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短編

ザァ、と外から叩きつけるような雨の音が聞こえて跡部は書類から顔を上げ窓の外を見た。
どうやらゲリラ豪雨らしい。先程まで8月のからっとした太陽がグラウンドを照らしていたものだが、今は澱んだ重々しい空から槍のように太く強い雨が大量に降り注いでいた。



「……跡部部長」
部室のドアが勢いよく開かれたと思えば外からずぶ濡れの日吉が部室に入ってきた。可哀想なくらいにしとどに濡れた身体は雨に体温を奪われてしまったのか、少しだけ震えていた。

元々長い前髪は雨に濡れたことにより完全に日吉の目元を隠してしまっていて、雨により濃い色に染まったジャージの裾を絞れば面白いくらいに水が滴って日吉の表情がげんなりとしたものになる。

「こんな時間まで自主練か?」
「ええ、まあ。まさか雨が降るとは思っていませんでしたので」

鬱陶しそうに前髪をかきあげる日吉に跡部が自分のロッカーからタオルを取り出し渡す。渡された跡部のタオルを使っていいのか考えあぐねている様子の日吉に、跡部がクイ、と顎を上げ言外に使えと言えば日吉は「ありがとうございます」と小さな声で礼を言い滴る水滴を柔らかいタオルで吸い取った。

「随分と降られたもんだな。早くシャワーを浴びてきたらどうだ?」
「……そうさせていただきます」

そう言って濡れたジャージを脱いだ日吉の姿に、跡部は目を見開いた。


日吉の身体に雨で濡れた白いユニフォームが張り付いていた。肌に張り付いたユニフォームは日吉の健康的な色の肌を透けさせており、寒さからかピンと立ち上がった両胸のピンクの突起がふるりと震え、存在を主張していた。

「……日吉、どうしてインナーシャツを着ていない?」
「インナーシャツ……?ああ、汗で使い物にならなくなったので部活後に脱いだんですが……どうしてですか?」

普段ならばインナーシャツを着ている日吉の無防備な姿に跡部の目が釘付けになる。自分の姿を自覚出来ていない日吉の様子も相まってとてつもなくいやらしい思えて跡部はじっと日吉を見つめた。

「……?なんなんですか?俺、シャワー浴びてきますよ」

固まる跡部の様子に訝しげな表情を寄越し、シャワー室へと行こうとする日吉の腕を掴んだ跡部はそのまま日吉をソファへと押し倒した。中学生の部室に置いてあるものにしては上質で大きなソファに日吉の身体が勢いよく沈む。いきなりの出来事に目を白黒させる日吉の上に乗り上げた跡部がぎらついた目で日吉の胸に顔を埋めた。

「……っちょっと!何してるんですか!」

日吉の驚いた声色も意に返さず跡部がユニフォームの上から日吉の乳首を熱い舌でべろりと撫でた。途端にソファの上で両手をじたばたと動かし暴れていた日吉の動きがぴたりと止まる。透けたユニフォームから薄らと見える乳輪を円を描くように舌で舐めまわしながら時折気まぐれに舌先で乳首をつつけば、面白いくらいに日吉の全身がびくびくと震えた。

「ぁ……急に、ハッ、どうしたん、です、か……んっ」

日吉が胸に顔を埋める跡部の頭に手をやり、ぐいと引き剥がそうとするが快楽によるものか、それとも嫌がっているふりをしているだけなのか。力の籠らない手では跡部を引き剥がすことは叶わなかった。

その間にも跡部は乳首への愛撫を止めることはなく、ユニフォームの上から焦らすように執拗に何度も何度も乳輪を舌で撫で回した。もう片方の乳首にも手を這わせ、乳輪をゆっくりと撫で、ピンと立ち上がった乳首を人差し指で弾いた。

「んっ……ふぅ……っぁ」

控えめだが気持ちよさそうな声を上げる日吉の胸に顔を埋めたまま目だけを日吉に向ければ、真っ赤に染まった日吉の顔があった。潤んだ瞳で跡部を見つめる日吉の表情は情欲に塗れていたが、プライドの所為か、はたまた部室でこのような行為に及んでいることへの羞恥か、眉を顰め唇を食み喘ぎを零さんと我慢していた。けれど、結ばれた口からは時折我慢出来ない荒く甘い吐息が漏れ、乳首に舌先や指が触れる度に期待するかのように揺れる腰が跡部の加虐心を強く煽った。

「っあぁっ!」

さりさりと乳輪をあわく撫で回していた跡部の手が突然ギュッと日吉の乳首を強く摘んだ。唐突に与えられた痛みを伴う強い刺激に日吉の腰が浮き、ビチビチと身体が跳ねた。

「……ふ、乳首だけでイッたのかよ」
「……っ、あ、ふ、あんた、が……っ」
「アーン?」

乳首への刺激だけで達した羞恥心からか悔しそうに唇を食み顔を背ける日吉の顎を持ち、強引に自分のほうを向かせた跡部は日吉の唇に食らいついた。強引に日吉の口内に自分の舌をねじ込み全体をくまなく蹂躙する。歯列を丁寧になぞり、舌を絡ませた。上顎をなぞってやれば気持ちよさそうに組み敷いた日吉が鳴いた。

「んぶ……ぁふ、んんっ!」

跡部がキスしながらまた日吉の乳首をユニフォームの上から撫でる。途端にビクリと日吉の身体が震えた。あからさまに期待に濡れた瞳を跡部の指先に向ける日吉の姿に跡部は口の端だけで笑った。

「随分ここが好きなんだな」
「……だれの、せいですか」
「勿論、俺様が虐めてやってるおかげだろう?」

跡部が日吉の濡れたユニフォームを脱がせる。赤く腫れた乳首をさすり、捏ね、引っ張る。痛いくらいのそれだが、今までの性交で散々跡部に乳首を虐められている日吉にとっては強い刺激はただの快楽でしかなかった。

「っあぁっ!跡部さ、ふぁっ!」

またしても跡部が日吉の胸元に顔を埋め乳首を舐める。生暖かい舌での刺激に日吉が酔っていれば、跡部が思いっきり乳首に噛み付いた。

「っあっ、がぁッ!あとべ、さっ!とれ、とれぅッ!!ちくび、ひぃ、ちくびとれるっ!」

噛みちぎらんとばかりにギリギリと乳首に噛み付き歯を擦り合わせる跡部に日吉はしがみつきながら目を剥いて天を仰ぎ涙を零す。痛みからか全身の筋肉が緊張し足がぴんと伸びた。

「いだ、痛い……ッ!あとえ、さ、痛いですっ!や"めっ……!」
「アーン?その割には随分と粗相してるみてえだが」

跡部がハーフパンツの上から日吉のペニスを撫でれば、そこは濡れそぼり濃い色に染まっていた。雨の所為だけではないそれをハーフパンツの上からグチグチとわざと卑猥な音が出るように揉んでやる。

「んはッ……!や、やめっ!あっ、はァッ!」

またしても乳首を舌で転がしながらハーフパンツの中に手を差し入れ日吉のペニスを擦る。泡が立つほどに激しく擦りながらくにくにと歯で乳首を甘噛みしていれば、日吉の声が切羽詰まったものになりだした。

「ん……ぉ"ッ……!ひぃ、はあぁ〜っ!も、もぅ、だめ……っ、あと、え、しゃ、それ……っ!ほんと、やめ……ぇっ!やめ、くださいぃ……っ!」

ビチビチと日吉の身体が跳ね、派手に達する。普段の清廉とした姿からは全く想像のつかないだらしのない呆けた表情に跡部の下半身が熱くなった。

「気持ち良さそうだな?日吉」
「ン……はぁーっ……はぁー……、ぁ」
「おい、まだ意識やるにははえーぞ」

跡部は全身を弛緩させ濡れたソファに身を投げ出しぼうっと天井を眺める日吉の頬を軽く叩いて日吉の目線が自分に向いたことを確認すると、日吉の身体をくるりとうつ伏せにした。濡れて毛束のできたソファに頬を擦り付ける日吉の腰を持ち上げるとハーフパンツを脱がす。日吉の下半身は自身の精液と先走りでぐっしょりと濡れており、むわりとした精液特有の生臭い匂いが立ち込めた。

「だらしがねえな」
「ン……」

跡部が日吉の後孔に指を無遠慮に差し入れる。濡れそぼったそこは難なく跡部の指を受け入れ、嬉しそうに締め付けた。ずぶずぶとわざとはしたない音が出るように指を出し入れする。気が付けば3本の指が収まったそこを暴くように、胎内で指をばらばらに動かし時折前立腺を押し潰せば日吉の嬌声が媚びたものに変わっていく。

「ひぅ、はぁっ!あぁ〜〜っ、あン、はぁっ!」

跡部の指に抗うように日吉が上体を起こそうとするが上手く力が入らずソファに突っ伏してしまう。前立腺を押し潰される度に額に汗を滴らせかぶりを振った。ソファは既に日吉の涎と涙と先走りでとてもじゃないがソファとして使えるものではなくなっていた。

「はぁ〜っ、あぁっ!も、あと、え、さ……っ!あとべ、さん……ッ!」
「どうした、日吉」
「ん、もぅ、入れて……くださいっ」

至極楽しそうに日吉の尻の穴を虐める跡部に我慢出来なくなったのか、日吉が自身の後孔に指を突っ込み穴を拡げて跡部に見せつけながら懇願する。真っ赤な腟内を見せつける日吉のいやらしい姿にぞくぞくと愉悦を感じながら跡部は勢いよく自身のペニスを日吉の後孔に突き入れた。

「……おら、よっ!」
「〜〜〜っ!!」

跡部のペニスを飲み込んだ日吉は声にならない声を上げて派手に達する。日吉が達している間にも無遠慮にガツガツと激しく腰を打ち付けた。

「あ"~〜ッ!や、め"っ!イッ、でる……ッ!!あと、あお、え、さんっ!おぇ、イッて、るっ!」
「ハ、てめえなんて顔して、やがる……っ!」

ぶるぶると震える日吉の顔を強引に自分の方に向かせて口内に指を入れる。無意識に跡部の指に舌を絡ませ赤子のように吸い付く日吉にぞくぞくとした愉悦が跡部の背を駆け抜けた。

一心不乱に跡部が腰を打ち付けていれば、日吉の表情が切羽詰まったものに変わった。目を限界まで見開きソファにガリガリと爪を立てる。

「あ"……なん、っか!なんか、くる……ッ!やあぁ……っ!……ひッ!!」
「……くっ、若……!」

ぎゅうぎゅうと日吉の腟内が収縮した。跡部は耐え切れず日吉の中に欲を吐き出す。一方日吉は、派手に達したにも関わらずペニスの先からは何も出てはおらず、少量の先走りだけがたらたらと滴っていた。

「……空イキか」
「……ぁ、あ、ふ……」

ぼんやりと濁った瞳を宙に投げ出す日吉を見ながら跡部が呆然と呟く。初めて空イキを経験した恋人の疲れ果てた様子に少しばかりの申し訳なさを感じながら後孔からペニスを引き抜けば、どろりと精液が零れた。強く掴みすぎて跡部の手の形に赤く跡のついた日吉の白い腰から手を離せば、日吉の熱い身体がとさりと精液まみれのソファに投げ出された。

「……おい」
「……、……っ、」
「大丈夫か、若」
「……あと、べ、さん……」

跡部が日吉の頬をぺちぺちと軽く叩けば日吉の意識が徐々に浮上した。

「……わりいな」
「……いえ」

それきり黙りきってしまい日吉は顔を伏せてしまった。しばらくすると日吉のすんすんとすすり泣く声が聞こえて跡部が焦りながら声をかける。

「若……っ、どこか痛むのか?すまねえ、無理させちまったよな」
「そ、じゃなくて……」
「?」
「あの、こ、こんなに気持ちいいの初めてで……おれ……俺……っ!」
跡部に顔を向けた日吉は戸惑いと恥じらいと悦楽をぐちゃぐちゃに混ぜた顔をしていて、思いもよらぬ日吉の姿に跡部は息を飲んだ。

「あ、あの、け、ご……さん……っ!もっと俺のことっ滅茶苦茶にしてください……っ!」
「……っ若、てめえ……!どうなっても知らねえぞ……!」

日吉の思いもよらぬ告白に、跡部は脳天を貫かれたような気持ちになった。勢いのままに噛み付くように日吉にキスすれば、応えるように口を開き日吉が舌を絡ませてきた。夢中で口内を貪り合う2人は、もうとっくに雨が上がり星がきらめく空にも気が付かないだろう。
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