逃亡
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「私が殺したいほど憎んでいるのを知ってて同席させてるの?!」
「うん。でも、オレは家にナマエ達がいる事は教えてないよ」
「そういう問題じゃないでしょ!!」
「そう喚くな。言っただろ?今日は話し合いに来たんだと」
「……私にはお前と話す事など何も無い」
「オレにはあるんだ」
「イルミ、悪いけど私達は戻らせて貰う」
隣に立っているイルミにそう言うと、クロロに背を向けたナマエ。
そのまま応接室を後にしようとした所で、背後から声を掛けられた。
「また逃げるのか?」
その声に、ナマエは肩をピクリと反応させた。
「貴様……吾輩ではなくナマエを愚弄するとはいい度胸をしているなッ!?」
「止めろ、カゲロウ。喧嘩を売られたのは――私だ」
振り向いたナマエの顔は怒りを露わにしていた。
「そう怒るな。喧嘩を売ったわけじゃない。“逃げるのか”と訊いただけだ」
「逃げる?この私が?ハッ……寝言は寝て言え」
「なら、さっさと座れ。今日はお前に話があって来たんだ」
「……」
今にも殺したいという気持ちを押さえつけながら、ナマエはクロロの対面へと腰を降ろした。
そんなナマエの隣にイルミは座り、カゲロウはナマエの後ろに控えている。
「……で、話とはなんだ?」
「オレの女になれ」
「は?」
「モノ扱いは嫌なんだろ?なら、オレの女になれ」
「……どっちみちモノ扱いじゃないかよ」
「クロロ」
「なんだ?イルミ」
「ナマエとオレの関係、知ってて言ってるの?」
いきなり話に割り込んできたイルミの口からは、クロロの知らない事が紡がれた。
「ナマエは、オレの元婚約者なんだけど」
「……それで?今は違うんだろ?」
「うん。でもオレはまだ納得してない。だからクロロには渡さない」
「ヒソカは……この事を知っているのか?」
「知ってるよ。昔会った時にナマエの事、青い果実とか言い出したからね」
その言葉を聞いて、クロロは何かを考え始めた。
そして、ある結論を出した。
「解った。だが、それがどうした?オレは欲しいモノは必ず手に入れる主義なんでな。ナマエが過去に誰と一緒にいたかは関係ない。ヒソカが目をつける程の使い手という事なんだろ?ますます欲しくなったな」
「あのさー」
今まで黙っていたナマエが、漸く口を開いた。
「黙って聞いてりゃ人の事モノ扱いしまくりってどうなの?お前等揃いも揃って頭沸いてるんじゃない?私には私の生き方がある。それをお前等の事情で振り回されたくない。クロロもこんな事言うためだけに来たの?馬鹿じゃない?誰がアンタなんかと付き合うかよ」
「何故だ?欲しい物ならなんでも与えてやるぞ」
「そういうモノで釣ろうって考えがまず気に入らない。少なくとも、イルミは歪んでいるとはいえちゃんと愛情を持って接してくれた。それでも私には釣り合わないし、今はもう“友達”以上には思えない。私には――誰かを“好き”になる資格なんて無い!」
「フッ……くだらんな。誰かを“好き”になる事に何故資格がいるんだ?」
「くだらなくて結構。アンタみたいな男に何と言われようと、痛くも痒くもない。私には――カゲロウがいればそれで十分なんだ」
「カゲロウ?」
「あぁ、クロロは知らなかったの?フェンリルは種族名で、本名はカゲロウって言うんだ。本人はナマエ以外からその名前で呼ばれるのを嫌うから、ナマエも滅多な事がない限りは本名で呼んでないってワケ」
「うん。でも、オレは家にナマエ達がいる事は教えてないよ」
「そういう問題じゃないでしょ!!」
「そう喚くな。言っただろ?今日は話し合いに来たんだと」
「……私にはお前と話す事など何も無い」
「オレにはあるんだ」
「イルミ、悪いけど私達は戻らせて貰う」
隣に立っているイルミにそう言うと、クロロに背を向けたナマエ。
そのまま応接室を後にしようとした所で、背後から声を掛けられた。
「また逃げるのか?」
その声に、ナマエは肩をピクリと反応させた。
「貴様……吾輩ではなくナマエを愚弄するとはいい度胸をしているなッ!?」
「止めろ、カゲロウ。喧嘩を売られたのは――私だ」
振り向いたナマエの顔は怒りを露わにしていた。
「そう怒るな。喧嘩を売ったわけじゃない。“逃げるのか”と訊いただけだ」
「逃げる?この私が?ハッ……寝言は寝て言え」
「なら、さっさと座れ。今日はお前に話があって来たんだ」
「……」
今にも殺したいという気持ちを押さえつけながら、ナマエはクロロの対面へと腰を降ろした。
そんなナマエの隣にイルミは座り、カゲロウはナマエの後ろに控えている。
「……で、話とはなんだ?」
「オレの女になれ」
「は?」
「モノ扱いは嫌なんだろ?なら、オレの女になれ」
「……どっちみちモノ扱いじゃないかよ」
「クロロ」
「なんだ?イルミ」
「ナマエとオレの関係、知ってて言ってるの?」
いきなり話に割り込んできたイルミの口からは、クロロの知らない事が紡がれた。
「ナマエは、オレの元婚約者なんだけど」
「……それで?今は違うんだろ?」
「うん。でもオレはまだ納得してない。だからクロロには渡さない」
「ヒソカは……この事を知っているのか?」
「知ってるよ。昔会った時にナマエの事、青い果実とか言い出したからね」
その言葉を聞いて、クロロは何かを考え始めた。
そして、ある結論を出した。
「解った。だが、それがどうした?オレは欲しいモノは必ず手に入れる主義なんでな。ナマエが過去に誰と一緒にいたかは関係ない。ヒソカが目をつける程の使い手という事なんだろ?ますます欲しくなったな」
「あのさー」
今まで黙っていたナマエが、漸く口を開いた。
「黙って聞いてりゃ人の事モノ扱いしまくりってどうなの?お前等揃いも揃って頭沸いてるんじゃない?私には私の生き方がある。それをお前等の事情で振り回されたくない。クロロもこんな事言うためだけに来たの?馬鹿じゃない?誰がアンタなんかと付き合うかよ」
「何故だ?欲しい物ならなんでも与えてやるぞ」
「そういうモノで釣ろうって考えがまず気に入らない。少なくとも、イルミは歪んでいるとはいえちゃんと愛情を持って接してくれた。それでも私には釣り合わないし、今はもう“友達”以上には思えない。私には――誰かを“好き”になる資格なんて無い!」
「フッ……くだらんな。誰かを“好き”になる事に何故資格がいるんだ?」
「くだらなくて結構。アンタみたいな男に何と言われようと、痛くも痒くもない。私には――カゲロウがいればそれで十分なんだ」
「カゲロウ?」
「あぁ、クロロは知らなかったの?フェンリルは種族名で、本名はカゲロウって言うんだ。本人はナマエ以外からその名前で呼ばれるのを嫌うから、ナマエも滅多な事がない限りは本名で呼んでないってワケ」