YOUTH

1年目12月下旬 聖なる夜に
主人公side


 スーツのネクタイをゆるめ、シャツの第一ボタンを外した。長かった打ち合わせがようやく終わり、ふと時計を見ればもうすっかり夜の帳が降りていた。

 携帯を取り出し電源を入れると、鳴りやまない通知音に画面が埋め尽くされる。

 「あ……うわ、忘れてた」

 クラスメイト数名からのメッセージと、琥一君、琉夏君からの着信が山ほど残っていた。クリスマスパーティの誘いを断ったままだった。

 慌ててクラスメイトに『ごめん、家の用事があって行けなかった』と打ち込み、送信ボタンを押す。
 そして、迷いなく琉夏君にかけ直した。

 「……もしもし?」

 電話の向こうから聞こえる琉夏君の声は、少し不機嫌そうに聞こえた。

 「ごめん、今日は行けなくて……」

 疲れた声で謝る僕に、琉夏君は少し呆れたように言う。

 「オマエ、どうせまた繁華街で仕事してんだろ」

 「うん……」

 息だけで返すと「だろうな」って琉夏君は笑った。

 「そんなことだろうと思って、コウ迎えに行ったから」

 「え?」

 「今すぐ電話切って、コウにかけて」

 それだけ言い残し、ぷつりと電話が切れた。
 言われたまま、慌てて琥一君にかける。

 ノンコールで出た声が、受話口から響く。

 「後ろだ」

 振り返ると、バイクの横に立つ琥一君が道路越しに立っていた。

 「え、琥一君?なんでここが」

 「パーティすんぞ。早く来い」

 受話口越しに聞こえた声と、向こう側に立つ琥一君の口元がぴったり合っている。

「うん!」

 頷いた瞬間、足は自然と走り出していた。
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