マイヒーロー
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春とは言えまだ夜風は冷たい。そんな街中を全力で走った。
家に帰る勇気も出ず、駅に向かうことが出来ない私は、どこでもいいから気が紛れる所を求めて目に入った居酒屋に飛び込んだ。
「生ください。」
席に着くなりビールを思い切り流し込む。
まだ心臓が大きく揺れている。走ったせいか、さっきの光景のせいか。
ブブッとスマホが揺れて、画面を覗けば彼からメッセージが届いていた。
“もう帰った?”
喉の奥がキュッとなる。目頭に熱がこもるのを感じて、またビールを飲んだ。
はぁーっとため息をしてテーブルにうなだれた。
《あれ、○○?》
急に名前を呼ばれて顔を上げると、そこに立っていたのは部長だった。
「あ…部長、お疲れ様です。」
《お疲れ様。どうしたの、こんな時間にこんな所で》
なんで隣に座ってくるのかな。
部長は私の気持ちも考えず隣に座ってくるとビールを頼んだ。
《いやぁー、△△さんってさぁ、なんか目離せないんだよね!》
聞いてもないのに話し始める部長の話題は△△さん。
今その名前聞きたくないんですけど。
《この俺が!守ってあげれば、きっと、むふふ〜》
なんて気持ち悪い妄想だ。
日頃から甘えてくる△△さんのことをなにやら勘違いしてる中年おじさんは隣で鼻息を荒くした。
反応の薄い私に対して何も気にしない部長は話を続けた。
《でもさぁ俺知ってんのよ。△△さんと山田君って付き合ってるんでしょ?》
「…は?」
なぁに言っちゃってんだ?酔ったか?
部長の手元を見ると、ビールはまだ一杯半と言ったところ。
「どこからの情報ですか、それ」
《え?△△さんが他の社員と話してるの聞いたのよ〜。○○は先月別れたんだろ?》
平然と話す部長を今すぐぶっ叩きたい。それから泣きそう。
一気に感情がぐちゃぐちゃになって、私は頭を抱え込んだ。
《まあ部長の俺がプライベートに口は出さないけどさ!だから△△さんのこと諦めないけどね!》
今日の午前中私のプライベートには口を出してきたくせに、そんなこと言うのか?
また大きくため息をつくと、残りのビールを飲み干して席を立った。
「帰ります。失礼します。」
頭の中がずっとぐるぐると渦巻いて落ち着きがないと自分でもよくわかる。
昨夜の彼の言動全て、疑いたくないのにロビーでの光景がチラついてしまう。
苦しい。
近くのカフェで時間を潰して、家に帰ったのは12時を回った頃だった。
家に帰る勇気も出ず、駅に向かうことが出来ない私は、どこでもいいから気が紛れる所を求めて目に入った居酒屋に飛び込んだ。
「生ください。」
席に着くなりビールを思い切り流し込む。
まだ心臓が大きく揺れている。走ったせいか、さっきの光景のせいか。
ブブッとスマホが揺れて、画面を覗けば彼からメッセージが届いていた。
“もう帰った?”
喉の奥がキュッとなる。目頭に熱がこもるのを感じて、またビールを飲んだ。
はぁーっとため息をしてテーブルにうなだれた。
《あれ、○○?》
急に名前を呼ばれて顔を上げると、そこに立っていたのは部長だった。
「あ…部長、お疲れ様です。」
《お疲れ様。どうしたの、こんな時間にこんな所で》
なんで隣に座ってくるのかな。
部長は私の気持ちも考えず隣に座ってくるとビールを頼んだ。
《いやぁー、△△さんってさぁ、なんか目離せないんだよね!》
聞いてもないのに話し始める部長の話題は△△さん。
今その名前聞きたくないんですけど。
《この俺が!守ってあげれば、きっと、むふふ〜》
なんて気持ち悪い妄想だ。
日頃から甘えてくる△△さんのことをなにやら勘違いしてる中年おじさんは隣で鼻息を荒くした。
反応の薄い私に対して何も気にしない部長は話を続けた。
《でもさぁ俺知ってんのよ。△△さんと山田君って付き合ってるんでしょ?》
「…は?」
なぁに言っちゃってんだ?酔ったか?
部長の手元を見ると、ビールはまだ一杯半と言ったところ。
「どこからの情報ですか、それ」
《え?△△さんが他の社員と話してるの聞いたのよ〜。○○は先月別れたんだろ?》
平然と話す部長を今すぐぶっ叩きたい。それから泣きそう。
一気に感情がぐちゃぐちゃになって、私は頭を抱え込んだ。
《まあ部長の俺がプライベートに口は出さないけどさ!だから△△さんのこと諦めないけどね!》
今日の午前中私のプライベートには口を出してきたくせに、そんなこと言うのか?
また大きくため息をつくと、残りのビールを飲み干して席を立った。
「帰ります。失礼します。」
頭の中がずっとぐるぐると渦巻いて落ち着きがないと自分でもよくわかる。
昨夜の彼の言動全て、疑いたくないのにロビーでの光景がチラついてしまう。
苦しい。
近くのカフェで時間を潰して、家に帰ったのは12時を回った頃だった。