Fate
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「今更私だけ除け者にしようと思わないでくださいませ、お嬢様」
クロロにフランクリンと呼ばれた大柄な男は、ミヤビの言葉に目を丸くしていた。
「団長、【Fate】はあの女と男の事じゃなかったのか?」
「【Fate】の本来の姿は貴方方と同じですわ」
「オレ達と同じだと?どこが同じだと言うんだ?」
「違うのは盗みや無益な殺生をしない事。私達も常に“死”と隣合わせの存在ですの。お嬢様が“真実”を知った今となっては、隠す必要もございませんわ」
「……知ってて黙ってたの?ミヤビ」
「お嬢様には申し訳ございませんが、これはカゲロウにも話しておりません。先代よりこの“家”を守るように言いつけられたその瞬間より、私も【Fate】でございます」
「どういう意味なのかな?」
シャルナークの最もな疑問に答えたのはミヤビだった。
「【Fate】とは私やカゲロウの様な人外をも含む存在。“個々”を指すモノではございません。今は亡き奥様――先代がお創りになったモノ。お嬢様はその跡を継ぎ、私達を安寧へと導く存在でございます。【指環】に選ばれた……いえ、お生まれになったその瞬間からお嬢様は【Fate】の象徴となったのです」
「【指環】だと?」
「お嬢様のされている【指環】でございます。通称【ニーベルングの指環】。貴方方もよくご存知なのでは?」
「まさか……あの【悪魔の指環】の事か?!」
「左様でございます。悪魔が創りし【指環】。持ち主のどんな“願い”をも叶える【指環】。しかしなれど、その代償はあまりにも大きい。ですから先代がその“お力”を持って封印しておりました」
「つまりは……団長の狙っていた【悪魔の指環】と【Fate】はセットだったつー事なんだな?」
「はい。誠に残念な事ですが……」
ミヤビは長い睫毛を伏せ、言葉を続けた。
「持ち主であるお嬢様が悪意や敵意を持つ者には制裁を、善意や好意を持つ者には祝福を与えられると伺っております。【指環】は決してお嬢様の意思では外す事は出来ません。出来るのは……お嬢様が心より信頼し、愛する者のみにございます」
「無理矢理奪おうとしたら……どうなる?」
「それは無理でございます。私とカゲロウがさせませんので。万が一私とカゲロウで止められなかったとしても、お嬢様が望まない限り【指環】が拒絶致します」
「【指環】が拒絶、ねェ……」
「信じられないのであれば、お試し頂ければよろしいかと。その身を持って体験しなければ信じないのは、“人間”の悪き所でもございます」
あくまでもニッコリと笑みを浮かべながら、ミヤビは試してみろと挑発していた。
そんなミヤビの言葉に、クロロは面白そうに笑うと行動に出た。
「ナマエ」
「……なに?」
「手を出せ」
「は?」
「試させろ」
「……本気で言ってんの?」
「あぁ。オレはいつでも本気だ」
黙ってクロロの目を見据え、冗談ではないと理解したナマエは溜息を漏らした。
「分かった……その前に、ミヤビ」
「何でございましょう?」
「テリトリーを解除して。あと、クロロ」
「なんだ?」
「触るのはいいけど、【堅】をした状態で触ること。これが守れないなら嫌だ」
「オレの心配をしてくれるのか?」
「ちげーよ!この“家”が汚れるのが嫌なだけだ!!」
明らかな嫌悪感を丸出しにし、ナマエはクロロに食って掛かった。
「大事な思い出の詰まった“家”を、アンタみたいないけ好かない奴の血で汚されてたまるかっ!」
「ククッ。分かった。【堅】で触ればいいんだな?」
「あぁ。じゃあミヤビ、解除よろしく」
「かしこまりました――【SWORD SUMMIT(地獄の門)】解除」
ミヤビが呟くと、屋内だというのに僅かながら風が吹いた。
「さぁ、好きなだけ試せば?」
「分かった」
クロロは楽しそうにナマエの左手を取った。しかしその途端に【指環】が光り、クロロの手は弾かれた。
クロロにフランクリンと呼ばれた大柄な男は、ミヤビの言葉に目を丸くしていた。
「団長、【Fate】はあの女と男の事じゃなかったのか?」
「【Fate】の本来の姿は貴方方と同じですわ」
「オレ達と同じだと?どこが同じだと言うんだ?」
「違うのは盗みや無益な殺生をしない事。私達も常に“死”と隣合わせの存在ですの。お嬢様が“真実”を知った今となっては、隠す必要もございませんわ」
「……知ってて黙ってたの?ミヤビ」
「お嬢様には申し訳ございませんが、これはカゲロウにも話しておりません。先代よりこの“家”を守るように言いつけられたその瞬間より、私も【Fate】でございます」
「どういう意味なのかな?」
シャルナークの最もな疑問に答えたのはミヤビだった。
「【Fate】とは私やカゲロウの様な人外をも含む存在。“個々”を指すモノではございません。今は亡き奥様――先代がお創りになったモノ。お嬢様はその跡を継ぎ、私達を安寧へと導く存在でございます。【指環】に選ばれた……いえ、お生まれになったその瞬間からお嬢様は【Fate】の象徴となったのです」
「【指環】だと?」
「お嬢様のされている【指環】でございます。通称【ニーベルングの指環】。貴方方もよくご存知なのでは?」
「まさか……あの【悪魔の指環】の事か?!」
「左様でございます。悪魔が創りし【指環】。持ち主のどんな“願い”をも叶える【指環】。しかしなれど、その代償はあまりにも大きい。ですから先代がその“お力”を持って封印しておりました」
「つまりは……団長の狙っていた【悪魔の指環】と【Fate】はセットだったつー事なんだな?」
「はい。誠に残念な事ですが……」
ミヤビは長い睫毛を伏せ、言葉を続けた。
「持ち主であるお嬢様が悪意や敵意を持つ者には制裁を、善意や好意を持つ者には祝福を与えられると伺っております。【指環】は決してお嬢様の意思では外す事は出来ません。出来るのは……お嬢様が心より信頼し、愛する者のみにございます」
「無理矢理奪おうとしたら……どうなる?」
「それは無理でございます。私とカゲロウがさせませんので。万が一私とカゲロウで止められなかったとしても、お嬢様が望まない限り【指環】が拒絶致します」
「【指環】が拒絶、ねェ……」
「信じられないのであれば、お試し頂ければよろしいかと。その身を持って体験しなければ信じないのは、“人間”の悪き所でもございます」
あくまでもニッコリと笑みを浮かべながら、ミヤビは試してみろと挑発していた。
そんなミヤビの言葉に、クロロは面白そうに笑うと行動に出た。
「ナマエ」
「……なに?」
「手を出せ」
「は?」
「試させろ」
「……本気で言ってんの?」
「あぁ。オレはいつでも本気だ」
黙ってクロロの目を見据え、冗談ではないと理解したナマエは溜息を漏らした。
「分かった……その前に、ミヤビ」
「何でございましょう?」
「テリトリーを解除して。あと、クロロ」
「なんだ?」
「触るのはいいけど、【堅】をした状態で触ること。これが守れないなら嫌だ」
「オレの心配をしてくれるのか?」
「ちげーよ!この“家”が汚れるのが嫌なだけだ!!」
明らかな嫌悪感を丸出しにし、ナマエはクロロに食って掛かった。
「大事な思い出の詰まった“家”を、アンタみたいないけ好かない奴の血で汚されてたまるかっ!」
「ククッ。分かった。【堅】で触ればいいんだな?」
「あぁ。じゃあミヤビ、解除よろしく」
「かしこまりました――【SWORD SUMMIT(地獄の門)】解除」
ミヤビが呟くと、屋内だというのに僅かながら風が吹いた。
「さぁ、好きなだけ試せば?」
「分かった」
クロロは楽しそうにナマエの左手を取った。しかしその途端に【指環】が光り、クロロの手は弾かれた。