魔女
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「お前みたいな胡散臭いヤツなんか御免被るな」
「ククッ、流石はお嬢様。ワタシの事をよくご存知で」
「で、どうなんだ?協力するのか、しないのか」
「んー……ここでお嬢様に恩を売っておくのも悪くないですしねェ」
「はっきりしろ。お前のそういう所も嫌いなんだ、ハヤト」
「おやおや、これは困りましたねェ……お嬢様に嫌われては元も子もないですしねェ……仕方がないですねェ。今回はご協力しましょう」
「よし。ハヤトの協力があるなら、1人位“人間”がいても問題ないでしょ?」
今度はカゲロウを見ながらそう言うナマエ。
そんな行動を取るナマエに肩を落としながら溜息を漏らすと、カゲロウは了承の意を示した。
ハヤトの先導により、ナマエ達は家から10km程離れた東の森へと来ていた。
「この先に“魔女”が棲む山小屋があると“風”が言っていますねェ」
「距離は?」
「約3Kmといったところでしょうかねェ」
「このまま走るか?」
ミヤビのテリトリーから抜けたクロロは【能力】も使えるようになっており、いつもの不敵な笑みを浮かべていた。
「いや。ここからは遭難者を装う。幸いこの辺りは麓から離れているし、隣国への近道でもあるからね」
「ナマエ、お前に演技は不向きだろ?何故わざわざそんな回りくどい事をする?」
「実際の“魔女”に会ってみたいからね。“魔法”と“指環”のどちらが勝つのか、興味ない?」
「オレは興味深いな。“魔法”と“悪魔の指環”、どちらが強いのか実に興味深い」
子供の様に目を輝かせながら言うナマエの姿を見て、カゲロウは頭を抱えた。
「お前は黙ってろ。吾輩はナマエに訊いているんだ。考え直せ。お前に他人を欺くことは出来ないだろう?」
「確かに誰かを騙すのは好きじゃないし、得意でもない。だけど“人間”に害を為している存在を野放しには出来ない。そうでしょ?」
「……それはナマエとしてか?それとも――」
「【Fate(フェイト)】としてだよ、カゲロウ」
確かな意志を顕にした瞳のナマエに、カゲロウは両手を上げて降参した。
「解った。ならお前とハヤトは木陰で待機していろ。気は進まないが、吾輩とコイツで行く。それならいいだろう?」
そう言いながら、カゲロウはクロロを指差した。
やがて木々の向こうに山小屋が見えてきた。
「では行ってくるが……お前達は吾輩が合図するまで決して出てくるなよ?」
「わーってるよ、カゲロウ。そんなに心配しなくても大丈夫だって」
「吾輩が心配なのは、ナマエよりもハヤトの方だ」
「ワタシ?」
名指しされてハヤトは自身を指差しながら目を丸くした。
「そう、お前だ。お前の気紛れで邪魔をされたのでは元も子もない」
「そんなに信用ないんですかねェ……お嬢様のご機嫌を損ねるような事はしませんよォ。今回はねェ」
クスリと笑みを浮かべているハヤトを見ながら、カゲロウは眉をしかめナマエは苦笑していた。
「“今回は”って事は――過去に何かしたのか?」
「まぁ……昔ちょっとね」
クロロの疑問に、ナマエは表情を歪めた。
「おやおや……まだあんな昔の事を根に持っていらっしゃるんですかァ、お嬢様は」
「お前のおかげでだいぶ苦労したんだよ、あん時は!」
「……静かにしろ。行くぞ」
後ろ髪を引かれる思いで、クロロはカゲロウに腕を引っ張られて山小屋へと連れて行かれた。
「……誰かいるか?」
山小屋の扉をノックし、カゲロウは声を掛けた。
しかし、気配はあるが中からは反応がなかった。
「すまない、道を教えて欲しいのだが……誰かいないか?」
再度カゲロウが声を掛けると、山小屋の扉がギィッと音を立てて開いたが扉の向こうに人は見当たらなかった。
「中に入れ……と言うことか?」
「さぁな。だが――」
「入るなら早くおし」
カゲロウが何かを言いかけた時、山小屋の奥から若い女の声がした。
「ククッ、流石はお嬢様。ワタシの事をよくご存知で」
「で、どうなんだ?協力するのか、しないのか」
「んー……ここでお嬢様に恩を売っておくのも悪くないですしねェ」
「はっきりしろ。お前のそういう所も嫌いなんだ、ハヤト」
「おやおや、これは困りましたねェ……お嬢様に嫌われては元も子もないですしねェ……仕方がないですねェ。今回はご協力しましょう」
「よし。ハヤトの協力があるなら、1人位“人間”がいても問題ないでしょ?」
今度はカゲロウを見ながらそう言うナマエ。
そんな行動を取るナマエに肩を落としながら溜息を漏らすと、カゲロウは了承の意を示した。
ハヤトの先導により、ナマエ達は家から10km程離れた東の森へと来ていた。
「この先に“魔女”が棲む山小屋があると“風”が言っていますねェ」
「距離は?」
「約3Kmといったところでしょうかねェ」
「このまま走るか?」
ミヤビのテリトリーから抜けたクロロは【能力】も使えるようになっており、いつもの不敵な笑みを浮かべていた。
「いや。ここからは遭難者を装う。幸いこの辺りは麓から離れているし、隣国への近道でもあるからね」
「ナマエ、お前に演技は不向きだろ?何故わざわざそんな回りくどい事をする?」
「実際の“魔女”に会ってみたいからね。“魔法”と“指環”のどちらが勝つのか、興味ない?」
「オレは興味深いな。“魔法”と“悪魔の指環”、どちらが強いのか実に興味深い」
子供の様に目を輝かせながら言うナマエの姿を見て、カゲロウは頭を抱えた。
「お前は黙ってろ。吾輩はナマエに訊いているんだ。考え直せ。お前に他人を欺くことは出来ないだろう?」
「確かに誰かを騙すのは好きじゃないし、得意でもない。だけど“人間”に害を為している存在を野放しには出来ない。そうでしょ?」
「……それはナマエとしてか?それとも――」
「【Fate(フェイト)】としてだよ、カゲロウ」
確かな意志を顕にした瞳のナマエに、カゲロウは両手を上げて降参した。
「解った。ならお前とハヤトは木陰で待機していろ。気は進まないが、吾輩とコイツで行く。それならいいだろう?」
そう言いながら、カゲロウはクロロを指差した。
やがて木々の向こうに山小屋が見えてきた。
「では行ってくるが……お前達は吾輩が合図するまで決して出てくるなよ?」
「わーってるよ、カゲロウ。そんなに心配しなくても大丈夫だって」
「吾輩が心配なのは、ナマエよりもハヤトの方だ」
「ワタシ?」
名指しされてハヤトは自身を指差しながら目を丸くした。
「そう、お前だ。お前の気紛れで邪魔をされたのでは元も子もない」
「そんなに信用ないんですかねェ……お嬢様のご機嫌を損ねるような事はしませんよォ。今回はねェ」
クスリと笑みを浮かべているハヤトを見ながら、カゲロウは眉をしかめナマエは苦笑していた。
「“今回は”って事は――過去に何かしたのか?」
「まぁ……昔ちょっとね」
クロロの疑問に、ナマエは表情を歪めた。
「おやおや……まだあんな昔の事を根に持っていらっしゃるんですかァ、お嬢様は」
「お前のおかげでだいぶ苦労したんだよ、あん時は!」
「……静かにしろ。行くぞ」
後ろ髪を引かれる思いで、クロロはカゲロウに腕を引っ張られて山小屋へと連れて行かれた。
「……誰かいるか?」
山小屋の扉をノックし、カゲロウは声を掛けた。
しかし、気配はあるが中からは反応がなかった。
「すまない、道を教えて欲しいのだが……誰かいないか?」
再度カゲロウが声を掛けると、山小屋の扉がギィッと音を立てて開いたが扉の向こうに人は見当たらなかった。
「中に入れ……と言うことか?」
「さぁな。だが――」
「入るなら早くおし」
カゲロウが何かを言いかけた時、山小屋の奥から若い女の声がした。