担当の推し
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日は変わり、今日はYouTubeの朝飯企画。まだ目がシパシパとするなか、集合場所に早く着いた俺は近くのコンビニの雑誌コーナーを覗いていた。ちょっと前に撮影した俺の雑誌が並んでいる。それを手に取ろうとした時、目の前にもう一つの手が現れた。
「あ、ごめんなさい。」
神様、これは運命なんでしょうか。
ハッと声のした方を見てみれば彼女がいた。突然の出来事に頭がショートしてなんて声をかけていいか分からなくなる。呆然と立ち尽くす俺を気にすることなく、雑誌を手に取り俺が写るページを少し確認する彼女は、「はぁ」と小さなため息をついた。
「…ビジュやばぁ」
そんなつぶやきが聞こえて、ついふはっと笑いが出てしまった。
『それ、好き?』
「はい。この目とか手とか…え、まじで神です。」
目をキラッキラに輝かせながら語彙力のない感想を伝えてくれる。目の前の俺にはそんな顔一切しないのに、なんて若干雑誌の俺に嫉妬してしまって。
「このビジュとか最高ですよ。…あーもー、ほんと好き」
『っ、』
ストレートに “好き”という彼女に脳内がグラりとした。それって俺に対しての好きってことだよね。彼女の目線は雑誌に向いたまま。幸せそうな顔で雑誌を見つめる彼女の横顔を見て、俺もまた幸せな気分になった。
『…俺も好き』
「え?」
目を丸くして俺を見る彼女の声でハッとした。え、あ?今俺何言った?すき、好きって言った?!とんでもない口走りに自分自身困惑して、みるみるうちに全身が熱くなるのがわかった。
コンビニの外を見れば他のスタッフの車が見えて、俺は慌てて店を出た。
『またお店で!』
去り際にそう言って彼女を見たとき、顔が真っ赤だったのは気のせいだろうか。
気分を無理やり切りかえて撮影に望む。それでも移動中のトークはそこそこに、所々で彼女のことを思い出しては鼓動を早めた。
またお店で。そうは言ったものの、しばらくは一日中仕事で会えそうにないかも。スケジュールを確認しながら深くため息をついた。…次会ったら何を話そう。まずは俺が言った “好き”について?いや、それってもう告白じゃん。
『どーしよ、振られたらぁ…』
あぁ、と一人で頭を抱えていれば隣にいた風磨に変な目で見られた。
案の定2週間カフェに行くことが出来なかった。今日も仕事…。普段感じない疲れをやたら感じて体が重い。ぐったりとしながらベッドメイキングをして、シャワーを浴びる。窓を覗けば雨が降り始めていて思わずため息がでた。夏の雨は特に湿気が酷くて、髪がうねる。メイクさんも苦戦するだろうな、なんて思いながら深く帽子をかぶって外に出た。ふとスマホを見ればマネージャーから迎えが数分遅れるとメッセージがある。この雨で交通もゆっくりなんだろう。
ボーと雨が跳ね返るアスファルトを見つめて、何気なく視線を前に向けた時だった。
『あ…』
道路を挟んで向こう側のマンションの屋根に彼女が雨宿りをしているのが見えた。雨に濡れたのかタオルで服を拭いて困った顔をして空を見上げている。
これって話すチャンスなんじゃ…。そう思って駆け足で彼女の方へと向かった。
『おはよう』
「え、あ…おはようございます」
驚いた様子の彼女に自然と笑みがこぼれてしまう。
『雨宿り?』なんて聞いてみれば彼女は小さく頷いた。
「突然降ってきたから傘もってなくて…仕事行かなきゃなのに」
恥ずかしそうに言う彼女にまたキュンとしてしまう。そんな彼女を見つめていると、溜め込んだ疲れが癒されてくようだった。
まだ話していたいのに、目の前にマネージャーの車が止まって窓が開く。山田さん、お待たせしました。なんて、全然待ってないけどね!
「じゃあ…」なんて言ってその場から去ろうとする彼女の手を俺は無意識に掴んだ。
『お店まで送る』
「え?!」
困惑する彼女を他所に、マネージャーに説明をして半ば強引に車へと乗せた。…どうせカフェの前通るし、ね。とか言いながらまだ一緒にいたいだけ。
「…あ、の。良かったんですか?」
『うん、通り道だし。濡れちゃうでしょ?』
隣に座る彼女はオドオドとして窓の外を見ている。こっちを向いて欲しいのに、無情にもカフェの前に車は停車した。
「ありがとうございました。」
彼女は俺にぺこりと頭を下げて車から出ようとした。
…そういえは名前、知らないかも。名前も知らない女の子を好きになっていたなんて今更気づいて、俺は『ねえ!』と声をかけた。不思議そうにこちらを振り向く彼女にドキドキとし出す。
『えと…名前、聞いてもいい?』
彼女は少しだけ躊躇ったあと、小さな声で「○○です…」と言った。
…○○ちゃん。名前を聞いただけで心がほわほわして、口角が上がる。
『じゃあまたね、○○ちゃん』
そう言うと車は再び走り出した。後ろの窓から彼女が見えなくなるまで手を振りたかったのに、彼女はすぐにカフェへと入って行ってしまった。…まあ、雨だしなぁ。
現場についてメンバーと顔を合わせれば、一目散に大ちゃんがなんかいい事あった?なんて聞いてくる。…鋭いやつ。まあね、と適当に返して準備を始めた。
「あ、ごめんなさい。」
神様、これは運命なんでしょうか。
ハッと声のした方を見てみれば彼女がいた。突然の出来事に頭がショートしてなんて声をかけていいか分からなくなる。呆然と立ち尽くす俺を気にすることなく、雑誌を手に取り俺が写るページを少し確認する彼女は、「はぁ」と小さなため息をついた。
「…ビジュやばぁ」
そんなつぶやきが聞こえて、ついふはっと笑いが出てしまった。
『それ、好き?』
「はい。この目とか手とか…え、まじで神です。」
目をキラッキラに輝かせながら語彙力のない感想を伝えてくれる。目の前の俺にはそんな顔一切しないのに、なんて若干雑誌の俺に嫉妬してしまって。
「このビジュとか最高ですよ。…あーもー、ほんと好き」
『っ、』
ストレートに “好き”という彼女に脳内がグラりとした。それって俺に対しての好きってことだよね。彼女の目線は雑誌に向いたまま。幸せそうな顔で雑誌を見つめる彼女の横顔を見て、俺もまた幸せな気分になった。
『…俺も好き』
「え?」
目を丸くして俺を見る彼女の声でハッとした。え、あ?今俺何言った?すき、好きって言った?!とんでもない口走りに自分自身困惑して、みるみるうちに全身が熱くなるのがわかった。
コンビニの外を見れば他のスタッフの車が見えて、俺は慌てて店を出た。
『またお店で!』
去り際にそう言って彼女を見たとき、顔が真っ赤だったのは気のせいだろうか。
気分を無理やり切りかえて撮影に望む。それでも移動中のトークはそこそこに、所々で彼女のことを思い出しては鼓動を早めた。
またお店で。そうは言ったものの、しばらくは一日中仕事で会えそうにないかも。スケジュールを確認しながら深くため息をついた。…次会ったら何を話そう。まずは俺が言った “好き”について?いや、それってもう告白じゃん。
『どーしよ、振られたらぁ…』
あぁ、と一人で頭を抱えていれば隣にいた風磨に変な目で見られた。
案の定2週間カフェに行くことが出来なかった。今日も仕事…。普段感じない疲れをやたら感じて体が重い。ぐったりとしながらベッドメイキングをして、シャワーを浴びる。窓を覗けば雨が降り始めていて思わずため息がでた。夏の雨は特に湿気が酷くて、髪がうねる。メイクさんも苦戦するだろうな、なんて思いながら深く帽子をかぶって外に出た。ふとスマホを見ればマネージャーから迎えが数分遅れるとメッセージがある。この雨で交通もゆっくりなんだろう。
ボーと雨が跳ね返るアスファルトを見つめて、何気なく視線を前に向けた時だった。
『あ…』
道路を挟んで向こう側のマンションの屋根に彼女が雨宿りをしているのが見えた。雨に濡れたのかタオルで服を拭いて困った顔をして空を見上げている。
これって話すチャンスなんじゃ…。そう思って駆け足で彼女の方へと向かった。
『おはよう』
「え、あ…おはようございます」
驚いた様子の彼女に自然と笑みがこぼれてしまう。
『雨宿り?』なんて聞いてみれば彼女は小さく頷いた。
「突然降ってきたから傘もってなくて…仕事行かなきゃなのに」
恥ずかしそうに言う彼女にまたキュンとしてしまう。そんな彼女を見つめていると、溜め込んだ疲れが癒されてくようだった。
まだ話していたいのに、目の前にマネージャーの車が止まって窓が開く。山田さん、お待たせしました。なんて、全然待ってないけどね!
「じゃあ…」なんて言ってその場から去ろうとする彼女の手を俺は無意識に掴んだ。
『お店まで送る』
「え?!」
困惑する彼女を他所に、マネージャーに説明をして半ば強引に車へと乗せた。…どうせカフェの前通るし、ね。とか言いながらまだ一緒にいたいだけ。
「…あ、の。良かったんですか?」
『うん、通り道だし。濡れちゃうでしょ?』
隣に座る彼女はオドオドとして窓の外を見ている。こっちを向いて欲しいのに、無情にもカフェの前に車は停車した。
「ありがとうございました。」
彼女は俺にぺこりと頭を下げて車から出ようとした。
…そういえは名前、知らないかも。名前も知らない女の子を好きになっていたなんて今更気づいて、俺は『ねえ!』と声をかけた。不思議そうにこちらを振り向く彼女にドキドキとし出す。
『えと…名前、聞いてもいい?』
彼女は少しだけ躊躇ったあと、小さな声で「○○です…」と言った。
…○○ちゃん。名前を聞いただけで心がほわほわして、口角が上がる。
『じゃあまたね、○○ちゃん』
そう言うと車は再び走り出した。後ろの窓から彼女が見えなくなるまで手を振りたかったのに、彼女はすぐにカフェへと入って行ってしまった。…まあ、雨だしなぁ。
現場についてメンバーと顔を合わせれば、一目散に大ちゃんがなんかいい事あった?なんて聞いてくる。…鋭いやつ。まあね、と適当に返して準備を始めた。