琥空 珀冬と珀雫の夏祭り
狐の様なモノが大きく叫んだ。
まるで痛みを感じているかのように叫んだ。
祠の外に、一人の少年が居た。
自分と似た年齢だろうか?
夜で暗くてよく見えない。
しかしそれが少年だということだけはわかった。
「………ッハ、怪異が偉そうにしやがって」
人の言葉を喋った少年は、此方には目もくれず狐の様なモノに蹴りを入れる。
「お前ら怪異は人を喰うのが趣味か。お陰で俺もアンタらを殺す趣味が出来た!!!」
物騒な言葉が聞こえる。あれは本当に同年代なんだろうか。
狐の様なモノは少年に飛びかかろうとするが、少年は再び左脚で大きく蹴りを入れる。
「俺の脚は特別製でな。アンタら怪異を殺せるんだ。じゃ、さようなら」
少年の左脚はぼうっと赤く光り、狐の様なモノに大きな一撃を与える。
狐の様なモノは叫び悶えるがやがて息絶えたのだろうか?
身体の端から溶けていき、やがて煤になって消えた。
「こんなに弱くないよな、アイツは」
少年はぼそりと独り言をつぶやくと、祠など気にせずその場を立ち去る。
珀冬は、とんでもない物を見たと目を丸くしていたが
ゆっくり祠から出る。
祠の目の前には煤と、黒ずんだ鈴が残っていた。
珀冬はお札を捨て、鈴に手を伸ばす。
触ってはいけないモノだったのかもしれない。
お札を捨ててはいけなかったかもしれない。
鈴に触れれば、黒い鈴は粉になって消えた。
消えたのだろうか、わからない。
珀冬は、鈴を”手に入れた”感覚がした。
あぁ
大事なものはしまっておかなきゃいけないよな
大事なものは隠しておかなきゃいけないよな
大事なものは大切に閉じ込めておかなきゃいけないよな
閉じ込めておけなかったから──あのヒトは消えたんだ。
大事なものは、だれにも渡さない様にしなきゃ。
まるで痛みを感じているかのように叫んだ。
祠の外に、一人の少年が居た。
自分と似た年齢だろうか?
夜で暗くてよく見えない。
しかしそれが少年だということだけはわかった。
「………ッハ、怪異が偉そうにしやがって」
人の言葉を喋った少年は、此方には目もくれず狐の様なモノに蹴りを入れる。
「お前ら怪異は人を喰うのが趣味か。お陰で俺もアンタらを殺す趣味が出来た!!!」
物騒な言葉が聞こえる。あれは本当に同年代なんだろうか。
狐の様なモノは少年に飛びかかろうとするが、少年は再び左脚で大きく蹴りを入れる。
「俺の脚は特別製でな。アンタら怪異を殺せるんだ。じゃ、さようなら」
少年の左脚はぼうっと赤く光り、狐の様なモノに大きな一撃を与える。
狐の様なモノは叫び悶えるがやがて息絶えたのだろうか?
身体の端から溶けていき、やがて煤になって消えた。
「こんなに弱くないよな、アイツは」
少年はぼそりと独り言をつぶやくと、祠など気にせずその場を立ち去る。
珀冬は、とんでもない物を見たと目を丸くしていたが
ゆっくり祠から出る。
祠の目の前には煤と、黒ずんだ鈴が残っていた。
珀冬はお札を捨て、鈴に手を伸ばす。
触ってはいけないモノだったのかもしれない。
お札を捨ててはいけなかったかもしれない。
鈴に触れれば、黒い鈴は粉になって消えた。
消えたのだろうか、わからない。
珀冬は、鈴を”手に入れた”感覚がした。
あぁ
大事なものはしまっておかなきゃいけないよな
大事なものは隠しておかなきゃいけないよな
大事なものは大切に閉じ込めておかなきゃいけないよな
閉じ込めておけなかったから──あのヒトは消えたんだ。
大事なものは、だれにも渡さない様にしなきゃ。