薫の日常
上司との会話を終わらせ、今日からしばらく暇になる。
しかし俺はこの後成し遂げなければならないことがある。
服を選ぶ
最大ミッションだ。
普段は先ほども言ったが白いTシャツばかりを着ている。
しかし今回は仕事着ではなく、遊びに行く為の服だ。
「…蒼汰は別に痛いセーターみたいなやつじゃなければよっぽど何にも言わないんだろうけど………って!!なんで蒼汰なんだ!蒼汰以外にも遊ぶだろ俺!!」
顔が熱くなる。
俺はこんなに一人の人間を考え続けたことがあっただろうか?少なくとも”今の俺は”覚えていない。
俺は、どうやら「神宮寺 蒼汰」と言う人物の事を忘れているらしい。
蒼汰曰く、俺と蒼汰は親友以上の関係らしい。が、俺は蒼汰の事を全く思い出せなかった。
最近「ホテル・エヴリシング」と言うホテルで怪奇現象に遭遇した。
嵐原一夜と言う男性からの依頼を受け、ホテルにいるとある3人を連れてきてほしいという依頼
仕事とはまた違った、よく行っていたバーの人からの依頼だった。
そこのバーにはよく行っていた記憶はあるが、常に一人だったかと言われると記憶にもやがかかる。
俺は一度そのホテルで首が無くなり死んだはずだった。今でも思い出すだけでもおぞましい状態だった。
しかし次に目を覚ませば消えたはずの首は元に戻り何事も無い身体が残っていた。
“俺は”そこで目を覚ました時初めて神宮寺 蒼汰と出会った。
だが周りは困惑し、ホテルから俺の記憶がおかしくなっていると言う。正確に言えば「死んだ時」から。
(一夜はもういないし…そのバーに足を運ぶことはできないんだよな…)
本当であればこの記憶がない原因を一夜にでも聞きに行きたいところだ。しかしそのホテルにて一夜は命を落としている。
一夜と本当の“最後”に出会った夢のような体験を思い出す。
「…一夜も俺と蒼汰が一緒によく居たって言ってるし…思い出せって言われたから頑張って思い出そうと努力してるけれど…!」
思い出せない。何も。
確かに記憶をたどれば「もや」はかかっている。思い出すのを遮られているかのように。
もしも俺が「神宮寺 蒼汰」の記憶のみが消えているのであればその靄の正体は恐らく蒼汰なのだろう。
そうだ、こうして蒼汰の事をがんばって思い出そうとするからアイツの事ばっかり考えてしまうんだ。と頭を抱えつつ服を選ぶ。
ここ最近、蒼汰と遊びに行くのはかなり楽しい。時には奢ってくれることもある。
今の俺から見た蒼汰と言う男は本が好きなサスペンスホラー作家だ。かなり有名な作家らしく、本屋でも彼の本の特集を目にするくらいだ。何でそんな凄い人と俺が親友なんだ?と疑問に思った程だ。
男の俺から見ても顔良し、声良し、スタイル良し、佇まいも大人。普段は本が好きで人の小説を常に読んでいる本の虫のような男だ。
しかしたまに意地悪な言葉が出てくる特徴的な口を持っている。
ただ悪い人ではない。それだけは確信を持って言える。
これが普通の親友であれば、こんなに頭を抱えることは無い。だが、蒼汰の場合はちょっと違うのだ。
蒼汰に告白をされたことがあるのだ。それも一度ではない、何度もだ。
別に自分の事を顔が劣っているなどと卑下するつもりはない。しかし記憶がないせいだろうか、ハイスペックな彼に告白される理由が全くわからないのだ。
俺は「友達、友達な!!」といつも躱している。躱し切れているとは思わないが。
ただ、確実に心が傾いている自信はある。
「蒼汰、良い奴だもんな…多分好きになるなっていう方が無理かもしれない」
服を選びながら、親友の事を思い出す。と言うよりは気づいたら考えている。ここ最近はそのことの繰り返しだ。
しかし俺はこの後成し遂げなければならないことがある。
服を選ぶ
最大ミッションだ。
普段は先ほども言ったが白いTシャツばかりを着ている。
しかし今回は仕事着ではなく、遊びに行く為の服だ。
「…蒼汰は別に痛いセーターみたいなやつじゃなければよっぽど何にも言わないんだろうけど………って!!なんで蒼汰なんだ!蒼汰以外にも遊ぶだろ俺!!」
顔が熱くなる。
俺はこんなに一人の人間を考え続けたことがあっただろうか?少なくとも”今の俺は”覚えていない。
俺は、どうやら「神宮寺 蒼汰」と言う人物の事を忘れているらしい。
蒼汰曰く、俺と蒼汰は親友以上の関係らしい。が、俺は蒼汰の事を全く思い出せなかった。
最近「ホテル・エヴリシング」と言うホテルで怪奇現象に遭遇した。
嵐原一夜と言う男性からの依頼を受け、ホテルにいるとある3人を連れてきてほしいという依頼
仕事とはまた違った、よく行っていたバーの人からの依頼だった。
そこのバーにはよく行っていた記憶はあるが、常に一人だったかと言われると記憶にもやがかかる。
俺は一度そのホテルで首が無くなり死んだはずだった。今でも思い出すだけでもおぞましい状態だった。
しかし次に目を覚ませば消えたはずの首は元に戻り何事も無い身体が残っていた。
“俺は”そこで目を覚ました時初めて神宮寺 蒼汰と出会った。
だが周りは困惑し、ホテルから俺の記憶がおかしくなっていると言う。正確に言えば「死んだ時」から。
(一夜はもういないし…そのバーに足を運ぶことはできないんだよな…)
本当であればこの記憶がない原因を一夜にでも聞きに行きたいところだ。しかしそのホテルにて一夜は命を落としている。
一夜と本当の“最後”に出会った夢のような体験を思い出す。
「…一夜も俺と蒼汰が一緒によく居たって言ってるし…思い出せって言われたから頑張って思い出そうと努力してるけれど…!」
思い出せない。何も。
確かに記憶をたどれば「もや」はかかっている。思い出すのを遮られているかのように。
もしも俺が「神宮寺 蒼汰」の記憶のみが消えているのであればその靄の正体は恐らく蒼汰なのだろう。
そうだ、こうして蒼汰の事をがんばって思い出そうとするからアイツの事ばっかり考えてしまうんだ。と頭を抱えつつ服を選ぶ。
ここ最近、蒼汰と遊びに行くのはかなり楽しい。時には奢ってくれることもある。
今の俺から見た蒼汰と言う男は本が好きなサスペンスホラー作家だ。かなり有名な作家らしく、本屋でも彼の本の特集を目にするくらいだ。何でそんな凄い人と俺が親友なんだ?と疑問に思った程だ。
男の俺から見ても顔良し、声良し、スタイル良し、佇まいも大人。普段は本が好きで人の小説を常に読んでいる本の虫のような男だ。
しかしたまに意地悪な言葉が出てくる特徴的な口を持っている。
ただ悪い人ではない。それだけは確信を持って言える。
これが普通の親友であれば、こんなに頭を抱えることは無い。だが、蒼汰の場合はちょっと違うのだ。
蒼汰に告白をされたことがあるのだ。それも一度ではない、何度もだ。
別に自分の事を顔が劣っているなどと卑下するつもりはない。しかし記憶がないせいだろうか、ハイスペックな彼に告白される理由が全くわからないのだ。
俺は「友達、友達な!!」といつも躱している。躱し切れているとは思わないが。
ただ、確実に心が傾いている自信はある。
「蒼汰、良い奴だもんな…多分好きになるなっていう方が無理かもしれない」
服を選びながら、親友の事を思い出す。と言うよりは気づいたら考えている。ここ最近はそのことの繰り返しだ。