夢小説用の名前変換システム。本編が進むごとに増やす予定
№01:あの頃とは違う自分
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あっという間に冬は過ぎて春が来た。
広すぎる校内をやや早歩きで1―Aを探す。かなり余裕をもって着いたのだが途中あった防音室に心を惹かれて一時間ほど設備を見ていたらかなりギリギリになってしまった。
(だって、最新式のヘッドフォンマイクが心を掴んで離してくれなかった)
近未来的なデザインながら音はかなりクリアらしい(ネットの口コミ)しかし、高校生になったばかりの私が買える値段ではない。ウン百万は流石に……ね。
けれど一度生で見る事が出来たので私の気分はるんるんだ。やっとの思いで教室へ辿りつけば誰もいなかった。右手首に嵌めている腕時計を見れば入学式が始まるまでまだ一時間はあった。
「あれ、っていうことはアラーム一時間前に設定してあったかぁ」
なるほど、電車内が空いていたわけだ。ひとりで納得しながら、出席番号七番の席に座る。まだ時間はある。そう思っていた私は気が緩んでいたのだろう、アカペラで囁くような声量で歌い始める。
何となく此処までくるまでに見た面白い形の雲を思い出して茶太さんが歌うハラペコのマーチをチョイス。
甘い恋へ想いを馳せる女の子の歌。幸せとはどんな色でどんな形でどんな味だろう。もしかしたら別の道を歩んだら見えてくるかもしれない。
下校途中にふと小腹が空いてきたり、きっとそれは今日頑張って来た証だと思いながら不思議な雲の形を上を向いて探す。
それが、日常の中に転がっている小さな幸せ。それにプラスして好きな人の事を考えたら、胸がきゅっとあまく締めつけられた。
足をぱたぱたさせながら、教科書を机に入れ終えたなら、ぺったんこになったスクールバッグを抱き枕代わりに寝る体制に入る。ほんの少しだけ個性を織り交ぜて歌ったおかげで、気分が程良く溶けて眠気がじわりじわりと意識を食べていく。
「おやすみなさい」
誰に言うでもない挨拶を呟き、暗闇へと身を委ねた。完全に意識が呑まれる前に、赤と白の青年が「おやすみ」と微笑んだ気がした。