「メタバース」と一括りされる中でも、性質はサービスごとに異なる。
まずはVRSNS。「VRChat」など、ユーザーが主にVRゴーグルを装着して参加するソーシャルネットワークのことを指す。仮想世界を思い思いのアバターを用いて探索し、コミュニケーションを楽しむことに主眼を置いている。
もう一つが3DCG系メタバース。様々なデバイスから、高度なCG技術で作られた制作物を鑑賞したり、そこを舞台にしてゲーム(特にアクションゲーム)を楽しむのが中心だ。具体例としては、「Fortnite」がある。
そして最後に、NFT系メタバースがある。これは、メタバースでの課金通貨および活動による収入がビットコインなどの他でも使える仮想通貨になっているタイプのメタバースだ。「The Sandbox 」が代表的なものである。これは直訳すると「箱庭」、ゲームとしては「用意されたストーリーなどがない空間で、ユーザーがその中で自由にキャラクターやゲームを創造して遊ぶことを狙いにしたゲーム」(サンドボックス・ゲーム)という意味を持ち、「The Sandbox」はユーザーが仮想通貨を用いながらそれを楽しむゲームだ。創作物によっては、ゲーム上では同じアイテムであっても、「有名人が作った」などの情報を保証するNFTによって大きな利益を得られることもあり、その様子から、この種類のメタバースはP2E(Play to Earn)ゲームとも呼ばれる。

今回のストーリーに登場した「テストワールド」は、NFT系メタバースの可能性が高い。