獲物
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「彼とは本当にただの“友達”なのかしら?」
それまで居た部屋を出てパクノダに手を引かれながら歩いていると、不意に疑問を投げかけられた。
「“友達”?……そんな生半可な仲じゃない」
「なら、どういう関係なの?」
「どういう、か……それを言葉にするのは難しいな。なにせ生まれた時から一緒に過ごしてきた仲だからな」
「そう……嘘は吐いていないようね」
「嘘吐くなら、もっとマシな事で吐く」
「そうね……さぁ、着いたわ。この扉の向こうに、貴女のお友達がいるわ」
その声に、ナマエはパクノダから手を放して勢いよく扉を開いた。
「フェンリル!?」
扉を開けて中に入ったナマエの目に映ったのは、血塗れで地に伏しているフェンリルの姿だった。
「貴様等……よくも…………!」
「落ち着きなよ。まだ死んじゃいないんだからさ」
「死んでない?だから何?こんな姿にさせられて黙ってられる程、お人好しじゃないんだ!!」
「シャル、止めろ」
「けど団長!」
臨戦態勢に入ったナマエを見据えて、クロロはシャルと呼んだ男を制した。
「悪いが、口を割らないからフェイタンに吐かせた。まぁ、それでも口を割ろうとしなかったようだがな」
感心したように足元に蹲るフェンリルを見ながら、クロロは続けた。
「パク、そっちはどうだ?」
「嘘は吐いていなかったわ。【Fate】については団長の予想通りよ」
「そうか……フェイタン、もう止めろ」
「……わかたよ」
クロロの言葉で、漸くフェイタンはフェンリルから離れた。
「……るさない。許さないッ!!」
「や……めろ」
「フェンリル、喋るな。さっさと帰ろう、私達の“家”に――」
「我輩に構わず……逃……げろ」
「そうはいかない!大事な“仲間”を――“家族”を見捨てられるか!!」
ナマエは大きく息を吸い込んで口を開いた。
「夜空を舞う蒼き三日月
まばゆい世界は雲を越え
今奏でる旅立ちを
願いは彼方へ流れゆく
形の無い物語が
月明かりへ染み渡れば
君の中の宝物が
今 風に溶けてゆく
明日はありのままで羽ばたいてみよう
いつかどこかで君は欲しがったよね
聞こえるだろう ほら輝いていたあの日の夢
夜空を舞う蒼き三日月
まばゆい世界は雲を越え
今奏でる旅立ちを
願いは彼方へ
ああ この夢が果てるまで♪」
ナマエが歌い出すと、フェンリルの身体は白く輝く光に覆われた。そして次の瞬間、ナマエとフェンリルはその場から姿を消していた。
「これは……」
「ナマエの【能力】のようだね♥」
唖然としているクロロに、それまで部屋の隅でトランプを弄っていたヒソカが、さも可笑しそうにクツクツと笑った。
それまで居た部屋を出てパクノダに手を引かれながら歩いていると、不意に疑問を投げかけられた。
「“友達”?……そんな生半可な仲じゃない」
「なら、どういう関係なの?」
「どういう、か……それを言葉にするのは難しいな。なにせ生まれた時から一緒に過ごしてきた仲だからな」
「そう……嘘は吐いていないようね」
「嘘吐くなら、もっとマシな事で吐く」
「そうね……さぁ、着いたわ。この扉の向こうに、貴女のお友達がいるわ」
その声に、ナマエはパクノダから手を放して勢いよく扉を開いた。
「フェンリル!?」
扉を開けて中に入ったナマエの目に映ったのは、血塗れで地に伏しているフェンリルの姿だった。
「貴様等……よくも…………!」
「落ち着きなよ。まだ死んじゃいないんだからさ」
「死んでない?だから何?こんな姿にさせられて黙ってられる程、お人好しじゃないんだ!!」
「シャル、止めろ」
「けど団長!」
臨戦態勢に入ったナマエを見据えて、クロロはシャルと呼んだ男を制した。
「悪いが、口を割らないからフェイタンに吐かせた。まぁ、それでも口を割ろうとしなかったようだがな」
感心したように足元に蹲るフェンリルを見ながら、クロロは続けた。
「パク、そっちはどうだ?」
「嘘は吐いていなかったわ。【Fate】については団長の予想通りよ」
「そうか……フェイタン、もう止めろ」
「……わかたよ」
クロロの言葉で、漸くフェイタンはフェンリルから離れた。
「……るさない。許さないッ!!」
「や……めろ」
「フェンリル、喋るな。さっさと帰ろう、私達の“家”に――」
「我輩に構わず……逃……げろ」
「そうはいかない!大事な“仲間”を――“家族”を見捨てられるか!!」
ナマエは大きく息を吸い込んで口を開いた。
「夜空を舞う蒼き三日月
まばゆい世界は雲を越え
今奏でる旅立ちを
願いは彼方へ流れゆく
形の無い物語が
月明かりへ染み渡れば
君の中の宝物が
今 風に溶けてゆく
明日はありのままで羽ばたいてみよう
いつかどこかで君は欲しがったよね
聞こえるだろう ほら輝いていたあの日の夢
夜空を舞う蒼き三日月
まばゆい世界は雲を越え
今奏でる旅立ちを
願いは彼方へ
ああ この夢が果てるまで♪」
ナマエが歌い出すと、フェンリルの身体は白く輝く光に覆われた。そして次の瞬間、ナマエとフェンリルはその場から姿を消していた。
「これは……」
「ナマエの【能力】のようだね♥」
唖然としているクロロに、それまで部屋の隅でトランプを弄っていたヒソカが、さも可笑しそうにクツクツと笑った。