獲物
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「こんな時間にお客さんを招いた覚えはないんだけど?」
声に振り向こうとした瞬間、首筋に冷たいモノを突きつけられた。
「動くな。単刀直入に訊く。何をしに来た?」
「……」
「私は気が長いほうじゃないんだ。死にたくなければさっさと答えろ」
「……奪いに来たんだ」
「奪う?何をだ?」
「お前だ、“ギメイ”――いや、“ナマエ・ミョウジ”と呼んだほうがいいか?」
クロロの返答に、声の主は殺気を膨らませた。
「……どこでその名を知った?」
「自分から名乗っておきながら忘れたのか?」
「名乗っただと?」
「まだ判らないのか?」
「判らないから訊いているんだ!」
「オレだ」
そう言いながら、クロロは素早い手刀で自身の首筋にあてられていたモノを叩き落とした。
「なっ……!?」
「この姿で会うのは久しぶりだな」
「お前は……ヒソカと一緒にいた…………」
「まだ気づかないのか?オレの名はクロロ。クロロ・ルシルフルだ」
「ク……ロロ?嘘だ……」
振り向いたクロロの顔を見ると、声の主は呆気に取られていた。
「これでも信じられないか?」
言いながら、クロロはオールバックにしている髪型を崩した。
無造作になった髪型だが、そこには確かに昼間会ったクロロが居た。
「な……んで?何でクロロがここに?」
「言っただろ?“奪いに来た”って」
「“奪う”だって?私はモノじゃない!」
そう言うと、ナマエは叩き落とされた短刀を拾い上げクロロに向かって突進した。
クロロはそれを難なく躱すと、ベンズナイフを取り出した。
「あまり強硬手段には出たくないんだがな……」
そうは言ったものの、クロロの眼は冷たい光を放っていた。
「っ……」
「お前でもベンズナイフの事は知ってるだろ?コレは死ぬような毒じゃないが……少しでも傷を負えば寝込む事になるだろうな」
「……本気を出せって事、か」
長い睫毛を伏せながら、ナマエは覚悟を決めた。
「分かった。もうどうなっても知らないから――【愛の葬列(ヴァルキリー)】」
ナマエが手を翳し呟くとクロロの眼前には魔法陣が広がり、その中から8人の女が現れた。彼女達は皆武器を手にし、ナマエを護るかの様にクロロを睨みつけている。
「コレが……お前の【能力】なのか?」
「ただ“歌う”だけが【能力】じゃない――コレは私の分身でもあり、個々の意志を持った別人でもある。お前は……私達を相手に闘う事を選んだんだ。黙ってフェンリルに殺されていれば苦しまずに済んだのに……残念だよ」
ナマエが言い切るのと同時に、8人の女はそれぞれの武器をクロロに向かって振り翳した。
女達の攻撃を既の所で躱しながら、クロロはベンズナイフで応戦する。
「【Fate】の正体は……明かすわけにはいかないんだ!!」
叫びながら、ナマエもベンズナイフに怯む事無くクロロに向かって武器を振るう。
「何故そんなに隠したがる?理由はなんだ?」
「そんな事――これから死ぬ奴には言うだけ無駄だ!【独壇場 Beauty(アウトサイダー)】!!」
「なっ……!?」
キィーンという高い金属音が鳴り響き、ナマエの剣先がクロロのベンズナイフと打つかりあった。
「オレの反射神経と同等だと……?!」
「誰が同等だと言った?これからが本番だ!!」
「ちょいと待ちな」
ナマエがその切っ先をクロロに振り下ろそうとした瞬間、いきなり女の声で制止された。
「……マチか」
「クロロの仲間?……フェンリルはどうした?!」
「犬コロならここね」
男の声に視線を移すと、そこには念の糸で縛り上げられたフェンリルの姿があった。
「ぐッ……逃げろ……逃げるんだ!ナマエ!!」
今まで自身の血に塗れたことの無いフェンリルが、無残にも血塗れになっている姿を見てナマエは目を見開いた。
「フェンリル!?クソッ……フェンリルを放せ!!さもなくば――」
クロロの首筋に切っ先をあてがっていたナマエだったが、直ぐに言葉を紡げなくなった。
「動いたら……殺しちゃうよ、彼♣」
「貴様……」
自身の首筋を生温かいモノが流れていくのを感じたナマエ。見なくても判る。ヒソカのトランプで首筋を薄く斬られているのが、ナマエには嫌でも解った。
声に振り向こうとした瞬間、首筋に冷たいモノを突きつけられた。
「動くな。単刀直入に訊く。何をしに来た?」
「……」
「私は気が長いほうじゃないんだ。死にたくなければさっさと答えろ」
「……奪いに来たんだ」
「奪う?何をだ?」
「お前だ、“ギメイ”――いや、“ナマエ・ミョウジ”と呼んだほうがいいか?」
クロロの返答に、声の主は殺気を膨らませた。
「……どこでその名を知った?」
「自分から名乗っておきながら忘れたのか?」
「名乗っただと?」
「まだ判らないのか?」
「判らないから訊いているんだ!」
「オレだ」
そう言いながら、クロロは素早い手刀で自身の首筋にあてられていたモノを叩き落とした。
「なっ……!?」
「この姿で会うのは久しぶりだな」
「お前は……ヒソカと一緒にいた…………」
「まだ気づかないのか?オレの名はクロロ。クロロ・ルシルフルだ」
「ク……ロロ?嘘だ……」
振り向いたクロロの顔を見ると、声の主は呆気に取られていた。
「これでも信じられないか?」
言いながら、クロロはオールバックにしている髪型を崩した。
無造作になった髪型だが、そこには確かに昼間会ったクロロが居た。
「な……んで?何でクロロがここに?」
「言っただろ?“奪いに来た”って」
「“奪う”だって?私はモノじゃない!」
そう言うと、ナマエは叩き落とされた短刀を拾い上げクロロに向かって突進した。
クロロはそれを難なく躱すと、ベンズナイフを取り出した。
「あまり強硬手段には出たくないんだがな……」
そうは言ったものの、クロロの眼は冷たい光を放っていた。
「っ……」
「お前でもベンズナイフの事は知ってるだろ?コレは死ぬような毒じゃないが……少しでも傷を負えば寝込む事になるだろうな」
「……本気を出せって事、か」
長い睫毛を伏せながら、ナマエは覚悟を決めた。
「分かった。もうどうなっても知らないから――【愛の葬列(ヴァルキリー)】」
ナマエが手を翳し呟くとクロロの眼前には魔法陣が広がり、その中から8人の女が現れた。彼女達は皆武器を手にし、ナマエを護るかの様にクロロを睨みつけている。
「コレが……お前の【能力】なのか?」
「ただ“歌う”だけが【能力】じゃない――コレは私の分身でもあり、個々の意志を持った別人でもある。お前は……私達を相手に闘う事を選んだんだ。黙ってフェンリルに殺されていれば苦しまずに済んだのに……残念だよ」
ナマエが言い切るのと同時に、8人の女はそれぞれの武器をクロロに向かって振り翳した。
女達の攻撃を既の所で躱しながら、クロロはベンズナイフで応戦する。
「【Fate】の正体は……明かすわけにはいかないんだ!!」
叫びながら、ナマエもベンズナイフに怯む事無くクロロに向かって武器を振るう。
「何故そんなに隠したがる?理由はなんだ?」
「そんな事――これから死ぬ奴には言うだけ無駄だ!【独壇場 Beauty(アウトサイダー)】!!」
「なっ……!?」
キィーンという高い金属音が鳴り響き、ナマエの剣先がクロロのベンズナイフと打つかりあった。
「オレの反射神経と同等だと……?!」
「誰が同等だと言った?これからが本番だ!!」
「ちょいと待ちな」
ナマエがその切っ先をクロロに振り下ろそうとした瞬間、いきなり女の声で制止された。
「……マチか」
「クロロの仲間?……フェンリルはどうした?!」
「犬コロならここね」
男の声に視線を移すと、そこには念の糸で縛り上げられたフェンリルの姿があった。
「ぐッ……逃げろ……逃げるんだ!ナマエ!!」
今まで自身の血に塗れたことの無いフェンリルが、無残にも血塗れになっている姿を見てナマエは目を見開いた。
「フェンリル!?クソッ……フェンリルを放せ!!さもなくば――」
クロロの首筋に切っ先をあてがっていたナマエだったが、直ぐに言葉を紡げなくなった。
「動いたら……殺しちゃうよ、彼♣」
「貴様……」
自身の首筋を生温かいモノが流れていくのを感じたナマエ。見なくても判る。ヒソカのトランプで首筋を薄く斬られているのが、ナマエには嫌でも解った。