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7〈辛いときこそ〉
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今朝の鈴井さんの様子を思い出す。あの時私が……、なんて考えている暇はない。
人気のない実習棟から中庭へ急ぐ。辿り着くと既に鈴井さんは、担架に乗せられていた。その近くには……。
「志帆……!」
立ち尽くしている高巻さんの姿が見えた。酷い野次を飛ばす人、中には端末でカメラを回す生徒までいる。他人事だからこそできることだろう。そのことに腹を立てる坂本くんを押さえつける。
鈴井さんの付き添い人を名乗り出たのは、やはり、高巻さんだった。他の教師たちは面倒なため行きたがらず……。これが子供に物事とは何たるかを教える教師とは思えなかった。
視線を彼女たちに移すと、鈴井さんが高巻さんに何かを告げているのが見えた。なんとなく、今の状況を打破できるヒントのような物だと思った。
「あいつ……」
坂本くんがつぶやいた言葉。彼の視線の先には三島くん。この場から逃げた彼を追う。明らかに何かを知っている様子だった。
青いロッカーのある部屋に追い込んで、坂本くんが三島くんに詰め寄る。怖がる彼に[da=3]くんが「話せば楽になる」どこかで聞いたことのある言葉を言い、坂本くんもそれに同意見といった様子。
三島くんは、それ以上取り乱すことなく、昨日、鈴井さんが鴨志田に呼び出されていたことを吐露した。そして、一番欲しい体罰の現状について話してくれた。
しかし、それはとても酷いモノだった。
鴨志田の機嫌次第で、バレー部員は殴られる。指名つきで。
「……酷い」
「やっぱ、体罰マジだった訳か……」
「でも鈴井、昨日とくにヘマしたとかじゃないのに急に呼び出されてて……。
鴨志田先生、すごくイライラしてたから、きっといつもよりひどいこと……」
――昨日のことだとすぐに分かった。高巻さんを部屋に呼べないから鈴井さんを……。鴨志田への怒りが湧き上がり、ぎゅっと握りしめた拳を、後ろにやって隠した。
三島くんの話の中で、鈴井さんの身に何が起こったのか察した坂本くんが何処かへと走り出した。私たちも彼のあとを追って廊下を走る。辿り着いたのは二階の体育教官室。
「……ん?」
机に向かっていた鴨志田が私たちの方へと振り返る。「テメェ、あの子に何しやがった⁉」と坂本くんが吠える。鴨志田は鬱陶しい虫でも追い払うように手を振って、適当にあしらう。
「しらばっくれんな!」近くのパイプ椅子を蹴る坂本くんは我を忘れて今にも掴みかかりそうだった。まさに一触即発な雰囲気が辺りを包み込む。いい加減にしろと、鴨志田が怒鳴る。やっと此方を見た。
すると、見ているだけだった三島くんがあんなものは指導ではないと首を振った。彼の口から出たのは、昨日の事だった。それに焦りを感じたのか、鴨志田は立ち上がる。未だ余裕があるのか腕を組む。腕組みには心理的なものが顕【あらわ】れる。深く考えるためだとか、防衛状態になっているだとか……。鴨志田は高い胸の辺りで腕を組んでいる。これは、優位に立ちたいという顕れだ。