マイヒーロー
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そっと家に入ると明かりはなく、寝室から彼の規則正しい寝息が聞こえる。いつも通り枕を抱えて横になっている彼の顔は幼く見えて、奥底から愛おしさが湧き出てくる。それなのに今日は少し悲しくも感じた。
あの時、一体何があったの?△△さんと何をしてたの?
聞きたいことが喉のすぐそこまで来てるのに、声に出せない。
彼の目にかかった髪をそっと撫でるとお風呂に向かった。
『おかえり』
「わっ?!」
脱衣場で服を脱いでいると突然扉が開いた。不機嫌そうな声色は寝起きのせいなのか、また別の理由でなのか。急いで近くにあったタオルで体を隠す私にお構い無しに彼は近づいて、私を見下ろした。
『こんな時間までどこいたの?』
口調は優しいけど、明らかに怒っている。
「えっと…」
『メッセージもずっと未読で心配してたんですけど』
ジリジリと距離を詰める彼に、1歩下がる私。そんな私の背中に風呂場の扉が当たって、逃げ場がないのだと悟った。ふ、とロビーの光景を思い出して、見下ろす彼をキッと睨み返した。
「…涼介こそ、あんな時間にロビーで何してたの」
『は?』
急な私の発言に彼は目を丸くして驚いている。そのあとは少しだけ視線を揺るがして下唇を噛んだ。
「△△さんと浮気してるの?」
無意識に口調が強くなってしまう。彼の眉間が少しずつ寄るのが見える。
『ねぇ、○○何言ってるの?そんな訳…』
「じゃあなんでロビーで抱き合ってたの。」
彼は何かを言いかけて、ぐっと口を閉ざした。目の奥がじわじわと熱くなって今にも涙が出そうになる。こんなこと言いたい訳じゃないのに。涼介のこと信じてるはずなのに。
『○○…』
「寒いから出てって。」
彼の胸板を押すと軽かった。脱衣場から出るほんの数秒、彼は私を見て『俺はいつでも○○だけだよ』と消えそうな声で呟いた。
彼と一緒のベッドに寝ることが出来ず、リビングのソファで眠り憂鬱な朝を迎えた。いつの間に私の上にはブランケットが掛けられている。彼の優しさを感じて心が切り裂かれるような気分になった。
…私、ちゃんと涼介と話せばよかったのかな。部長の言葉なんて嘘ばかりなはずなのに。昨日の私に余裕がなかった事を今になって痛感した。
ソファから体を起こすと、テーブルの上にはサラダとスクランブルエッグがラップに包まれて置かれている。
“おはよう。今日は早く仕事行くね”
料理の隣には彼の独特な文字で置き手紙が置かれていた。
スマホを開くと時間は7時45分。電車の時間まで30分を切ろうとしていた。一気に目が覚めて、慌てて料理を口に運ぶと適当なメイクと適当なスーツを着て家を飛び出した。
あの時、一体何があったの?△△さんと何をしてたの?
聞きたいことが喉のすぐそこまで来てるのに、声に出せない。
彼の目にかかった髪をそっと撫でるとお風呂に向かった。
『おかえり』
「わっ?!」
脱衣場で服を脱いでいると突然扉が開いた。不機嫌そうな声色は寝起きのせいなのか、また別の理由でなのか。急いで近くにあったタオルで体を隠す私にお構い無しに彼は近づいて、私を見下ろした。
『こんな時間までどこいたの?』
口調は優しいけど、明らかに怒っている。
「えっと…」
『メッセージもずっと未読で心配してたんですけど』
ジリジリと距離を詰める彼に、1歩下がる私。そんな私の背中に風呂場の扉が当たって、逃げ場がないのだと悟った。ふ、とロビーの光景を思い出して、見下ろす彼をキッと睨み返した。
「…涼介こそ、あんな時間にロビーで何してたの」
『は?』
急な私の発言に彼は目を丸くして驚いている。そのあとは少しだけ視線を揺るがして下唇を噛んだ。
「△△さんと浮気してるの?」
無意識に口調が強くなってしまう。彼の眉間が少しずつ寄るのが見える。
『ねぇ、○○何言ってるの?そんな訳…』
「じゃあなんでロビーで抱き合ってたの。」
彼は何かを言いかけて、ぐっと口を閉ざした。目の奥がじわじわと熱くなって今にも涙が出そうになる。こんなこと言いたい訳じゃないのに。涼介のこと信じてるはずなのに。
『○○…』
「寒いから出てって。」
彼の胸板を押すと軽かった。脱衣場から出るほんの数秒、彼は私を見て『俺はいつでも○○だけだよ』と消えそうな声で呟いた。
彼と一緒のベッドに寝ることが出来ず、リビングのソファで眠り憂鬱な朝を迎えた。いつの間に私の上にはブランケットが掛けられている。彼の優しさを感じて心が切り裂かれるような気分になった。
…私、ちゃんと涼介と話せばよかったのかな。部長の言葉なんて嘘ばかりなはずなのに。昨日の私に余裕がなかった事を今になって痛感した。
ソファから体を起こすと、テーブルの上にはサラダとスクランブルエッグがラップに包まれて置かれている。
“おはよう。今日は早く仕事行くね”
料理の隣には彼の独特な文字で置き手紙が置かれていた。
スマホを開くと時間は7時45分。電車の時間まで30分を切ろうとしていた。一気に目が覚めて、慌てて料理を口に運ぶと適当なメイクと適当なスーツを着て家を飛び出した。