琥空 珀冬と珀雫の夏祭り
7月後半
薔薇園学院は夏休みに入る。
3年である琥空 珀雫にとっては高等科最後の夏休みだ。
7月半ば、珀雫は学食で利亜ベリーと食事を取っていた。
意外な組み合わせかもしれないが、彼らは同学年で何度か顔を合わせることもある。
今回は配信者である珀雫とベリーは案件の打ち合わせをしていた。
ベリーは化粧品の監修をしており、関係している会社からの依頼の一つだ。
「メンズ用の化粧水の案件、是非珀雫ちゃんの意見も聞かせてちょうだいね♪」
「オッケー。また使用感まとめてレポート提出するよ」
「それにしても、珀雫ちゃんが化粧品に興味があっただなんて意外ね」
「そうか?俺も顔出して配信してるからな。美容には多少気をつけてるつもりだよ」
「珀冬ちゃんが気にしてないから、余計意外なのよ。アンタ達双子でしょ?」
「あぁ、ベリーは珀冬の相部屋だもんな」
珀冬というのは珀雫の双子の兄だ。
目の前にいる利亜ベリーと珀冬は1年の頃から相部屋をしている。
「彼にも日頃から肌を気にする様に言ってやって頂戴」
「俺よりもベリーの方が珀冬と顔を合わせるだろ?モテたいなら今の時代はメンズケアよ!とか言ってやれば食いつくと思うぞ」
ケラケラと笑いながら二人して食事をする。
「仕事の話はこれ位にして。珀雫ちゃん、アンタは今の学科の最後の夏休みは何か予定あるの?」
「まぁアイドルの仕事があるかな。流石に毎日じゃないからたまには息抜きするけど、大体ゲームやってるだろうな!……………夏と言えばホラーゲームやらされるしなぁ……」
ホラーが苦手な珀雫は顔を青ざめながら遠くを見ている。
「肝試しとかどう?あんたにぴったりじゃない?」
会話をする二人の背後から毒君 アキラがトレーを持って現れ、同じ卓に座る。
珀雫は、近くにアキラが座ったことに思わず心が揺れる。
「……りょーちょ~…………また俺を揶揄いに来てる?」
──恐らく、ホラーが苦手な俺を揶揄いに来たことにビビってるだけだろう。
そう判断する。
「さぁねぇ?」
「アンタ達仲良いわねぇ」
「同じ寮だし同じ学年だからね☆彡で、珀雫が肝試しをする話だっけ?あたしも混ぜて」
(この2人が揃うと脳がバグるな)
目の前にはいい女★一人といい乙女★が一人だ。
「良いわねぇ!夏の肝試しと言ったらやっぱり神社かしら?」
「ぁー…………………………神社はちょっとなぁ……………………」
神社、という単語を聞き珀雫の顔は少し曇る。
ホラーゲームの話をする時とは別の怯え方をしているようにも見えた。
目を逸らして俯いている。
「そう言えばあんたを神社のお祭りとかで見かけた事ないわね?なんで?」
「珀冬ちゃんは神社のお祭りに行ってたわよ?一緒に行ってないの?」
「……ちょっと祭が嫌って言うか…トラウマって言うか…」
食べ終わった食器をまとめてその場を去ろうとする。
─が
「珀雫ぁ~?」
「逃がさないわよ~?気になる言葉言い残して乙女置いて行かせないわよ?」
二人に止められる。
珀雫は渋い顔をするが、やがて諦めて席に座る。
「それでよし」
「トラウマなんて言っちゃえば案外克服できるかもよ?」
「そうそう。悩みがあるならアタシ達が相談に乗るわよ!折角の夏祭り楽しまなきゃ損じゃない♪」
珀雫は顔を覆い、数秒考え込み深呼吸をする。
「まぁ…別に減るもんじゃないから話すけど…聞いた後で怒らないでくれよ…?
………10年前くらいの事かな。俺、珀冬と一緒に二人で夏祭りに行ったんだよ」
薔薇園学院は夏休みに入る。
3年である琥空 珀雫にとっては高等科最後の夏休みだ。
7月半ば、珀雫は学食で利亜ベリーと食事を取っていた。
意外な組み合わせかもしれないが、彼らは同学年で何度か顔を合わせることもある。
今回は配信者である珀雫とベリーは案件の打ち合わせをしていた。
ベリーは化粧品の監修をしており、関係している会社からの依頼の一つだ。
「メンズ用の化粧水の案件、是非珀雫ちゃんの意見も聞かせてちょうだいね♪」
「オッケー。また使用感まとめてレポート提出するよ」
「それにしても、珀雫ちゃんが化粧品に興味があっただなんて意外ね」
「そうか?俺も顔出して配信してるからな。美容には多少気をつけてるつもりだよ」
「珀冬ちゃんが気にしてないから、余計意外なのよ。アンタ達双子でしょ?」
「あぁ、ベリーは珀冬の相部屋だもんな」
珀冬というのは珀雫の双子の兄だ。
目の前にいる利亜ベリーと珀冬は1年の頃から相部屋をしている。
「彼にも日頃から肌を気にする様に言ってやって頂戴」
「俺よりもベリーの方が珀冬と顔を合わせるだろ?モテたいなら今の時代はメンズケアよ!とか言ってやれば食いつくと思うぞ」
ケラケラと笑いながら二人して食事をする。
「仕事の話はこれ位にして。珀雫ちゃん、アンタは今の学科の最後の夏休みは何か予定あるの?」
「まぁアイドルの仕事があるかな。流石に毎日じゃないからたまには息抜きするけど、大体ゲームやってるだろうな!……………夏と言えばホラーゲームやらされるしなぁ……」
ホラーが苦手な珀雫は顔を青ざめながら遠くを見ている。
「肝試しとかどう?あんたにぴったりじゃない?」
会話をする二人の背後から毒君 アキラがトレーを持って現れ、同じ卓に座る。
珀雫は、近くにアキラが座ったことに思わず心が揺れる。
「……りょーちょ~…………また俺を揶揄いに来てる?」
──恐らく、ホラーが苦手な俺を揶揄いに来たことにビビってるだけだろう。
そう判断する。
「さぁねぇ?」
「アンタ達仲良いわねぇ」
「同じ寮だし同じ学年だからね☆彡で、珀雫が肝試しをする話だっけ?あたしも混ぜて」
(この2人が揃うと脳がバグるな)
目の前にはいい女★一人といい乙女★が一人だ。
「良いわねぇ!夏の肝試しと言ったらやっぱり神社かしら?」
「ぁー…………………………神社はちょっとなぁ……………………」
神社、という単語を聞き珀雫の顔は少し曇る。
ホラーゲームの話をする時とは別の怯え方をしているようにも見えた。
目を逸らして俯いている。
「そう言えばあんたを神社のお祭りとかで見かけた事ないわね?なんで?」
「珀冬ちゃんは神社のお祭りに行ってたわよ?一緒に行ってないの?」
「……ちょっと祭が嫌って言うか…トラウマって言うか…」
食べ終わった食器をまとめてその場を去ろうとする。
─が
「珀雫ぁ~?」
「逃がさないわよ~?気になる言葉言い残して乙女置いて行かせないわよ?」
二人に止められる。
珀雫は渋い顔をするが、やがて諦めて席に座る。
「それでよし」
「トラウマなんて言っちゃえば案外克服できるかもよ?」
「そうそう。悩みがあるならアタシ達が相談に乗るわよ!折角の夏祭り楽しまなきゃ損じゃない♪」
珀雫は顔を覆い、数秒考え込み深呼吸をする。
「まぁ…別に減るもんじゃないから話すけど…聞いた後で怒らないでくれよ…?
………10年前くらいの事かな。俺、珀冬と一緒に二人で夏祭りに行ったんだよ」
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