Fate
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とある国にある鬱蒼とした森林の中を歩くナマエとカゲロウ。2人の足取りには何の迷いもなく、ひたすら目的地を目指して歩を進めていた。
「本当にいいのか?」
「くどいよ、カゲロウ」
「しかし……」
「ここで逃げたら、私達はあいつ等に勝てない。そうでしょ?」
立ち止まり、カゲロウを見上げながらナマエは続けた。
「今の私達がアイツ等に対抗するには――【指環】の“力”に負けない事が大前提になる。どうすれば“飲まれる”事無く使いこなせる様になるのか……それを知るには先代達の残した記録を探すしかないでしょ?」
「まったく……お前は何故そんなにも奴等に拘るんだ?吾輩は生きているし、深追いは厳禁だと思うがな」
「“家族”を殺されかけたんだ……このまま黙って見過ごす訳にはいかない」
「お前の気持ちは嬉しいがな、吾輩を“家族”だと思うのなら尚の事無理はするな」
「大丈夫。カゲロウに心配かける様なヘマはもうしないから」
そう言うナマエの目には、強い決意が伺えた。
それを確認した上で、カゲロウはこれ以上何も言うまいと心に決めた。
森林を歩く事数時間。やがて辺りは開けた土地に姿を変えた。
「やっと見えてきたな」
「うん……懐かしいね」
開けた土地の奥には、立派とは言い難い家が1軒だけ佇んでいた。
2人は一歩一歩踏み締めるようにその家に近付いて行く。
家の全体がハッキリと見える位置まで来ると、ナマエは足を止めた。
「……怖くなったか?」
「ううん……懐かしいだけ。ここにまた戻って来られて、それが嬉しくもあるの」
視線を上げ、家を見据えるナマエの目には何の迷いも見られなかった。
「あの頃と何も変わってないね」
「お嬢……様……?」
何年も放置していたにも関わらず、建物内は今でも人が住んでいるかの様に掃除が行き届いており、明かりも灯っていた。
そんな家の中を眺めていると、不意に若い女の声が響いた。
「ミヤビ、久しぶりだね」
「やっぱりお嬢様ですわ!お久しぶりでございますっ!!こんなにご立派になられて……今までどこで何をしていらしたんです?!」
ミヤビと呼ばれたメイド服を着た少女は、持っていた箒を手から落とすとナマエに駆け寄った。
「何のご連絡もなくお帰りにもなりませんので、毎日ご心配ばかりしておりましたのよ!!」
「ごめん」
「カゲロウと一緒に急に居なくなるんですもの……私(わたくし)、また取り残されたのかと思ってしまいましたわ…………」
涙を溢すミヤビを抱き寄せ、ナマエは彼女の背中を優しく叩いた。
「急に居なくなったのは謝る。本当にごめん。でも、私とカゲロウは【Fate(フェイト)】として生きると決めたの……」
「お嬢様も……奥様と同じ道を歩むおつもりなのですか?」
「ミヤビ……私は――」
「シーッ……誰か来るぞ」
カゲロウが口に指を当て、静かにするように指示を出した。そして3人は息を潜め、物陰へと隠れた。
「本当にここに居るのか?」
「あぁ……シャルに追跡させたんだ。間違いない」
「まさか本当にこんな森の奥に家があるなんてねー」
見た事のない巨体の男と見覚えのある童顔の男:シャルナークを引き連れて、逆さ十字の男:クロロはナマエ達の居る家屋へと近づいてきていた。
「何故ここがバレた……?!」
「落ち着け、ナマエ」
「……カゲロウ」
「あぁ、分かっている」
「ミヤビ、まさか……」
ナマエの声を無視し、カゲロウはミヤビの声に応えるとナマエの手を引いて家の奥へと物音を立てないように細心の注意を払いながら移動した。
「カゲロウ、ミヤビを止めないと!」
「彼女なら大丈夫だ。この家の事を誰よりも知っている。そして……彼女のテリトリーで勝てる“人間”はいない」
「本当にいいのか?」
「くどいよ、カゲロウ」
「しかし……」
「ここで逃げたら、私達はあいつ等に勝てない。そうでしょ?」
立ち止まり、カゲロウを見上げながらナマエは続けた。
「今の私達がアイツ等に対抗するには――【指環】の“力”に負けない事が大前提になる。どうすれば“飲まれる”事無く使いこなせる様になるのか……それを知るには先代達の残した記録を探すしかないでしょ?」
「まったく……お前は何故そんなにも奴等に拘るんだ?吾輩は生きているし、深追いは厳禁だと思うがな」
「“家族”を殺されかけたんだ……このまま黙って見過ごす訳にはいかない」
「お前の気持ちは嬉しいがな、吾輩を“家族”だと思うのなら尚の事無理はするな」
「大丈夫。カゲロウに心配かける様なヘマはもうしないから」
そう言うナマエの目には、強い決意が伺えた。
それを確認した上で、カゲロウはこれ以上何も言うまいと心に決めた。
森林を歩く事数時間。やがて辺りは開けた土地に姿を変えた。
「やっと見えてきたな」
「うん……懐かしいね」
開けた土地の奥には、立派とは言い難い家が1軒だけ佇んでいた。
2人は一歩一歩踏み締めるようにその家に近付いて行く。
家の全体がハッキリと見える位置まで来ると、ナマエは足を止めた。
「……怖くなったか?」
「ううん……懐かしいだけ。ここにまた戻って来られて、それが嬉しくもあるの」
視線を上げ、家を見据えるナマエの目には何の迷いも見られなかった。
「あの頃と何も変わってないね」
「お嬢……様……?」
何年も放置していたにも関わらず、建物内は今でも人が住んでいるかの様に掃除が行き届いており、明かりも灯っていた。
そんな家の中を眺めていると、不意に若い女の声が響いた。
「ミヤビ、久しぶりだね」
「やっぱりお嬢様ですわ!お久しぶりでございますっ!!こんなにご立派になられて……今までどこで何をしていらしたんです?!」
ミヤビと呼ばれたメイド服を着た少女は、持っていた箒を手から落とすとナマエに駆け寄った。
「何のご連絡もなくお帰りにもなりませんので、毎日ご心配ばかりしておりましたのよ!!」
「ごめん」
「カゲロウと一緒に急に居なくなるんですもの……私(わたくし)、また取り残されたのかと思ってしまいましたわ…………」
涙を溢すミヤビを抱き寄せ、ナマエは彼女の背中を優しく叩いた。
「急に居なくなったのは謝る。本当にごめん。でも、私とカゲロウは【Fate(フェイト)】として生きると決めたの……」
「お嬢様も……奥様と同じ道を歩むおつもりなのですか?」
「ミヤビ……私は――」
「シーッ……誰か来るぞ」
カゲロウが口に指を当て、静かにするように指示を出した。そして3人は息を潜め、物陰へと隠れた。
「本当にここに居るのか?」
「あぁ……シャルに追跡させたんだ。間違いない」
「まさか本当にこんな森の奥に家があるなんてねー」
見た事のない巨体の男と見覚えのある童顔の男:シャルナークを引き連れて、逆さ十字の男:クロロはナマエ達の居る家屋へと近づいてきていた。
「何故ここがバレた……?!」
「落ち着け、ナマエ」
「……カゲロウ」
「あぁ、分かっている」
「ミヤビ、まさか……」
ナマエの声を無視し、カゲロウはミヤビの声に応えるとナマエの手を引いて家の奥へと物音を立てないように細心の注意を払いながら移動した。
「カゲロウ、ミヤビを止めないと!」
「彼女なら大丈夫だ。この家の事を誰よりも知っている。そして……彼女のテリトリーで勝てる“人間”はいない」