USJ襲撃事件における、女児型敵についての証言

01 切島鋭児郎の証言


 女児型の黒い敵、っすか。
 居ましたよ、あの、真っ黒でキラキラした、ガラスの女の子みたいなヤツでしょ? 俺らンとこに来てました。

 そうそう、黒霧って呼ばれてた敵に、倒壊エリアに飛ばされたとき、そいつまでくっついてきたんすよ。
 上から降ってきて……襲われると思って、弾き飛ばしたんすけど、何度蹴飛ばしても立ち上がって笑顔で走ってきてたんすよ。

 はい、笑顔で。
 俺らが飛ばされたところで待ち構えてた敵も、ニヤニヤ嫌な感じに笑ってましたけど、そういうんじゃなくって。なんっつーか、こう、嬉しい! 楽しい! みたいな。遊園地に来た子供みたいな?
 そうそう、そんな感じっす。だからなんか、変っつーか、キモいっつーか。ヤな感じはずっとしてましたね。

 何度も走ってくるので、何度も投げ飛ばしてたら、途中から動き方まで変になったんすよ。腰がグラグラしてる、っつか。上半身と下半身で意識がちがうような? いや、すんません、わかりにくいっすよね。
 アイツ、見た目の割にすっごい重かったんで、もしかしたら自分の重さで腰とかヤったんかな、と思ったんすけど、痛がってる素ぶりは全然見せてませんでした。

 ただ、アイツも俺に近寄ったら投げ飛ばされるってわかったみたいで、最後に爆豪の方に回り込んでって、おもいっきりドカンと頭から爆破されてたんですけど。

 ……多分アレ、頭の方が脆かったんすかね、パーンって割れちゃって。

 俺も爆豪も驚いて、そいつの方見たら、紙吹雪みたいにバラバラになって。そう、全部。
 頭だけじゃなくて、全身がバラバラになって、服だけ残して……ガラスのカケラみたいになって、それが全部、俺らの方に飛んできたんすよね。アレはビビった。それまでそんな攻撃、全くしてませんでしたからね。
 はい、なんで、爆豪の肩に刺さってたガラスは、あの敵の一部だと思います。

 そのまま、俺の後ろにあった窓から飛び出して、どっか行っちまったので、後のことは知らねーっすね。
 俺らはそのまま、ワープさせるヤツを止めるために入り口近くに向かいました。

 そうだ、爆豪に向かって走ってるとき、アイツなんか喋ってて……あ、そう、「カチャ、ガチャン」とか、そんな感じの言葉? 音? みたいな。ただ、何言ってたのかまではわからなかったっすね、すんません。

 俺が覚えてんのはこんぐらいです。
 捜査、頑張ってください!
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