雪降る大晦日は
雪の降る除夜の鐘が鳴る中夜の道を一つの大きな和傘傘をさして歩く二人の影。
そよは寒そうに手をこすり合わせてハーッと息を吹きかけた。
「なぁに? 寒いの?」
神威がそよの顔を覗き込む。
「うわぁ、鼻が真っ赤。トナカイみたい」
「ちょっ! 見ないでください! 恥ずかしい……です」
マフラーに顔を埋めたそよの頭を撫でながら神威は笑って謝った。
「ごめんごめん。姫さんが可愛かったからついつい。だからもう一回見せてよ」
上目遣いで疑うように神威を見つめるそよ。
「……絶対に笑いませんか……?」
「笑わない笑わない……っっ!」
「笑ってるじゃないですか!」
「俺はいつだって笑ってるじゃないか。そんな俺が好きなんだろ?」
ボンッと耳まで赤くなるそよ。
神威はまた声を殺して笑う。
「……また笑ってるじゃないですか……意地悪な神威さんは嫌いです……」
「俺はどんな姫さんでも好きだよ?」
「……姫さんって言う神威さんも嫌いです……」
傘を握る神威にそっとそよの冷たい手がそっと触れた
「……な、名前で、呼んでください……」
真っ赤になって俯くそよ。
神威はそんな彼女に笑みを向けて答えた。
「はいはい、そよ様の言う通りに」
神威はそう言うとマフラーを下に下げた。
「やっぱり可愛いけどトナカイみたいだなぁ」
「もぉ! 言わないって言ったのに!」
またマフラーに顔を埋める。
「よく考えたら外ではそっちの方が良いね。変な虫が寄り付かない。これからは俺の前以外顔見せるの禁止って事で」
「え、それは……ちょっと……」
「それはともかくもう年も越したみたいだし……今年もよろしくね。そよ」
そう頭を撫でた神威の頬に唇を軽く押し当てそよは答えた。
「……はい。神威さん」
そよは寒そうに手をこすり合わせてハーッと息を吹きかけた。
「なぁに? 寒いの?」
神威がそよの顔を覗き込む。
「うわぁ、鼻が真っ赤。トナカイみたい」
「ちょっ! 見ないでください! 恥ずかしい……です」
マフラーに顔を埋めたそよの頭を撫でながら神威は笑って謝った。
「ごめんごめん。姫さんが可愛かったからついつい。だからもう一回見せてよ」
上目遣いで疑うように神威を見つめるそよ。
「……絶対に笑いませんか……?」
「笑わない笑わない……っっ!」
「笑ってるじゃないですか!」
「俺はいつだって笑ってるじゃないか。そんな俺が好きなんだろ?」
ボンッと耳まで赤くなるそよ。
神威はまた声を殺して笑う。
「……また笑ってるじゃないですか……意地悪な神威さんは嫌いです……」
「俺はどんな姫さんでも好きだよ?」
「……姫さんって言う神威さんも嫌いです……」
傘を握る神威にそっとそよの冷たい手がそっと触れた
「……な、名前で、呼んでください……」
真っ赤になって俯くそよ。
神威はそんな彼女に笑みを向けて答えた。
「はいはい、そよ様の言う通りに」
神威はそう言うとマフラーを下に下げた。
「やっぱり可愛いけどトナカイみたいだなぁ」
「もぉ! 言わないって言ったのに!」
またマフラーに顔を埋める。
「よく考えたら外ではそっちの方が良いね。変な虫が寄り付かない。これからは俺の前以外顔見せるの禁止って事で」
「え、それは……ちょっと……」
「それはともかくもう年も越したみたいだし……今年もよろしくね。そよ」
そう頭を撫でた神威の頬に唇を軽く押し当てそよは答えた。
「……はい。神威さん」
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