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1〈イレギュラーな私〉
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しっかりと髪を乾かしてからパジャマ姿で惣治郎さんと兼用の部屋へ。
「馨」
短く名前を呼ばれて惣治郎さんの布団にお邪魔する。肌荒れが酷くて医者から処方されたクリームを惣治郎さんが塗ってくれる。少しだけ乾燥した指が私の頬や鼻筋を滑っていく。塗りこむために優しく撫でてくれる惣治郎さんはやはり優しい。
「ありがとう」
あまり騒がしくすると双葉が起きてしまうため、終わったら早々に己の布団の中に入る。
「そういや、明日。あいつとシュージン行ってくる。昼間で寝てていいぞ」
「んー、いや、せっかくだし勉強してる。まだまだ遅れあるし……」
「っていう割には、去年の定期テスト、ほぼ上位だっただろう?」
惣治郎さんに出会うまで小説書きながら勉強していた。しかし、(執筆活動が忙しかったせいで)がっつりやっていたわけではない。勉強は嫌いではない。だからこそ、佐倉家でお世話になっている間、日曜日は勉強しようと決めていた。
背を向けていた惣治郎さんが寝返りを打って、眠いからか緩やかな動きで私の頭を撫でて良い子、良い子ってしてくれる。両親からもあまりされてこなかったせいで気恥ずかしい。なんとなく会話も無くなっていたころ惣治郎さんは眠りについた。私も続くように温かな腕に抱かれて眠りにつく。ふと、懐かしい夢を見た気がする。
翌日、昼頃。
「あー……、やっちゃった、寝坊だ」
布団から手を伸ばして布団のあった場所を探るけれど畳しかなく、起き上がって自分の布団を畳んで押入れの中に入れる。さて、もう二人は帰ってきているだろうか。確認のために端末を開くと、ちょうど着信が入った。
「はい、どうしたんですか? もう帰ってきますか?」
「いいや、渋滞にはまっちまって、遅くなりそうだ」
声以外にも外の雑踏が聞こえる。気になってパソコンで渋滞状況を調べてみると、まだまだ遅くなりそう。
「なら、カレーの仕込みとかやっておく」
「そうしてくれると助かるわ。じゃ、またな」
プツリ、と電話が途切れ、端末を充電器にさす。一度だけ背伸びをして、パソコンを開くままにしておく。今日は路線を変更して執筆してみようと思う。
「あれから、全然書いていないもんな……」
リハビリを込めて――設定――プロットを書いてみようとWordを開く。レイアウトでページ設定をして縦書きにする。挿入でページ番号を設定してから何を書こうかと思案。
いままではファンタジー一択だったがホラーファンタジーなんてどうだろうかとひらめき、さっそく書いていく。
日頃、書いている趣味程度のモノではない。もう一度、大賞を狙って書店に自分の本を並べられるようなものを書く。約一年のブランクを払拭させるためには、毎日少しずつ書かなければならない。勉学とパレス、そして執筆。全てできるとは思えないが夢を掴むなら四の五の言っていられないと自分を鼓舞し、惣治郎さんたちが帰ってくるギリギリまで書き続けてしまい、次の日のカレーは何を間違えたのか激辛だったとな。