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4〈私は主人のいない騎士〉
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最初は私もこの世界に来たばかりの頃は心細かったし、無事に元の世界に帰ることが出来るか不安だった。大丈夫だという意味を込めて、赤い手袋越しに手を握る。まともに今まで武器を持ったことが無かっただろう彼の手は、豆が出来てきて少しだけ震えていた。
彼は、そっと私の手を握り返してくれた。何度かマッサージするように強弱をつけて握って二人にバレないうちに手を離した。彼らは私たちに気づかないまま話を続けていた。
「よっぽどカモシダってのがキライらしいな」
「嫌いどころじゃねえ。全部、あのヤロウのせいだ!」
半ば、叫ぶように坂本くんは吐き捨てる。
「何があったか知らないが、情で突っ走んのはやめとけよ?
そこらじゅう手下だらけだ」
奴隷たちの叫び声に混じって、鎧が擦れあう音も聞こえる。この部屋は安全だが、一歩外へ出れば見回りをしている兵士たちに見つかってしまうだろう。何とか音が遠ざかってくれることを願うしかない。
ふと、モルガナの視線は来栖くんへ、
「その恰好、気になってんだろ?」
モルガナの言葉に反応するよう、坂本くんは私たちに目を向ける。
「ああ、俺も気になりまくるわ」
「そいつも、この世界のせいだ」
「また、ワケわかんねえ話……」
と、坂本君は壁に背を付けて言う。
私は騎士の姿、来栖くんは何やら怪盗っぽい姿。モルガナは黒いマスクをしているから何となく、怪傑【かいけつ】ゾロを思わせる。
なんとなく敵に見つからず盗みを働くことが出来るようにと、それぞれ目立たない色をしている。ちなみに私の鎧はミッドナイトブルー。夏は涼しく、冬は暖かいのだと思う。……私の願望だけれど。
「パレスでは、何でも主の思い通りに歪む。
学校がこんな城になるくらいだからな」
目を伏せて首を振るモルガナは続けて「防ぐには、強い『反逆の意志』を持つしかない。今の姿は、その表れ……、オマエ自身がもつ『反逆のイメージ』だ」と私たちにわかりやすい説明をするが、坂本くんは「あーっ、もうメンドくせえ!」話の腰を折った。それよりも彼には気になることがあるようで、モルガナの正体について言及し始めた。
確かに最初会った頃から気になっていたので、ジト目でモルガナを見つめる。
「人間だ! 正真正銘、人間さまだ!」
「いや猫だろ、どっちかっつーと!」
「これはその……、本当の姿を失くしたからだ。
……たぶんな」
「たぶんかよ」
「だが元に戻る方法は分かってる。
ここへ忍び込んだのも、下調べのためだ
まあ、捕まっちまったが……」