?何でこんな所に“人間”がいるのかなぁ?」
「っ?!」
ナマエが後ろを振り向くと、そこには両手に小枝を抱えた少年が立っていた。
「これはこれは……面白い展開になってきましたねェ」
見た目はごく普通の少年だが、その身に纏うオーラが“人間”のソレとは明らかに違っていた。
「貴方は……何者なの?」
「それはこっちが訊きたいなぁ。何でこんな所に“あの女”と同じ臭いがする“人間”がいるのかなぁ?」
にこやかに笑いながら、少年は一歩一歩確実にナマエ達に近づいて来た。
「あの“家”にはシルキーしかいないって言うからここに棲むことにしたのに、いつの間に“人間”が住み始めたの?」
抱えていた小枝を丁寧に木の根本へ置きながら、少年は続けた。
「ねぇ、何でなのかなぁ?確か……“あの女”には娘が1人いたっけ。君がそうなの?」
腰に隠しているベンズナイフに手をかけようとしたナマエに対し、少年は妖しく笑いながら制止した。
「クスクス……そんなモノ、ボクには効かないよ?」
「キミは――インキュバスだよねェ?“風”がそう言ってるよォ」
「へぇ……“風”と話せるってことは、アナタは“風の精霊”なのかな?」
「あァ、そうだよォ」
「気紛れな“風の精霊”が、ただの“人間”に付き従うワケがないもんね。やっぱり“あの女”の娘なのか……ご主人様に伝えなくちゃ!」
そのまま走り出そうとした少年だったが、ハヤトがそれを阻止した。
「どういう原理なんだ?」
「アンタ等にゃ解らない原理さね」
部屋の奥から現れたのは、見た目20代半ばの女だった。
「お前がここの主か?」
「そうだ。アンタ等はこんな何も無い山奥に何をしに来たんだい?」
「隣国への近道だと麓の町で聞いたんで山を登っていたら、道に迷ってしまったんだ」
女の問いに答えるクロロ。しかし女はまるで値踏みでもするかの如く、2人を舐める様に見ていた。
「ただの“人間”ではないようだね」
「何故そう思うのだ?」
「ここまで来るにはかなりの労力が必要となる。が、アンタ等は衣服に乱れがない。ここがどんな場所か判って来たという所だね」
「わぁ!美味しそうな殿方が2人もいる!ご主人様、食べてもいい?」
「お前は黙っておいで」
女の影から少女が現れ、舌舐めずりをしながら2人を見ていた。
「必要があれば喚ぶ。それまでは控えておれ」
「……はーい」
まるで影に吸い込まれるように消えていく先程現れた少女。その光景を不思議そうに眺めていたクロロだが、カゲロウはさして驚きもしなかった。
「さて、先程の続きだが……何故この様な場所にその様な格好でいるのかね?」
「吾輩はコヤツの護衛でな。ほんの少し“特殊”なんだ」
「“ほんの少し”ねぇ……見たところ、そっちの男も“普通”じゃないようだが?」
クロロを指差しながら、山小屋の主は言い切った。それに対し、クロロは別段驚くこと無く、冷静に返した。
「オレも“普通”の“人間”じゃないんでな。よく命を狙われる。だからコイツを雇った。だが、コイツが道を間違えたのか……こんな森の奥深くまで迷ってしまった」
「そうかい。まぁよいだろう。道を教えて欲しいと言ったな?代償はあるのかい?」
「「代償?」」
「そうだ。“魔女”の棲家に迷い込んで、ただで帰れると思ったか?」
「やはり……お前が噂の“魔女”なのか?」
カゲロウの問いに、“魔女”は不敵に笑いながら答えた。
「あぁ、そうだ。儂が俗に言う“魔女”だよ。で?道案内の“代償”は何だ?」
山小屋の見える位置で様子を伺っているナマエとハヤト。
「はてさて、上手くいきますかねェ……」
「さぁね……でも、今は待つしかないよ。歯痒いけどね」
小声でやり取りを交わしていると、不意に背後に気配が現れた。
「あれぇ?何でこんな所に“人間”がいるのかなぁ?」
「っ?!」
ナマエが後ろを振り向くと、そこには両手に小枝を抱えた少年が立っていた。
「これはこれは……面白い展開になってきましたねェ」
見た目はごく普通の少年だが、その身に纏うオーラが“人間”のソレとは明らかに違っていた。
「貴方は……何者なの?」
「それはこっちが訊きたいなぁ。何でこんな所に“あの女”と同じ臭いがする“人間”がいるのかなぁ?」
にこやかに笑いながら、少年は一歩一歩確実にナマエ達に近づいて来た。
「あの“家”にはシルキーしかいないって言うからここに棲むことにしたのに、いつの間に“人間”が住み始めたの?」
抱えていた小枝を丁寧に木の根本へ置きながら、少年は続けた。
「ねぇ、何でなのかなぁ?確か……“あの女”には娘が1人いたっけ。君がそうなの?」
腰に隠しているベンズナイフに手をかけようとしたナマエに対し、少年は妖しく笑いながら制止した。
「クスクス……そんなモノ、ボクには効かないよ?」
「キミは――インキュバスだよねェ?“風”がそう言ってるよォ」
「へぇ……“風”と話せるってことは、アナタは“風の精霊”なのかな?」
「あァ、そうだよォ」
「気紛れな“風の精霊”が、ただの“人間”に付き従うワケがないもんね。やっぱり“あの女”の娘なのか……ご主人様に伝えなくちゃ!」
そのまま走り出そうとした少年だったが、ハヤトがそれを阻止した。