琥空 珀冬と珀雫の夏祭り
「………ッハ!!」
琥空 珀冬が目を覚ますと、冷たい石畳の上にいた。
「え!?どこだココ!?神社!?だよな!!?」
起き上がると遠くに神社の本殿が見える。
神社は神を祀る場所。
今来ている神社にはいくつもの建物がある敷地の広い神社だ。
中には立ち入り禁止の祠もある。
珀冬は何故か現在、立ち入り禁止の縄の内側に寝転がっていた。
「ここ立ち入り禁止じゃん!俺いつ入ったの?!!やっべー怒られる!!!」
辺りを見回すが、一緒にいたはずの珀雫はいなかった。
「あれ、珀雫何処だ?おーい、珀雫?」
叫ぶが、珀雫は現れない。
─リン─
鈴の音と共に、見知らぬ背の高い女性が珀冬の後ろに現われる。
「うわ!!!!誰だお前!!!!」
「─────」
何かを口ずさんでいるが、聞き取れない。
「え、何???なんて???」
聴き直すがやはり聞き取れない。
それどころか、顔も上手く視認できない。
だが、珀冬はその状況を異常だと認識できなかった。
顔がわからない、声もわからない、が、そう言うこともあるか、と。
その時、ぐぅぅぅ…と珀冬のお腹から音が鳴る。
先程迄たい焼きを食べていたのだが食いかけだった気がするし、他の物はまだ食べられていない。
お腹が空くわけだ。
「なぁ、俺お腹空いたから帰りたいんだけどさぁ。お姉さん道知らない?」
背の高い女性はぼそぼそと呟いた後、珀冬におむすびを手渡す。
「くれるのか!?」
言葉が通じないと分かった女性は、ゆっくり頷く。
「ありがとな!!!お姉さん優しいな!!」
珀冬はおむすびを口に含む。
おむすびは食べたことのない不思議な味がした。中に入っているのは貝の佃煮だろうか?
不思議と、おむすびを一つ食べるだけで珀冬のお腹は満たされた。
「美味いな!!初めて食べる味だ!!ありがとうお姉さん!!」
リン、と鈴の音が響き
先程まで、ぼんやりとしか見えなかった女性の顔が微笑んだように見える。
「お姉さん美人だな!良い女になるぞ!」
照れているのだろうか
女性の顔はほんのり赤くなる。そして珀冬の頭を撫でる。
そのまま珀冬の手をそっと掴み、道案内をしようとする。
その手をよく見ると赤いリボンに金色に輝きく綺麗な鈴がついていた。
先程から鳴っていた鈴の音はこれなのだろう。
「行先教えてくれるのか?」
女性は微笑み、珀冬を連れて進む。
立ち入り禁止の縄とは、反対方向へ。
祠の方へ。
どんどん歩いていく。
「お姉さん、お祭り会場はあっちだぞ?」
リン、と鳴る音と共に女性は微笑み、珀冬を連れて進む。
立ち入り禁止の縄とは、反対方向へ。
─祠へ。
普通であればここで怖くなるのだろう。
珀冬は「お姉さんが此方と言ったら此方なのだろう」
という認識が強くなっていた。
祠の方へと惹き寄せられ、珀冬は祠へと足を運ぶ。
祠に近づくと、祠は太い縄で塞がれている。
縄にはお札も貼られている。
女性はその二つを見つめている。
珀冬には、それが女性が困っているように見えた。
「札と縄、邪魔なのか?」
リン、と鳴る。彼女が肯定をした気がした。
珀冬は、何の疑いもなく、祠の札を剥がし、縄を解く。
女性が喜んだ気がした。
じゃあ俺の行動は何も間違っていなかったんだ。
そんな気がした。
そのまま女性は珀冬を祠の中へと仕舞う。
仕舞う。
リン、と鳴り響く。
この音色を聞くと、何故だか嬉しくなる気がした。
琥空 珀冬が目を覚ますと、冷たい石畳の上にいた。
「え!?どこだココ!?神社!?だよな!!?」
起き上がると遠くに神社の本殿が見える。
神社は神を祀る場所。
今来ている神社にはいくつもの建物がある敷地の広い神社だ。
中には立ち入り禁止の祠もある。
珀冬は何故か現在、立ち入り禁止の縄の内側に寝転がっていた。
「ここ立ち入り禁止じゃん!俺いつ入ったの?!!やっべー怒られる!!!」
辺りを見回すが、一緒にいたはずの珀雫はいなかった。
「あれ、珀雫何処だ?おーい、珀雫?」
叫ぶが、珀雫は現れない。
─リン─
鈴の音と共に、見知らぬ背の高い女性が珀冬の後ろに現われる。
「うわ!!!!誰だお前!!!!」
「─────」
何かを口ずさんでいるが、聞き取れない。
「え、何???なんて???」
聴き直すがやはり聞き取れない。
それどころか、顔も上手く視認できない。
だが、珀冬はその状況を異常だと認識できなかった。
顔がわからない、声もわからない、が、そう言うこともあるか、と。
その時、ぐぅぅぅ…と珀冬のお腹から音が鳴る。
先程迄たい焼きを食べていたのだが食いかけだった気がするし、他の物はまだ食べられていない。
お腹が空くわけだ。
「なぁ、俺お腹空いたから帰りたいんだけどさぁ。お姉さん道知らない?」
背の高い女性はぼそぼそと呟いた後、珀冬におむすびを手渡す。
「くれるのか!?」
言葉が通じないと分かった女性は、ゆっくり頷く。
「ありがとな!!!お姉さん優しいな!!」
珀冬はおむすびを口に含む。
おむすびは食べたことのない不思議な味がした。中に入っているのは貝の佃煮だろうか?
不思議と、おむすびを一つ食べるだけで珀冬のお腹は満たされた。
「美味いな!!初めて食べる味だ!!ありがとうお姉さん!!」
リン、と鈴の音が響き
先程まで、ぼんやりとしか見えなかった女性の顔が微笑んだように見える。
「お姉さん美人だな!良い女になるぞ!」
照れているのだろうか
女性の顔はほんのり赤くなる。そして珀冬の頭を撫でる。
そのまま珀冬の手をそっと掴み、道案内をしようとする。
その手をよく見ると赤いリボンに金色に輝きく綺麗な鈴がついていた。
先程から鳴っていた鈴の音はこれなのだろう。
「行先教えてくれるのか?」
女性は微笑み、珀冬を連れて進む。
立ち入り禁止の縄とは、反対方向へ。
祠の方へ。
どんどん歩いていく。
「お姉さん、お祭り会場はあっちだぞ?」
リン、と鳴る音と共に女性は微笑み、珀冬を連れて進む。
立ち入り禁止の縄とは、反対方向へ。
─祠へ。
普通であればここで怖くなるのだろう。
珀冬は「お姉さんが此方と言ったら此方なのだろう」
という認識が強くなっていた。
祠の方へと惹き寄せられ、珀冬は祠へと足を運ぶ。
祠に近づくと、祠は太い縄で塞がれている。
縄にはお札も貼られている。
女性はその二つを見つめている。
珀冬には、それが女性が困っているように見えた。
「札と縄、邪魔なのか?」
リン、と鳴る。彼女が肯定をした気がした。
珀冬は、何の疑いもなく、祠の札を剥がし、縄を解く。
女性が喜んだ気がした。
じゃあ俺の行動は何も間違っていなかったんだ。
そんな気がした。
そのまま女性は珀冬を祠の中へと仕舞う。
仕舞う。
リン、と鳴り響く。
この音色を聞くと、何故だか嬉しくなる気がした。