Fate
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「【能力】無しでよくこれで済んだね。大した運動能力だ……」
「おい……もうちょっと優しく出来ないのか?!」
「は?手当してやってるだけ有り難いと思え。それに、これだけ傷があるんだからしみて当たり前でしょ」
傷口を濡れタオルで拭き終えると、消毒液でその傷口を消毒していくナマエ。あまりにもその消毒液がしみる為、クロロは声を抑えられずにいた。
「尋常じゃない位痛いんだが!?」
「ミヤビ特製の消毒液だからね。痛いけど、その分治るのが格段に早いんだよね」
やがて全ての傷口の消毒を終えたナマエは、ガーゼや包帯で傷口を覆っていく。
「終わり。後は大人しく横になってなよ。私はミヤビの手伝いしてくるから」
「ちょっと待って」
「……何?」
「何故オレ達を助けたんだ?」
「……思い出を穢されたくないから」
「思い出?」
「そ。本当の“家族”との思い出が詰まったこの“家”を穢されたくない。それだけ」
悲しげな顔でそう答えると、ナマエは今度こそ部屋を出て行った。
翌朝、クロロが目覚めると昨夜の傷が嘘のように無くなっていた。
「……どういう原理だ?」
「さぁ?」
「…………ナマエ、せめてノック位したらどうだ?」
声に顔を上げると、扉に凭れ掛かったナマエの姿が目に入った。
「どうやら追加の消毒は必要ないみたいだね」
クロロの言葉を無視し、ナマエはクロロの身体からガーゼを1枚剥がして傷口を確かめながら言った。
「しっかし、ミヤビの薬は即効性があるけど怖すぎて材料訊く気にもなれないわ」
「あの女は何者だ?」
「あの女?」
「お前が“ミヤビ”と呼んでいるメイドだ」
「あぁ~、彼女は見たまんまメイドだよ。“妖精”だけどね」
「は?」
「ここの土地の住人は、今じゃ私だけ。麓の村で訊いてないの?ここは先代――私のお母さんが住み始めてから“魔女の森”って呼ばれてるんだよ。“人間”はお母さんと生まれたばかりの私だけだったからね」
「お前は一体……」
「【能力者】だよ。“普通”じゃないけどね」
窓の外を眺めながら、ナマエは呟いた。
その呟きはどこか悲しげであり、クロロの胸を締め付けた。
「“普通”とは何だ?」
「え?」
「お前の言う、“普通”とは何だ?」
「……言葉にするのは難しい、かな」
「何故だ?」
「私が私でいる理由――それが“普通”じゃないからってのもあるから」
「遅いと思ったら……喋り過ぎだぞ、ナマエ」
「カゲロウ……ごめん。じゃ、クロロは着替えたらリビングまで来て。ご飯の用意するから」
様子を見に来たカゲロウと入れ違うように、ナマエは部屋を出て行った。
「お前達は一体、何者なんだ?」
「【Fate】だと言っただろ」
「そういう意味じゃない」
「なら、どんな意味だ?我輩達は先代より【Fate】の名を受け継ぎし者。ただそれだけだ」
それ以上訊くなという空気を作りながら、カゲロウもナマエの後を追うように部屋を出て行った。
クロロはカゲロウからこれ以上訊き出す事は無理だと悟り、着替えることにした。
クロロがリビングへと来ると、昨日まで死にかけていたシャルナークと大柄な男が既にテーブルに着いていた。
「起きて大丈夫なのか?2人共……」
「彼女の薬の効果なのか、起きたらこの通り!不思議だよね~。昨日あんだけこっ酷くヤられたってのに、一晩で元通りになるなんて」
「そっちのドデカい人も大丈夫そうだね」
「あぁ。オレもなんともない」
「シャルもフランクリンも死にかけてたのに……本当に何者なんだ?お前達は……」
「私達は――【Fate】ですわ」
「ちょっ……ミヤビ!?」
「おい……もうちょっと優しく出来ないのか?!」
「は?手当してやってるだけ有り難いと思え。それに、これだけ傷があるんだからしみて当たり前でしょ」
傷口を濡れタオルで拭き終えると、消毒液でその傷口を消毒していくナマエ。あまりにもその消毒液がしみる為、クロロは声を抑えられずにいた。
「尋常じゃない位痛いんだが!?」
「ミヤビ特製の消毒液だからね。痛いけど、その分治るのが格段に早いんだよね」
やがて全ての傷口の消毒を終えたナマエは、ガーゼや包帯で傷口を覆っていく。
「終わり。後は大人しく横になってなよ。私はミヤビの手伝いしてくるから」
「ちょっと待って」
「……何?」
「何故オレ達を助けたんだ?」
「……思い出を穢されたくないから」
「思い出?」
「そ。本当の“家族”との思い出が詰まったこの“家”を穢されたくない。それだけ」
悲しげな顔でそう答えると、ナマエは今度こそ部屋を出て行った。
翌朝、クロロが目覚めると昨夜の傷が嘘のように無くなっていた。
「……どういう原理だ?」
「さぁ?」
「…………ナマエ、せめてノック位したらどうだ?」
声に顔を上げると、扉に凭れ掛かったナマエの姿が目に入った。
「どうやら追加の消毒は必要ないみたいだね」
クロロの言葉を無視し、ナマエはクロロの身体からガーゼを1枚剥がして傷口を確かめながら言った。
「しっかし、ミヤビの薬は即効性があるけど怖すぎて材料訊く気にもなれないわ」
「あの女は何者だ?」
「あの女?」
「お前が“ミヤビ”と呼んでいるメイドだ」
「あぁ~、彼女は見たまんまメイドだよ。“妖精”だけどね」
「は?」
「ここの土地の住人は、今じゃ私だけ。麓の村で訊いてないの?ここは先代――私のお母さんが住み始めてから“魔女の森”って呼ばれてるんだよ。“人間”はお母さんと生まれたばかりの私だけだったからね」
「お前は一体……」
「【能力者】だよ。“普通”じゃないけどね」
窓の外を眺めながら、ナマエは呟いた。
その呟きはどこか悲しげであり、クロロの胸を締め付けた。
「“普通”とは何だ?」
「え?」
「お前の言う、“普通”とは何だ?」
「……言葉にするのは難しい、かな」
「何故だ?」
「私が私でいる理由――それが“普通”じゃないからってのもあるから」
「遅いと思ったら……喋り過ぎだぞ、ナマエ」
「カゲロウ……ごめん。じゃ、クロロは着替えたらリビングまで来て。ご飯の用意するから」
様子を見に来たカゲロウと入れ違うように、ナマエは部屋を出て行った。
「お前達は一体、何者なんだ?」
「【Fate】だと言っただろ」
「そういう意味じゃない」
「なら、どんな意味だ?我輩達は先代より【Fate】の名を受け継ぎし者。ただそれだけだ」
それ以上訊くなという空気を作りながら、カゲロウもナマエの後を追うように部屋を出て行った。
クロロはカゲロウからこれ以上訊き出す事は無理だと悟り、着替えることにした。
クロロがリビングへと来ると、昨日まで死にかけていたシャルナークと大柄な男が既にテーブルに着いていた。
「起きて大丈夫なのか?2人共……」
「彼女の薬の効果なのか、起きたらこの通り!不思議だよね~。昨日あんだけこっ酷くヤられたってのに、一晩で元通りになるなんて」
「そっちのドデカい人も大丈夫そうだね」
「あぁ。オレもなんともない」
「シャルもフランクリンも死にかけてたのに……本当に何者なんだ?お前達は……」
「私達は――【Fate】ですわ」
「ちょっ……ミヤビ!?」