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2〈過去を歩いた先にあるもの〉
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「……屋上で待ってる」
坂本くんはそう告げて私の腕を掴んだまま、屋上へ。何故私も連れて行くの、と聞いたら「モルガナ」と短く答えた。思わず「嗚呼」とため息交じり一つ納得して、いくつか積まれている机や椅子。一つ私の分の椅子を降ろしてもらいそこに座り来栖くんを待つ。
「モルガナから何か聞いたの?」
「そりゃいろいろと」
「……口封じしておけばよかったな」
言葉をぷつり、ぷつりと切りながら会話をしていると、来栖くんがやってきた。
「……来たな。悪かったな、呼び出して」
お前も、と私に一度坂本くんは視線をよこしてから、椅子に浅く腰掛け再び来栖くんを見上げる。どうせ川上(来栖くんの担任)に俺に関わるなって、いわれている等といった言葉を投げる。それは川上先生だけじゃないとは言えなかった。私と坂本くんの担任からも既に言われた言葉だった。
此処にいる私含めて所謂問題児の集まり。坂本くんは鴨志田先生に手を上げたというレッテルを貼られている。周りが噂をするから覚えてしまった。来栖くんは傷害事件のマエを持っている。
そして私は――。
「お前は、なんだっけ。通信通ってたんだろう?」
「うん。何故か非難されてる。馬鹿が行くところだーとか」
いろいろ事情があって通信にしたのに。きっと理由を言ったら尚更、腫物に触るかのような扱いを受けるだろう。
私の話もそこそこに、坂本くんたちはパレスのことを話し合っている。
「そう、ガタイのいいモジャモジャ頭」
端末を弄りながらその単語だけ聞こえて思わず吹き出しそうになった。これぞ秀逸。
「バレー部の顧問だか、元メダリストで、部も全国行ってから、誰も何も言えねえ……。その城の『鴨志田が王様』とか、そこが妙にリアルっつうか……」
土埃だらけの机を軽く叩いて、そこに突っ伏すと坂本くんが軽く私の後頭部を叩く。どうやら話を聞いてほしいらしい。「いたい」と突っ伏したまま発すると、少しだけ撫でてくれた。
「付き合わして悪かったな、話は終わりだ。あと藤村。モルガナが後でめめんとす? で待ってるって」
「あいよぉ」
少しだけ撫でられたところに手を当てながら立ち上がる。
「けど、俺ら似た者同士かもな。問題児同士気ぃ合いそうだぜ」
坂本くんが名乗りなんとなく私も名乗る。そういえば、モルガナには下の名前しか告げてないのに何故、苗字を知っていたのだろう。僅かに残った謎。後で本人に問いただすか、と思案して解散。
帰ったら案の定、惣治郎さんは怒ってはいたが、言い訳で使った腹痛を意味するぽんぽんぺいんを言えなかったのは微笑ましいと思った。