Fate
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「何をしている?お前も探せ」
「探せって言われても……」
「【指環】に問いかけるんだ」
「問いかける?」
「そうだ。“主”の願いに応えるのも【指環】だからな」
「……【指環】に…………願う?」
「物は試しだ。願ってみろ」
(お願い……アナタの事を教えて…………)
指輪を嵌めた指を眺めながら、ナマエは願った。
その願いに応えるかの如く【指環】は淡く光り、その光はある1本の巻物へと伸びていった。
「へ?」
「これか……」
カゲロウが光の先にある巻物を手に取ると、その光は消えた。
「今の……は?」
「言っただろ?“主”の願いに応えると」
ナマエの問いに答えながら、カゲロウは手にした巻物を紐解いた。
巻物の内容を読む事に集中しているカゲロウに対し、ナマエは自身の【指環】に触れながら思考に耽った。
(何故【指環】はお母さんを選んだの?)
「……い」
(どうして……そのまま私を選んだの?)
「……おい」
(解らない……【エラトー】の“血”が関係してる…………?解らない事が多すぎる)
「ナマエ!聞いてるのか?!」
「ん?……ごめん、何?」
「大まかな事は把握出来た」
「!?」
「確かにその【指環】は“主”を選ぶ。だが――善悪関係なく選ぶらしい」
「え……?」
「【指環】には“人間”の善悪は関係ないみたいだな」
「それじゃ……」
「悪意のある者が持つと、身を滅ぼす。小母上が身を滅ぼしたのも、悪意に飲まれたからだと思われる」
「まさか……あのお母さんが悪意に飲まれたって……あり得ない!」
「憎悪の念はお前が思っているより強大だ。負の感情は大小関係なく、身を滅ぼす。ソレの“力”を最大限に引き出すには、とにかく負の感情に負けるな」
「んな事言われても……私は――アイツ等を許す事は出来ないよ!」
拳を握りしめ、奥歯を噛みしめるナマエ。そんなナマエを諌めるように、カゲロウは語った。
「吾輩達は――フェンリル族は古来より“人間”を忌み嫌ってきた。何故だか判るか?“人間”はどの種族よりも浅ましいからだ。他種族を嫌悪し、何よりも除外しようとする。如何に我々が歩み寄ろうとしても、“人間”はそれを拒絶する。我々を同列とは見做さない。だからこそ、フェンリル族は“人間”を嫌っていた。だが……吾輩と父上は違う。小母上に助けられて、考えを改めたのだ。“人間”の中にも他種族を重んじる人種がいる、とな」
「だから何?それとコレとは関係ないでしょ!?」
「関係あるから話しているんだ。お前にも小母上と同じ“血”が流れている。他種族を重んじるという、“慈愛の精神”もな。だからこそお前は【Fate】として生きねばならぬ。だが吾輩は――吾輩とミヤビはいつかこの日が来ると解っていた。お前が他の“人間”と同じく負の感情に飲み込まれるであろうことがな」
「……結局何が言いたいの?!」
「単刀直入に言おう。これ以上怒りや恨みで“力”を使うな。お前に……小母上と同じ道を歩ませたくない。【指環】の“力”に惑わされるな。【指環】は万能ではない。持ち主の“感情”に呼応してしまう。それが“人間”に狙われ続ける理由でもある。【指環】の“守り人”となったからには、個人の感情は捨てろ。それが【Fate】のあるべき姿だ」
「【Fate】の……あるべき姿?」
「そうだ。【Fate】とは――本来“死”という意味合いも持つ。だが……そんなモノはお前が覆せ。お前になら出来る。いや、そうならねばならぬ。小母上はそう望んでいたのだからな。【指環】の“力”に惑わされるな。ソレは“悪魔”の分身の様なモノなのだ」
「……“悪魔”……」
「“力”に惑わされるな。過信しすぎると、小母上の二の舞いになるだけだ」
「探せって言われても……」
「【指環】に問いかけるんだ」
「問いかける?」
「そうだ。“主”の願いに応えるのも【指環】だからな」
「……【指環】に…………願う?」
「物は試しだ。願ってみろ」
(お願い……アナタの事を教えて…………)
指輪を嵌めた指を眺めながら、ナマエは願った。
その願いに応えるかの如く【指環】は淡く光り、その光はある1本の巻物へと伸びていった。
「へ?」
「これか……」
カゲロウが光の先にある巻物を手に取ると、その光は消えた。
「今の……は?」
「言っただろ?“主”の願いに応えると」
ナマエの問いに答えながら、カゲロウは手にした巻物を紐解いた。
巻物の内容を読む事に集中しているカゲロウに対し、ナマエは自身の【指環】に触れながら思考に耽った。
(何故【指環】はお母さんを選んだの?)
「……い」
(どうして……そのまま私を選んだの?)
「……おい」
(解らない……【エラトー】の“血”が関係してる…………?解らない事が多すぎる)
「ナマエ!聞いてるのか?!」
「ん?……ごめん、何?」
「大まかな事は把握出来た」
「!?」
「確かにその【指環】は“主”を選ぶ。だが――善悪関係なく選ぶらしい」
「え……?」
「【指環】には“人間”の善悪は関係ないみたいだな」
「それじゃ……」
「悪意のある者が持つと、身を滅ぼす。小母上が身を滅ぼしたのも、悪意に飲まれたからだと思われる」
「まさか……あのお母さんが悪意に飲まれたって……あり得ない!」
「憎悪の念はお前が思っているより強大だ。負の感情は大小関係なく、身を滅ぼす。ソレの“力”を最大限に引き出すには、とにかく負の感情に負けるな」
「んな事言われても……私は――アイツ等を許す事は出来ないよ!」
拳を握りしめ、奥歯を噛みしめるナマエ。そんなナマエを諌めるように、カゲロウは語った。
「吾輩達は――フェンリル族は古来より“人間”を忌み嫌ってきた。何故だか判るか?“人間”はどの種族よりも浅ましいからだ。他種族を嫌悪し、何よりも除外しようとする。如何に我々が歩み寄ろうとしても、“人間”はそれを拒絶する。我々を同列とは見做さない。だからこそ、フェンリル族は“人間”を嫌っていた。だが……吾輩と父上は違う。小母上に助けられて、考えを改めたのだ。“人間”の中にも他種族を重んじる人種がいる、とな」
「だから何?それとコレとは関係ないでしょ!?」
「関係あるから話しているんだ。お前にも小母上と同じ“血”が流れている。他種族を重んじるという、“慈愛の精神”もな。だからこそお前は【Fate】として生きねばならぬ。だが吾輩は――吾輩とミヤビはいつかこの日が来ると解っていた。お前が他の“人間”と同じく負の感情に飲み込まれるであろうことがな」
「……結局何が言いたいの?!」
「単刀直入に言おう。これ以上怒りや恨みで“力”を使うな。お前に……小母上と同じ道を歩ませたくない。【指環】の“力”に惑わされるな。【指環】は万能ではない。持ち主の“感情”に呼応してしまう。それが“人間”に狙われ続ける理由でもある。【指環】の“守り人”となったからには、個人の感情は捨てろ。それが【Fate】のあるべき姿だ」
「【Fate】の……あるべき姿?」
「そうだ。【Fate】とは――本来“死”という意味合いも持つ。だが……そんなモノはお前が覆せ。お前になら出来る。いや、そうならねばならぬ。小母上はそう望んでいたのだからな。【指環】の“力”に惑わされるな。ソレは“悪魔”の分身の様なモノなのだ」
「……“悪魔”……」
「“力”に惑わされるな。過信しすぎると、小母上の二の舞いになるだけだ」