逃亡
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「せっかくハンターライセンスを持ってるのじゃからな。ワシ等が普段断っておる“護衛”の仕事じゃ」
「ゲッ……」
「なんじゃ?不満でもあるのか?」
「不満というか……私に“護衛”が務まるんでしょうか?」
不安げに瞳を揺らすナマエを見据えながら、ゼノは言い切った。
「おぬしだからこそ出来る事もある」
そうして1年。ナマエはフェンリルの怪我が治ったにも関わらずゾルディック家に滞在し、“護衛”の仕事を手伝わされていた。
「流石に慣れてきたな」
「はい。どうやら私の性分に合ってるみたいです、シルバ小父様」
「なら――次の仕事はオレ達に同行して貰おうか」
「シルバ小父様達の仕事に?」
不思議に思い首を傾げるナマエ。
「あぁ。仕事と言っても、オレと親父が“暗殺”している間に邪魔が入らないようにしてくれればそれでいい」
「……要はシルバ小父様とゼノお爺様の“護衛”、って事ですか?」
「そう固く考えるな。本来ならイルミを同行させるつもりだったんだがな。急な仕事であいつは来られなくなった。流石にキルアにはまだ無理な仕事だしな」
「そう言えばミルキも引き篭もりっ放しですもんね」
「あぁ。だからお前に頼みたい」
「解りました」
翌日、ナマエはシルバに1本のナイフを手渡された。
「オレが持っている中では一番弱い物だが、護身用に持っておけ」
「シルバ小父様のって事は……」
「あぁ――ベンズナイフだ」
「そんな!こんな高価な物借りられません!!」
「誰が貸すと言った?お前にやると言ってるんだ」
「……謹んで辞退させて頂きます」
一旦は受け取ったベンズナイフを、ナマエはシルバに返そうとした。
しかし、シルバはそれを頑なに拒否した。
「お前は客人ではなく“娘”同然だ。黙って受け取れ」
「そう思ってくださるのは嬉しいです。でも……」
「“仕事”を受けた以上、お前に拒否権はない」
威圧的な態度で言い切るシルバに、ナマエは何を言っても無駄だと悟った。
そして今回の仕事場である邸宅の遙か上空に辿り着いた、ゾルディック家専用飛行船。その中で、ナマエは再度シルバから“仕事”内容の確認をさせられていた。
「シルバ小父様達の“護衛”。それが今回の“仕事”」
「そうだ。だが、お前は自分の身の安全を最優先に動け。決して無茶な事だけはするな」
「分かってます。自分の力量位、把握してますから」
「……行くぞ」
シルバの声に、ゼノと共に飛行船から飛び降りたナマエ。飛び降りる事への恐怖心はいつまで経っても拭えないが、自身の中のスイッチを切り替える事でそれを取り除く。
空気を切り裂く音を肌で感じながら、ナマエは目標地点を目指して降下し続ける。そして邸宅の全貌が視認出来る地点まで降下した所で、ナマエは【堅】で着陸態勢に入った。
余計な音を立てないよう、細心の注意を払いながら屋根へと降り立った3人。
「では、ワシとシルバは行ってくる。おぬしはここで外敵が来たら頼むぞ」
「分かりました」
ゼノとシルバを見送ったナマエは、何をするでもなく屋根に腰を落ち着けていた。
ボーッと空を眺めていると、突然ガラスが割れる音が響き渡った。
「!?」
シルバ達に何かあったのかと焦りつつも、ナマエは音のした方へと走り出した。
「なっ……」
到着するなりナマエは目を瞠った。
「いきなり消えたと思ったら……久しぶりだな、ナマエ」
「貴様ッ……何してやがる!?クロロ・ルシルフル!!」
怒りを露わに、シルバから渡されたベンズナイフを構えるナマエ。
「何って――“仕事”だ」
悪びれる様子もなく、クロロは端的に答えた。
「ゲッ……」
「なんじゃ?不満でもあるのか?」
「不満というか……私に“護衛”が務まるんでしょうか?」
不安げに瞳を揺らすナマエを見据えながら、ゼノは言い切った。
「おぬしだからこそ出来る事もある」
そうして1年。ナマエはフェンリルの怪我が治ったにも関わらずゾルディック家に滞在し、“護衛”の仕事を手伝わされていた。
「流石に慣れてきたな」
「はい。どうやら私の性分に合ってるみたいです、シルバ小父様」
「なら――次の仕事はオレ達に同行して貰おうか」
「シルバ小父様達の仕事に?」
不思議に思い首を傾げるナマエ。
「あぁ。仕事と言っても、オレと親父が“暗殺”している間に邪魔が入らないようにしてくれればそれでいい」
「……要はシルバ小父様とゼノお爺様の“護衛”、って事ですか?」
「そう固く考えるな。本来ならイルミを同行させるつもりだったんだがな。急な仕事であいつは来られなくなった。流石にキルアにはまだ無理な仕事だしな」
「そう言えばミルキも引き篭もりっ放しですもんね」
「あぁ。だからお前に頼みたい」
「解りました」
翌日、ナマエはシルバに1本のナイフを手渡された。
「オレが持っている中では一番弱い物だが、護身用に持っておけ」
「シルバ小父様のって事は……」
「あぁ――ベンズナイフだ」
「そんな!こんな高価な物借りられません!!」
「誰が貸すと言った?お前にやると言ってるんだ」
「……謹んで辞退させて頂きます」
一旦は受け取ったベンズナイフを、ナマエはシルバに返そうとした。
しかし、シルバはそれを頑なに拒否した。
「お前は客人ではなく“娘”同然だ。黙って受け取れ」
「そう思ってくださるのは嬉しいです。でも……」
「“仕事”を受けた以上、お前に拒否権はない」
威圧的な態度で言い切るシルバに、ナマエは何を言っても無駄だと悟った。
そして今回の仕事場である邸宅の遙か上空に辿り着いた、ゾルディック家専用飛行船。その中で、ナマエは再度シルバから“仕事”内容の確認をさせられていた。
「シルバ小父様達の“護衛”。それが今回の“仕事”」
「そうだ。だが、お前は自分の身の安全を最優先に動け。決して無茶な事だけはするな」
「分かってます。自分の力量位、把握してますから」
「……行くぞ」
シルバの声に、ゼノと共に飛行船から飛び降りたナマエ。飛び降りる事への恐怖心はいつまで経っても拭えないが、自身の中のスイッチを切り替える事でそれを取り除く。
空気を切り裂く音を肌で感じながら、ナマエは目標地点を目指して降下し続ける。そして邸宅の全貌が視認出来る地点まで降下した所で、ナマエは【堅】で着陸態勢に入った。
余計な音を立てないよう、細心の注意を払いながら屋根へと降り立った3人。
「では、ワシとシルバは行ってくる。おぬしはここで外敵が来たら頼むぞ」
「分かりました」
ゼノとシルバを見送ったナマエは、何をするでもなく屋根に腰を落ち着けていた。
ボーッと空を眺めていると、突然ガラスが割れる音が響き渡った。
「!?」
シルバ達に何かあったのかと焦りつつも、ナマエは音のした方へと走り出した。
「なっ……」
到着するなりナマエは目を瞠った。
「いきなり消えたと思ったら……久しぶりだな、ナマエ」
「貴様ッ……何してやがる!?クロロ・ルシルフル!!」
怒りを露わに、シルバから渡されたベンズナイフを構えるナマエ。
「何って――“仕事”だ」
悪びれる様子もなく、クロロは端的に答えた。