夢小説用の名前変換システム。本編が進むごとに増やす予定
4〈私は主人のいない騎士〉
夢小説設定
名前変換
夢小説用の名前変換システム。本編が進むごとに増やす予定
夢小説用の名前変換システム。本編が進むごとに増やす予定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
4〈私は主人のいない騎士〉
ホールを横切った先にある扉を抜けると、石造りのらせん階段があり、足元に気を付けながら降りていくと、少し広い処に出た。牢屋がいくつも連なっている。その真ん中を川が勢いよく流れていた。兵士に注意し歩を進めて行くと、後ろを向いている兵士が見えた。条件反射で隠れて様子を窺う。
「チッ……、やはり見張りがいるか……。
こっから先は、戦いが避けられそうもない」
「ま、マジか……」
「仕方ない……、戦闘の基礎の基礎だけ、ここで伝えておくぞ。頭に叩き込め。
原則、いつでも不意打ちを狙っていく。可能な限り、敵は背中から狙え。
パレスの敵は、主の歪みで支配されている。その象徴が『仮面』……そいつを剥ぎ取るんだ。
成功すれば、どんな敵でも一瞬かならず前後不覚になる。そこを先制攻撃だ」
逆に敵に見つかれば永遠と襲ってくるし、一瞬でも当たればこちらが全面不利となる。その場合、逃げることが出来なくなるため、回避するには、セーフルームに逃げ込むしかないのだ。あそこは管轄外なため、どんな敵でもブロックできる。
「後ろから不意打ちかまして、先制攻撃か……。うしっ、分かった!」
「オマエは外で見学だぞ? ペルソナが使えないんだからな。
その代わりに馨は参加してくれ。さぁ、行くぞ!」
来栖くんが先頭を走って兵士の背後にまわり、見事な身のこなしで仮面を剥ぎ取る。出てきたのは少し焦り気味の地下室のランプ男。先制攻撃を駆使し物理で蹴散らした。
戦闘を終え、掛かっている橋を渡ると兵士や、前に居たという奴隷たちがいなく、閑散としていた。
「なんで誰もいねえんだよ……」
薄暗い牢屋にも奴隷たちはいなかった。モルガナ曰く奴隷たちはどこかへ移送されたらしい。ゆっくり考えさせてくれる余裕もなく、重たい足音が近づいてくる音がする。
ひとまず近くにあった部屋へ逃げ込む。そこは幸いにもその部屋はセーフルームだった。
「ここだけ歪みが少ない。主の支配が弱い場所ってことだ」
一瞬だけ部屋の中が、教室へと変わっていた。それを二人も見えたのか、ここが現実では教室だと気づいてくれたらしいが、
「これでわかったろ?
ここは、主の心が映し出した『もう一つの現実』なのさ」
「鴨志田のゲンジツ? さっぱり分かんねーよ!」
「歪んだ欲望が具現化した世界、と言ってもいい。
ワガハイは『パレス』って呼んでる」
パレスは、宮殿や王宮などを意味している。鴨志田の城にぴったりな単語だ。まあ此処はそれほど煌びやかな雰囲気とは程遠い。
少しだけ来栖くんを見上げると、忙しなく辺りを気にしているようだ。