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7〈辛いときこそ〉
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7〈辛いときこそ〉
「なんでしょーか」
「貴様、主に向かってなんて口の聞き方……!」
いつもの囚人服で、牢屋の格子越しにイゴールさんを見つめる。本当はベッドでごろ寝をしながら話を聞いていたいのだが、それは双子の看守が許してくれないだろう。
「引き続き、もう一人の囚人の監視を続けてほしい。君はイレギュラーな存在だ。
本来ならば、合わさることのなかった運命は交わり新たな未来となる。
どんなことになるかは、我々にも分からない。いっそう、気を引き締めてくれたまえ。
そうそう、彼らと手を組み、パレスを粛清することも忘れないこと」
そう、イゴールさんが口を閉じて、カロリーヌが腕を組み近づく。
「だ、そうだ。シュウジン、貴様の功績は素晴らしきものだ。誇りに思えよ」
無い胸を一生懸命張るカロリーヌ。横に居たジュスティーヌが、バインダーの書類を捲りながら静かに言う。
「貴方にはボーナスとして、メンテナンスルームを設けよ、と主から伺っております。貴方のペルソナは特殊で、定期的にメンテナンスをしなければ、消えます。替えが効くと言えば聞こえは良いですが、二体目が強くなって生まれてくるとも思えません。預けて一日が経ったら迎えに来てください」
迎えに行かなかったら、という言葉を飲み込み、頷いた。それを見た二人は、嬉しそうに頷いた。
翌日、四月十五日の金曜日。
ペルソナを預けて貰っているからか、胸にぽっかり穴が開いている気分だった。今日は日直なため、少しだけ早めに学校に行った。誰もいない教室を眺める。すると、明かりの付いている教室を見つけて、半開きになっているドアから覗いてみる。
「……鈴井さん?」
何やら思い悩んでいる顔つきの彼女を発見して、声をかけようとした。しかし、重々しい雰囲気に呑まれて、足を踏み出すことが出来なかった。なんというか、目が虚ろで、包帯のしている左腕、ほつれて見えてしまっているむき出しの肉は盛り上がっている。
「うっ……」
思わず目を逸らしてしまった。いつもならそういう場面を見ても平気だったのに、今日は何故か駄目だった。足早に自分の教室へ行き、日誌に今日の時間割を書き込んでから机に突っ伏し寝に入る。日々の疲労が溜まっておりすぐに意識が闇の中へと吸い込まれていった。
次に目を覚ましたのは授業中。教室内が煩くて目が覚めたのだ。隣にいるはずの坂本くんが居ない。妙な胸騒ぎを憶えて廊下へ。人の波間に見たのは、高い処から落ちていく少女の姿。落ちきる前に中庭に走る。
「藤村!」
「坂本くん! それに来栖くんも! 何がいったい……」
「それはこっちが聞きてえよ! 鈴井の奴が屋上から……」
「はやく中庭に行こう!」