マイヒーロー
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***涼介side
社内の異変に気づき出したのは○○と同棲し始めた頃だった。
同僚に「山田って経理の○○さんとまだ付き合ってるよな?」なんて当たり前の事を聞かれて、ドヤ顔で惚気を語ろうとしたのを覚えている。
△△さんと俺が付き合ってると小耳に挟んだと同僚は言って、はぁ??なんて笑ってしまった。よくよく聞けば営業課の数人がその話を聞いたと言う。「山田に限ってそんなことないよな。今だって○○さんの話で鼻の下伸ばしてるんだから」なんて余計なことまで言われて笑い話で済んでいた。それでもなんだか胸騒ぎがして、その日から営業課の請求書をまとめて俺が率先して持っていくようにした。○○に嫌な何かが近づいているんじゃないか、それが否か確認するために。…あとは会社でも愛おしい彼女の顔が見たいっていう欲のために。
いつだったか、戦略会議のための資料を取りに向かった時のことだった。
〈ねぇ、ぶちょー。○○さん、めっちゃ邪魔なんですけど〉
資料室の奥からそんな声が聞こえて、自然と息を潜めた。
《俺に出来ることなら何でも協力しちゃうよ》
声の方向へ足を進めると、△△さんと経理部長が事の真っ最中。
…なんでこんな所でしてんだよ!と盛大なツッコミを内心入れつつ、話に耳を傾けスマホの録音アプリを起動させた。
手始めにデータ消しちゃう?なんて冗談のような口ぶりで2人は話して盛り上がってる。
心底気分が悪い。このまま二人を殴りたい、そんな気持ちを抑えて話を聞くだけ聞くとそっと資料室を出た。
…○○は俺が守るから。
それから何日か目を光らせて△△さんと経理部長の動きを探った。そして、あの日○○が呼び出されたところを目撃すると直感で “今やるんだろうな”なんて言う勘がドンピシャで。
そこから忙しなく悪行働く2人の証拠を集めた。
あの経理部長は△△さんのミスはスルー。なんなら、△△さんの仕事は全部自分がやってるみたい。ご丁寧に作成者欄は△△さんの名前で作ってるけど。
言い逃れできないほどの証拠をかき集めて、俺は営業部長に報告と称して全てを話した。幸い、営業部長は経理部長が気に食わない。仕事に不真面目な人間が大嫌いな営業部長の性格を利用しただけだけど。俺の報告は副社長まで密に伝わった。
『…ゴルフコンペ、ですか?』
副社長は俺を呼び出すと、週末に控えている上役が参加するゴルフコンペに誘ってきた。そこには取締役も同席する。そこで問題を明るみにすると副社長は眉間に皺を寄せて話した。
接待と称して、俺は同席することになった。
その日○○から珍しく残業があるとメッセージが来た。何時に終わるかも分からないけど、ロビーで待つことにした。
〈あれ〜?山田さん、なんでこんな時間にいるんですかぁ?〉
やけに肌が艶めいている△△さんが暗いロビーの奥から出てきて、若干のホラーを感じる。目を凝らせばその更に奥には経理部長の影が見えて、ああ、察し。経理部長が知らぬ顔をして先に会社を出ていったのを確認すると、俺はスマホを取りだした。
『…単刀直入に言うけど、○○への嫌がらせ、辞めてもらっていいかな』
〈…え、なんの事ですか?〉
含み笑いで息を吐くように嘘を言う△△さんに心底イラついてしまう。そんな感情を必死に抑えて、○○のPCをいじる△△さんの写真を見せた。
社内の異変に気づき出したのは○○と同棲し始めた頃だった。
同僚に「山田って経理の○○さんとまだ付き合ってるよな?」なんて当たり前の事を聞かれて、ドヤ顔で惚気を語ろうとしたのを覚えている。
△△さんと俺が付き合ってると小耳に挟んだと同僚は言って、はぁ??なんて笑ってしまった。よくよく聞けば営業課の数人がその話を聞いたと言う。「山田に限ってそんなことないよな。今だって○○さんの話で鼻の下伸ばしてるんだから」なんて余計なことまで言われて笑い話で済んでいた。それでもなんだか胸騒ぎがして、その日から営業課の請求書をまとめて俺が率先して持っていくようにした。○○に嫌な何かが近づいているんじゃないか、それが否か確認するために。…あとは会社でも愛おしい彼女の顔が見たいっていう欲のために。
いつだったか、戦略会議のための資料を取りに向かった時のことだった。
〈ねぇ、ぶちょー。○○さん、めっちゃ邪魔なんですけど〉
資料室の奥からそんな声が聞こえて、自然と息を潜めた。
《俺に出来ることなら何でも協力しちゃうよ》
声の方向へ足を進めると、△△さんと経理部長が事の真っ最中。
…なんでこんな所でしてんだよ!と盛大なツッコミを内心入れつつ、話に耳を傾けスマホの録音アプリを起動させた。
手始めにデータ消しちゃう?なんて冗談のような口ぶりで2人は話して盛り上がってる。
心底気分が悪い。このまま二人を殴りたい、そんな気持ちを抑えて話を聞くだけ聞くとそっと資料室を出た。
…○○は俺が守るから。
それから何日か目を光らせて△△さんと経理部長の動きを探った。そして、あの日○○が呼び出されたところを目撃すると直感で “今やるんだろうな”なんて言う勘がドンピシャで。
そこから忙しなく悪行働く2人の証拠を集めた。
あの経理部長は△△さんのミスはスルー。なんなら、△△さんの仕事は全部自分がやってるみたい。ご丁寧に作成者欄は△△さんの名前で作ってるけど。
言い逃れできないほどの証拠をかき集めて、俺は営業部長に報告と称して全てを話した。幸い、営業部長は経理部長が気に食わない。仕事に不真面目な人間が大嫌いな営業部長の性格を利用しただけだけど。俺の報告は副社長まで密に伝わった。
『…ゴルフコンペ、ですか?』
副社長は俺を呼び出すと、週末に控えている上役が参加するゴルフコンペに誘ってきた。そこには取締役も同席する。そこで問題を明るみにすると副社長は眉間に皺を寄せて話した。
接待と称して、俺は同席することになった。
その日○○から珍しく残業があるとメッセージが来た。何時に終わるかも分からないけど、ロビーで待つことにした。
〈あれ〜?山田さん、なんでこんな時間にいるんですかぁ?〉
やけに肌が艶めいている△△さんが暗いロビーの奥から出てきて、若干のホラーを感じる。目を凝らせばその更に奥には経理部長の影が見えて、ああ、察し。経理部長が知らぬ顔をして先に会社を出ていったのを確認すると、俺はスマホを取りだした。
『…単刀直入に言うけど、○○への嫌がらせ、辞めてもらっていいかな』
〈…え、なんの事ですか?〉
含み笑いで息を吐くように嘘を言う△△さんに心底イラついてしまう。そんな感情を必死に抑えて、○○のPCをいじる△△さんの写真を見せた。