琥空 珀冬と珀雫の夏祭り

「君、君!!!」
「はくと、珀冬ぉ!!!目覚ましてよ!!」
「っん……………?」


珀冬が目を覚ますと、警備員と珀雫が珀冬を支えていた。
珀雫は大粒の涙を零し泣いていた。
「はくなぁ…?なんで泣いてんだ…?」
泣いてる珀雫を慰めようと、声を出すがいつもの様に大きな声が出せない。
何故か身体がとても疲れている。
「珀冬、よかっ……突然……お前……いなくなって……」
「坊やたちもう大丈夫だからね、もうじき親御さんも救急車も来る。後は病院に行って休ませようね」
「うん……うん……っ」
珀雫はずっと泣いている。とても安堵しているように見える。

珀冬は薄っすらと辺りを見ると、立ち入り禁止の外にいた。

立ち入り禁止の先にある祠は壊れている。
もういつから壊れていたのだろうか?直されていないのだろうか?
「おじさん…あの祠って…」
「あぁ…もう何年も前に壊れているのだけど、まだ修繕が出来ていなくてね。だからずっと立ち入り禁止なんだよ」


祠に見覚えがある。
壊れた祠は、もっときれいだったのに。
縄は千切れて煤だらけだ。地面に落ちたお札は握りつぶしたようにぐちゃぐちゃになっていた。


*

自分の身に何があったのかよくわからない
あんまり覚えてない。
でも女の人に会って助けてもらった。化け物見たかもしれない。
なんかヤバい少年見たかもしれない。

入院をした珀冬はそんなことを話してくれた。

「意味が分かんないって…珀冬神隠しだってそれ!!だって、お前の食べてた奴凄い何日も何年も経ってるみたいになってさ…」
「何言ってんだ!!!俺はこうして帰って来たって!!!泣くな!!」
「泣いてない!」
「ほーらいい子良い子!!!」
「……心配して損した、もう帰る」
「えー?お見舞いありがとな!!珀雫!!!」

「……病室抜け出さないでよ」
「抜け出さないよ!!」




「だって
今もこうして俺を護ってくれてるからさ」




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