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№01:あの頃とは違う自分
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奏でる音は音符へと形を具現化して空気中を漂う。そして、攻撃を仕掛けた敵は私を“見失った”歌詞の中で見ないでという単語が作用して敵と認知した仮想敵は、私がピアノごと姿を消したと認識するようになっている。赤外線で切り替えてもそこには“なにもない”
これが私の音の個性。ひとつ欠点を上げるとしたら、途中から来た敵には全く作用しない。今後の課題だろう。
空気中を漂う赤や黄色の音符はどうするかというと、見失った私を見つけるために近づいてくる仮想敵のどっかしらにくっつける。そして——。
「explosion(爆発)」
マイクに指を近づけて指パッチンをする。ダイナマイトが爆発するイメージを浮かべて。
端から仮想敵がひとりでに爆発していく。音符は私にしか見えないからきっと監視している先生方は何が起きているか分かっていない、はず。
破壊された機体を数えたなら66Pだった。プラスとして手持ちのクラリネットで「クラリネットをこわしちゃった」をうる覚えで吹きながら入口まで戻った。その間に死にかけていた人を治癒してちょうど時間切れとなった。
後日、入学許可が下りたと学校側から赤紙ならぬ通知が来た。敵P66+救済P25=91で実技合格。筆記の方は寝不足が祟ってギリギリだった。
合格通知開封翌日。
家でじっとしていられなかったので、最近気になっていたマンション近くの楽器屋さんに行ってみた。
「いらっしゃい」
「……」
レジカウンターで筋モンっぽい見た目の人がボンキュッボンの女の人が表紙の雑誌を眺めている。軽く会釈してからショーケースの中にある磨き上げられたトランペットや、ゼロをひとつかふたつ間違えているのではないかと言いたくなるエレキギターを眺めていると、
「嬢ちゃん、得意な楽器は何だい?」
白髪混じりの黒髪を片手で撫でつけながら、店主がカウンターから此方まで他の客がいるにも拘わらずやって来てそう訊いた。
「……どうして私が楽器できるって分かるんですか?」
もしかしたら素人がただ物珍しさに来ただけかもしれないのに。その気持ちを察したのか店主は「ただの勘だよ」と苦い笑みを零した。
「管楽器や弦楽器等が得意で、どれが一番ってのは少し難しいです」
素直に答えるとは思っていなかったらしく、少しだけ目を見開く店主はすぐに口端をゆったりと持ち上げて「そうかい」と優しい声色で呟く。
「なら、やった事のない楽器を試す気はあるかい?」
「やった事ない、ですか?」
その言葉に顎に手を当てて考える。幾つか頭に思い浮かんでは消えていく。
「オカリナ、とか?」