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7〈辛いときこそ〉
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何故、余裕があるのか分かるかというと、焦りが生じているのならば、背を丸めている筈だからである。つまり、証拠を提示しても揉み消す力があるのか、それとも、証拠と認知していないからか。バレー部の一人くらいの発言力はたかが知れている。全員集めても、元メダリストを、この学校は手放したりしないだろう。中心部から既に腐っているからである。
案の定、鴨志田は余裕な態度をとり続けている。しかも、病院から被害を受けたと思われる鈴井さんが意識回復していない上に回復が絶望的らしい。
私が許せないのは、鈴井さんがそんな状態なのに鴨志田はそれを望んでいるということだ。腐ってでも教師の癖に、生徒を心配するのは建前。本音は唯一の証拠を揉み消せたと喜んでいること。口許が緩みきってだらしのない顔つきになっている。……正直、気持ちが悪い。
鴨志田が坂本くんの逆鱗に触れる。完全に堪忍袋の緒が切れた坂本くんが鴨志田に殴りかかる。しかし、来栖くんがそれを止めた。
「何で止めんだよッ……⁉」
彼が首を振りながら挑発に乗るなと諭す。坂本くんは鴨志田を殴ることは止めたが、また怒りが爆発するかもしれない。やはり、鴨志田は調子に乗った。席に戻って『退学させる』と鴨志田は言った。此処――体育教官室――にいる全員とは三島くんも含まれているのだろう。鴨志田が理事会に発言すれば、いとも簡単に私たちは退学になる。
そして更に鴨志田は、三島くんがしたことを暴露。と言っても、言われて仕方がなくやったことらしいが……。
「さ、もういいだろ? 退学だ、退学!
お前らの将来俺に奪われて終わりってわけ。……分かったらとっとと出ていけ」
奪われた先の未来は――、自分たちで取り戻さなければならない。そのためには、オタカラを奪うほかないらしい。
「こんなやつのせいで……っ!」そう坂本くんが言葉を吐き捨てる。それを拾うように来栖くんは「撤回させよう」と揺るぎのない瞳で私たちを見る。その瞳には迷いは無く、それに触発されるように坂本くんは頷く。鴨志田からも言質として「やれるものならやってみろ」を貰った。きちんと端末の録音機能で一言一句漏れなく、最初から最後まで分割して録ってある。
体育教官室から出て、私たちはそれぞれの教室へ戻った。やっと二人がやる気を出してくれた。イゴールさんに後で報告しなければならない。この運命――バッドエンド――を覆すには、仲間の絆が何よりも必要なのだ。
その為に私は、私のするべきことを明確にし、助力を惜しまない。改めてそう、心に刻み込んだ。
放課後。
中庭にてモルガナと合流。
モルガナが『廃人になるかもしれない』と、それでも覚悟はできているのかと問う。
「……俺はできた。
アイツのせいで人が死にかけたんだ! もうどうなろうが知ったこっちゃねえ!」
それは、ある意味覚悟であり、そうではない。しかし、モルガナはそれを覚悟と受け取った。来栖くんも覚悟は出来ているとはっきり答えを出した。