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№00:誰かのために
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中学に上がった頃、奈々ちゃんが、
「[#dc=2#]はさ、ヒーローってすき?」
と訊いてきた。私はぽーぽージュース——パパイヤジュース——のストローから口を離して彼女の方へ顔を向ける。
「ヒーロー? あのニュースとかでやってる悪い奴を倒す人?」
「そう、あたしすきなんだよねー。弟いるからさ、そういうのすきなの。女のヒーローもいてね、かっこいいし可愛いんだ!」
「……へぇ、女の人も」
正直、男ばかりだと思っていたが、女性も活躍しているとは思っていなかった。
その日の夜にパソコンでヒーローについて調べまくった。結果、ドハマりした。そこには明白な理由がある。
——どんな個性でもヒーローを目指す事が出来る、ということ。もちろん、センスや努力は必要だが、やらなければなれるかどうかも分からない。
(……なりたい。私も、ヒーローになってたくさんの人を助けたい!)
と、思ったがそう簡単になれるわけではない。まずはヒーロー科のある所謂、ヒーロー育成校へ行かなければならない。奈々ちゃん曰く、雄英高校が良いらしい。かの有名なオールマイトも通っていた学校だ。偏差値は七十以上。テストはほぼ満点だったが、自分がどれほどの実力かは分からない。故に調べる必要があった。
中学二年へ上がると同時に、埼玉県の中学生は殆ど受けている北辰テストというものがある。それを受けるため、会場である埼玉立正大学へ赴いた。
熊谷駅の南口から立正大学行きのバスに乗り約二十分で着く。その日はよく晴れて眩しかった。広いキャンパス内を生徒の波に抗うことなく歩いていく。周りは友達同士が多くて会話を楽しんで緊張を解していた。私は一人で指定された席に座って開始時間まで、ペったんこなスクールバッグを枕代わりにして目を閉じる。
(どうせなら奈々ちゃんを引っ張って来るんだった)
きっと、面倒臭がって来ないだろうという言葉をため息に溶かす。ギリギリで来たものだからすぐテストは始まり、半日ほどで五科目全てを終えた。後日、雄英高校A判定という通知がポストの中に入っていた。
A判定というのが嬉しかった。たとえ、ギリギリだったとしても。その日のうちに、母にメールを送り、珍しくふわふわと現実なのか夢なのか分からない気分のまま眠りついた。人生の中で一番テンションが上がっていた日だった。
——朝一にメールボックスに入っていた母からの一通の文面を読んだ瞬間、その有頂天だった気分は風船をつまようじで割ったように呆気なく萎んでしまった。一言でいえば反対だった。文面から読み取れる感情は、悲しみと怒り。今まで母は反対などした事が無かった。それ故にショックが大きくて、その日、初めて病気以外で学校を休んだ。