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5〈坂本くんの試練〉
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カモシダは兵士に命令する。まとめて殺せと……。それを合図に下っ端の兵士が前へ出る。穢れた二角獣へと姿を変え、襲ってくる。
何度か攻撃を繰り出すが、来栖くんのアルセーヌのエイハは攻撃半減で思ったように体力を削ることが出来ない。頼みの綱であるモルガナのペルソナ、ゾロの風スキル、ガルでは敵一体のみの攻撃なため、倒そうとするが、敵数が多いせいで一掃することが出来ない。私は物理無効だが、今のままではどうすることも、出来ない。仲間が一人、一人と倒れていく姿が目に移り、臆病な私が出てくる。『逃げちゃえば?』と……。
その心の隙間、縫うようにして現れた兵士の手によって、身動きが出来なくなる。
「どうせ、貴様の思いつきで来て、こうなっちまったんだろう? え?」
完全に戦意喪失している坂本くんは膝をついて「やめろ……」と小さく呟くだけ。そんな彼に追い打ちをかけるカモシダ。胃の底から湧き出て来たのは、私の怒り。カモシダの言葉一つ一つが誰かに似ていると思ったら、川田だった。私の心の枷。自分に言われているかのようで、それが痛くて苦しくて堪らない。
でも、負けない。――自分を責めるのはあと、他人を責めるのはもっとあとだ。
静かに坂本くんとの過去を語りだしたカモシダ。この言葉の中に彼の反逆をくすぐる言葉があれば、彼の中の『反逆の意志』を。
「目障りなんだよ! 実績を上げるのは俺様だけでいい!
クビになったあの監督も、救えない馬鹿だ……。
正論言って楯つかなければ、エースの脚を潰すだけにしてやったものを……」
「何、だと……」
「もう一本の脚も、やってやるかぁ? どうせ学校が『正当防衛』にしてくれるしな!」
「クソ……、また俺……、負けんのかよ……。
こんなクソのせいで、走れなくなって……! 陸上部もなくなって……!」
全員が坂本くんに注目を集めている隙に、羽交い絞めしている兵士を信じて、自由な手で拳を作っている手を握って軸を作る。地を蹴り背後に回ると手刀で沈ませる。音を立てないように床に寝かせてから階段を駆け上がって、
「本当にそれでいいのか、坂本竜司!」
背後が鴨志田の肖像というのは気に食わないが、誰よりも高い位置にいる。自分を大きく見せて一気に注目を集める。
「貴様! 降りろ! 俺を見下ろすな!」
「うっさい! 坂本くんは悪くないじゃない……。全て鴨志田が仕組んだこと、やり返したいとは思わないのか!」
「……来栖。……そうだよ。
俺が、あいつに奪われたモン、もう返ってこねえ、大事なモン……!」
――空気が変わった。坂本くん周りの空気が確かに変わった。……そうだ、立ち上がれ。
「そこで、大人しく見てるがいい。
クズを庇って犬死する、救えないクズどもをな」
そう言って坂本くんを指さすカモシダ。しかし、今度は言葉のナイフを突きつけられても坂本くんは屈しなかった。
「お前の方だよ……」