逃亡
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「ほぅ……ならば言葉を変えようか。お前はそのカゲロウとか言う狼と一生を共にすると、そう言うのか?」
「それがどうした?私にもカゲロウにも、お互い誰かの為に生きるという道はもう無いんだ」
苦虫を噛み潰した様な顔で言うナマエを見て、クロロはクツクツと笑った。
「何がそんなに可笑しい?!」
「いや……案外子供染みた考えをするものだと思ってな。ククッ」
「別にアンタみたいな奴に理解されたいとは思ってない。話は終わったな?私達は戻らせて貰う」
そう言い残し、ナマエは立ち上がった。
「待て」
「なん――」
ナマエが言葉を続けようとした瞬間、手首を捕まれグイッと引っ張られた。そして唇に生温かい感触がした。
何が起こったのかナマエが漸く思考を辿り着かせ理解した時、漸くリップ音を響かせながら事の原因であるクロロが離れた。
「テメェ……」
「貴様……ナマエに何をするッ」
「クロロ、流石にコレは許せないよ」
三者三様の怒りを感じても、クロロは意にも介していない。
「ますます手に入れたくなった。言い方が悪かったのは謝る。だが、オレは本気だ」
「本気だって言うなら――いきなりんな事すんなッ!!」
「滅してくれる……」
「なんだ、気に入らなかったか?」
「当たり前だろうがっ!!」
掴まれていた手首を振り払い、袖口で自身の唇を何度も擦りながらナマエは叫んだ。
「何で好きでもない奴にキスされなきゃいかんの!?それで私が喜ぶとでも思ってんの?!」
「オレがしたかったからした。それだけだ。さて、用も済んだしオレは帰らせて貰う」
「誰がこのまま帰っていいと言った?貴様はこの場で殺してやる……」
「クロロ、流石に付き合いがあるからってコレは許せないよ」
オーラ量を跳ね上がらせるカゲロウと、鋲を構えるイルミ。それでもクロロは何事でもない様に振る舞った。
「止めろイルミ、フェンリル」
「……親父?」
「シルバ殿!?何故止める?コヤツはナマエに――」
「オレが止めろと言っているんだ」
威圧感を漂わせながら言うシルバに、2人は戦闘態勢を解除した。
「クロロと言ったな」
「なんだ?アンタも一緒に相手になるって言うのか?」
「いや。もうここには来るな。出来れば――ナマエには今後一切顔を合わせるな」
「それは無理な相談だな。オレは盗賊だ。欲しいモノはなんでも……どんな手を使ってでも手に入れる」
「それでナマエに嫌われてもか?」
「既に嫌われている。これから惚れさせればいいだけの話だ」
挑発的に笑みを浮かべると、誰に止められることもなくクロロは応接室を出て行った。
「……シルバ小父様」
「なんだ?」
「居場所がバレてしまったので、これ以上ここにいる訳にはいかなくなりました」
「分かった……行く宛はあるのか?」
「一旦“家”に帰ります。そこで……【指環】に“飲まれない”方法を探します」
「そうか……」
「今までお世話になりました」
「気にするな。また何かあったら、いつでも“帰って”来い。ここはお前の“帰る場所”でもある」
シルバの言葉に礼を言い、ナマエはカゲロウを促し応接室を出た。
「本当に帰るのか?あの“家”へ」
「うん。この【指環】の“力”について、お母さんの残した何かがあると思うから」
「……分かった。直ぐに準備しよう」
「振り回してごめんね……」
「いつもの事だ。今更気にするな」
そう言うと、カゲロウはナマエの頭を乱暴に撫でた。
「それがどうした?私にもカゲロウにも、お互い誰かの為に生きるという道はもう無いんだ」
苦虫を噛み潰した様な顔で言うナマエを見て、クロロはクツクツと笑った。
「何がそんなに可笑しい?!」
「いや……案外子供染みた考えをするものだと思ってな。ククッ」
「別にアンタみたいな奴に理解されたいとは思ってない。話は終わったな?私達は戻らせて貰う」
そう言い残し、ナマエは立ち上がった。
「待て」
「なん――」
ナマエが言葉を続けようとした瞬間、手首を捕まれグイッと引っ張られた。そして唇に生温かい感触がした。
何が起こったのかナマエが漸く思考を辿り着かせ理解した時、漸くリップ音を響かせながら事の原因であるクロロが離れた。
「テメェ……」
「貴様……ナマエに何をするッ」
「クロロ、流石にコレは許せないよ」
三者三様の怒りを感じても、クロロは意にも介していない。
「ますます手に入れたくなった。言い方が悪かったのは謝る。だが、オレは本気だ」
「本気だって言うなら――いきなりんな事すんなッ!!」
「滅してくれる……」
「なんだ、気に入らなかったか?」
「当たり前だろうがっ!!」
掴まれていた手首を振り払い、袖口で自身の唇を何度も擦りながらナマエは叫んだ。
「何で好きでもない奴にキスされなきゃいかんの!?それで私が喜ぶとでも思ってんの?!」
「オレがしたかったからした。それだけだ。さて、用も済んだしオレは帰らせて貰う」
「誰がこのまま帰っていいと言った?貴様はこの場で殺してやる……」
「クロロ、流石に付き合いがあるからってコレは許せないよ」
オーラ量を跳ね上がらせるカゲロウと、鋲を構えるイルミ。それでもクロロは何事でもない様に振る舞った。
「止めろイルミ、フェンリル」
「……親父?」
「シルバ殿!?何故止める?コヤツはナマエに――」
「オレが止めろと言っているんだ」
威圧感を漂わせながら言うシルバに、2人は戦闘態勢を解除した。
「クロロと言ったな」
「なんだ?アンタも一緒に相手になるって言うのか?」
「いや。もうここには来るな。出来れば――ナマエには今後一切顔を合わせるな」
「それは無理な相談だな。オレは盗賊だ。欲しいモノはなんでも……どんな手を使ってでも手に入れる」
「それでナマエに嫌われてもか?」
「既に嫌われている。これから惚れさせればいいだけの話だ」
挑発的に笑みを浮かべると、誰に止められることもなくクロロは応接室を出て行った。
「……シルバ小父様」
「なんだ?」
「居場所がバレてしまったので、これ以上ここにいる訳にはいかなくなりました」
「分かった……行く宛はあるのか?」
「一旦“家”に帰ります。そこで……【指環】に“飲まれない”方法を探します」
「そうか……」
「今までお世話になりました」
「気にするな。また何かあったら、いつでも“帰って”来い。ここはお前の“帰る場所”でもある」
シルバの言葉に礼を言い、ナマエはカゲロウを促し応接室を出た。
「本当に帰るのか?あの“家”へ」
「うん。この【指環】の“力”について、お母さんの残した何かがあると思うから」
「……分かった。直ぐに準備しよう」
「振り回してごめんね……」
「いつもの事だ。今更気にするな」
そう言うと、カゲロウはナマエの頭を乱暴に撫でた。