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白馬と姫(1~50)

第2話『光の先に』

 光は指で触れると跡形もなく消えていっちゃう。でも、次の光が先に見えるから、まだ森の奥に続いているのがわかる。

 森の道は岩やなんかで凹凸が激しくて、ローファーだと歩きにくいんだけど、両手を地面について登る(この体勢は少し恥ずかしい)。きつい坂を越えたところで光は途切れてしまった。

「あれ?」

 そこは木々が生えていなくて、開けた場所になっていた。様々な色をした花たちが風に揺れていた。

 野うさぎがぴょこっと顔を出してどこかへ行ってしまう。わ、野うさぎ可愛い。不思議の国のアリスみたいにうさぎを追いかけたら、おもしろい場所に連れていってもらえるかも。

 楽しくなって花畑に飛び出したら、うさぎが消えた方向に白い毛並みを見つけた。

 きらきらと光が注いだ場所に白い馬が休んでいた。足を折り、本当に体を休ませているみたい。栗色の馬は見たことがあるけど、白い馬なんてはじめて見た。

 しかも、雪のように白い馬っているんだ。綺麗としか言えない。

 近づいてもいいかな。逃げたりしない? ちょっと恐る恐る近づいてみる。音は立てないように慎重に。

「あ」

 髪の毛を荒々しく乱すような強い風が吹いた。

 声を出したせいなのか、白馬が立ち上がった。そのまま逃げ出しちゃうのかと残念に思ったら、白馬はおとなしくしてた。長いまつ毛に囲まれたつぶらな瞳がこっちを見るの。

「えっと」

 言葉なんてわからないはずなのに、何を言ったらいいか考えるなんておかしいかな?

 白馬はこちらに近寄ってくるなり、わたしの手に顔を寄せてきた。もしかして触ってもいいの?

 毛並みを確かめるように手で触れると、白馬は目を細めた。心を許してくれているのかもしれない。なで回したくなるくらいの可愛さに、思わず、長い首に抱きついてしまった。
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Clap