Fate
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カゲロウの口から紡がれる言葉をどこか遠くに感じながら、ナマエは思案した。【指環】の“力”は持ち主の“感情”に呼応する“悪魔の力”。【指環】の“力”に“飲まれた”者の末路……
「……【Fate】とは…………“死の頂点”に立つ者」
「!?」
「要はそういう事なんでしょ?その巻物に書かれている事は」
「昔から思っていたが……お前は聡いな」
「そりゃドォモ。これだけ分かればもう十分。ミヤビの待つ“家”に戻ろう」
「あらあら……他のお二人と違って、貴方様は随分としぶといのですわね」
「これでも蜘蛛の頭だ……そう安々と死ねる身じゃないんでな」
「うふふっ、嫌いじゃございませんわ。貴方様のその心意気。ですが――お嬢様に快適にお暮らし頂くために“お掃除”をするのが私の役目。貴方様にも例外なく立ち去って頂きますわ……【One Light(最愛なる魔王さま)】」
「冗談だろ……メイドが使う武器じゃないだろ、ソレ」
クロロの眼前に現れたのは、メイド服には不釣り合いなガトリングガン。
「さぁ、最後の警告ですわ。敷地内から出て行かれるか、それとも蜂の巣になってこの世から立ち去られるか……どちらをお選びに?」
ガトリングガンの照準をクロロに合わせたまま、ミヤビはにこやかに笑んでいた。
「どちらも……嫌だと言ったら?」
「強制的にご退居頂くまでですわ」
カチャリと音を立てながら構え直すミヤビに、背後から声が掛かった。
「もういいよ、ミヤビ」
「お嬢様……どうかお止めにならないでくださいませ。外敵排除は私の役目でございます!」
「いいから……彼等の手当をしてあげて」
「ですがっ!」
「これは【Fate】としての“命令”だよ、ミヤビ」
“命令”と言われてしまい、ミヤビは溜息を漏らすとガトリングガンを消した。
「いいのか?オレ達を殺せるチャンスなんだぞ」
「こんな形でケリをつけたい訳じゃない。ただ、私達の“家”に侵入したらどうなるのか……これで解ったでしょ?」
緊張感の解けた空気に、クロロは戦闘態勢を解除しその場にへたり込んだ。
「カゲロウ、そこの2人を中に運んで。ミヤビは傷の手当をする準備をして。クロロは……自分で歩けるでしょ」
「手、貸してくれないのか?」
キョトンとしているクロロに背を向けて、ナマエは家に向かって歩き出した。
「そこにいたいんなら止めないけど、この辺りは夜になるとかなり冷えるからね。低体温症になりたくなかったらさっさとおいで」
ナマエの声に促されたかのように、クロロは痛む身体をなんとか起こしてナマエの“家”に向かって歩き出した。
「2人共まだ息はあるね。ミヤビ、この2人の手当をお願い」
「……かしこまりました」
「クロロはこっち来て」
「?」
「手当するから」
「……ナマエがしてくれるのか?」
「他に誰がいるっていうのさ。カゲロウの方がいいなら代わるけど、かなり痛いと思うよ?」
「それは遠慮したいな」
苦笑するクロロを連れて、ナマエは客室へとクロロを招いた。
案内されたのはとても簡素な作りの部屋だった。ベッドにサイドテーブルと椅子が1脚あるだけの部屋。しかし、その部屋はある種の温もりに包まれていた。
「必要な物持ってくるから、とりあえず服脱いで椅子に座ってて」
それだけ言うと、ナマエは直ぐに部屋を出て行ってしまった。
取り残されたクロロは言われた通り服を脱ぎながら部屋の中を見渡していた。
「何も面白い物なんか無いと思うんだけど?」
「ナマエ……気配を消して来ないでくれないか?」
「消してない。【能力】を過信しすぎてるから気付けなかっただけでしょ」
持って来た水桶と手当に必要な道具一式をサイドテーブルに置きながら答えるナマエ。言葉は辛辣だが、そこには今までの様な敵意は感じられなかった。
「っ~……」
「……【Fate】とは…………“死の頂点”に立つ者」
「!?」
「要はそういう事なんでしょ?その巻物に書かれている事は」
「昔から思っていたが……お前は聡いな」
「そりゃドォモ。これだけ分かればもう十分。ミヤビの待つ“家”に戻ろう」
「あらあら……他のお二人と違って、貴方様は随分としぶといのですわね」
「これでも蜘蛛の頭だ……そう安々と死ねる身じゃないんでな」
「うふふっ、嫌いじゃございませんわ。貴方様のその心意気。ですが――お嬢様に快適にお暮らし頂くために“お掃除”をするのが私の役目。貴方様にも例外なく立ち去って頂きますわ……【One Light(最愛なる魔王さま)】」
「冗談だろ……メイドが使う武器じゃないだろ、ソレ」
クロロの眼前に現れたのは、メイド服には不釣り合いなガトリングガン。
「さぁ、最後の警告ですわ。敷地内から出て行かれるか、それとも蜂の巣になってこの世から立ち去られるか……どちらをお選びに?」
ガトリングガンの照準をクロロに合わせたまま、ミヤビはにこやかに笑んでいた。
「どちらも……嫌だと言ったら?」
「強制的にご退居頂くまでですわ」
カチャリと音を立てながら構え直すミヤビに、背後から声が掛かった。
「もういいよ、ミヤビ」
「お嬢様……どうかお止めにならないでくださいませ。外敵排除は私の役目でございます!」
「いいから……彼等の手当をしてあげて」
「ですがっ!」
「これは【Fate】としての“命令”だよ、ミヤビ」
“命令”と言われてしまい、ミヤビは溜息を漏らすとガトリングガンを消した。
「いいのか?オレ達を殺せるチャンスなんだぞ」
「こんな形でケリをつけたい訳じゃない。ただ、私達の“家”に侵入したらどうなるのか……これで解ったでしょ?」
緊張感の解けた空気に、クロロは戦闘態勢を解除しその場にへたり込んだ。
「カゲロウ、そこの2人を中に運んで。ミヤビは傷の手当をする準備をして。クロロは……自分で歩けるでしょ」
「手、貸してくれないのか?」
キョトンとしているクロロに背を向けて、ナマエは家に向かって歩き出した。
「そこにいたいんなら止めないけど、この辺りは夜になるとかなり冷えるからね。低体温症になりたくなかったらさっさとおいで」
ナマエの声に促されたかのように、クロロは痛む身体をなんとか起こしてナマエの“家”に向かって歩き出した。
「2人共まだ息はあるね。ミヤビ、この2人の手当をお願い」
「……かしこまりました」
「クロロはこっち来て」
「?」
「手当するから」
「……ナマエがしてくれるのか?」
「他に誰がいるっていうのさ。カゲロウの方がいいなら代わるけど、かなり痛いと思うよ?」
「それは遠慮したいな」
苦笑するクロロを連れて、ナマエは客室へとクロロを招いた。
案内されたのはとても簡素な作りの部屋だった。ベッドにサイドテーブルと椅子が1脚あるだけの部屋。しかし、その部屋はある種の温もりに包まれていた。
「必要な物持ってくるから、とりあえず服脱いで椅子に座ってて」
それだけ言うと、ナマエは直ぐに部屋を出て行ってしまった。
取り残されたクロロは言われた通り服を脱ぎながら部屋の中を見渡していた。
「何も面白い物なんか無いと思うんだけど?」
「ナマエ……気配を消して来ないでくれないか?」
「消してない。【能力】を過信しすぎてるから気付けなかっただけでしょ」
持って来た水桶と手当に必要な道具一式をサイドテーブルに置きながら答えるナマエ。言葉は辛辣だが、そこには今までの様な敵意は感じられなかった。
「っ~……」