カタカナ推奨
キスをしないと出れない部屋
your neme
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*****************
ヴィンセントはカノンと向き合うと、
そっと右手でカノンの頬に触れた。
一瞬ピクリと反応する。潤んでいる紫暗の瞳がこちらを見上げている。
いつもより、眉尻が下がっていてすごく困ったような、それでいて緊張しているような顔で頬は紅梅色に色づいている。
(………困った事だ。これでは…)
ヴィンセントはマントの襟元に左手の人差し指をかける。
彼女の潤んだ瞳が少し大きく見開かれ、体に一瞬緊張が走った。
「…カノン、そんなに構えるな。」
フッと少し笑うヴィンセント。
カノンは緊張しちゃって…と呟くと、自分の服の裾をぎゅっと握りしめている。
少し屈んでやると彼女は赤面しながら、目をギュッと閉じた。
…望んでいることをしてやりたいのは山々だが…。
今の私にはその資格はない。
(果たして正しいのは、カノンか私か…。)
ヴィンセントはカノンの頭を撫で前髪をかきあげると、少し屈んで額にキスを落とした。
*****************
額に柔らかい感触。
……
目を開けるとヴィンセントの顔が目の前にあった。こちらを見て少し微笑んでいる。
いつもと比べて少しだけ、頬に赤みが刺しているのはきっと気のせいじゃない。
彼は男性だけれども、とても綺麗な顔をしている。長い睫毛、そこから覗く赤い瞳。綺麗な黒髪、白い透き通るような肌、形のいい唇。
…かっこいい、と素直に思ってしまう。
そんな人が必要とはいえ、キスをしてくれた事実に、そして私は勘違いをしてしまった事に気づいた瞬間、顔に熱が集まる。
……口にされるのかと思ったけど、確かに“キス"ならどこでもいいわけだ。
私、盛大に勘違いしてた…。
「ヴィンセント、私…」
どうしよう、顔が熱いっ…
手で顔を覆おうとしたら、ヴィンセントがカノンの後頭部に右手を回して抱き寄せる。
ぽすっ。
ヴィンセントに抱きしめられている、と気づいたのは数秒たってからだった。
更に恥ずかしい気もするけど…今顔を見られてしまうよりはいいかもしれない。
少しの沈黙。
「……これで扉が開かなかったら、カノンが正しい。」
ヴィンセントの声が上から降ってくる。
「確かめるか?」
彼の胸の中に顔を埋めたまま、こくこくと顔を縦に振る。
ヴィンセントはそのままドアノブに左手を伸ばす。
ガチャ
扉がすんなり開いた。
少し開いた扉の隙間から光が溢れている。
「やったね、ヴィンセント!」
開いたよー!ふにゃっとした笑みを浮かべてカノンはヴィンセントのマントをギュッと掴むとそのままハグをした。
あっ。
つい出れるのが嬉しくてナナキと同じノリで抱きついてしまった…
おそるおそる上を見上げると、ヴィンセントは一瞬びっくりした表情だったがいつもの顔でこちらをみている。
「ご、ごめんヴィンセント…嬉しくてつい…」
私はヴィンセントから1歩離れた。
「…私はレッドじゃない。」
そ、そうだよね。少ししょんぼりする。
「…場所はどこでも良かったようだな。」
ヴィンセントは少しニヤリとしながらカノンの方を見た。
「…そうだねっ」
勘違いを思い出し、また顔に少し熱が戻る。
カノンは少し開いているドアを開くとヴィンセントに向き直る。
「…ヴィンセント、ありがとう。」
いつものフニャっとした笑顔とは違う、少しはにかんだ笑顔。
「あぁ…」
ヴィンセントもつられてフッと笑う。
2人で扉を潜り、光の中へ歩き出した。
ヴィンセントはカノンと向き合うと、
そっと右手でカノンの頬に触れた。
一瞬ピクリと反応する。潤んでいる紫暗の瞳がこちらを見上げている。
いつもより、眉尻が下がっていてすごく困ったような、それでいて緊張しているような顔で頬は紅梅色に色づいている。
(………困った事だ。これでは…)
ヴィンセントはマントの襟元に左手の人差し指をかける。
彼女の潤んだ瞳が少し大きく見開かれ、体に一瞬緊張が走った。
「…カノン、そんなに構えるな。」
フッと少し笑うヴィンセント。
カノンは緊張しちゃって…と呟くと、自分の服の裾をぎゅっと握りしめている。
少し屈んでやると彼女は赤面しながら、目をギュッと閉じた。
…望んでいることをしてやりたいのは山々だが…。
今の私にはその資格はない。
(果たして正しいのは、カノンか私か…。)
ヴィンセントはカノンの頭を撫で前髪をかきあげると、少し屈んで額にキスを落とした。
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額に柔らかい感触。
……
目を開けるとヴィンセントの顔が目の前にあった。こちらを見て少し微笑んでいる。
いつもと比べて少しだけ、頬に赤みが刺しているのはきっと気のせいじゃない。
彼は男性だけれども、とても綺麗な顔をしている。長い睫毛、そこから覗く赤い瞳。綺麗な黒髪、白い透き通るような肌、形のいい唇。
…かっこいい、と素直に思ってしまう。
そんな人が必要とはいえ、キスをしてくれた事実に、そして私は勘違いをしてしまった事に気づいた瞬間、顔に熱が集まる。
……口にされるのかと思ったけど、確かに“キス"ならどこでもいいわけだ。
私、盛大に勘違いしてた…。
「ヴィンセント、私…」
どうしよう、顔が熱いっ…
手で顔を覆おうとしたら、ヴィンセントがカノンの後頭部に右手を回して抱き寄せる。
ぽすっ。
ヴィンセントに抱きしめられている、と気づいたのは数秒たってからだった。
更に恥ずかしい気もするけど…今顔を見られてしまうよりはいいかもしれない。
少しの沈黙。
「……これで扉が開かなかったら、カノンが正しい。」
ヴィンセントの声が上から降ってくる。
「確かめるか?」
彼の胸の中に顔を埋めたまま、こくこくと顔を縦に振る。
ヴィンセントはそのままドアノブに左手を伸ばす。
ガチャ
扉がすんなり開いた。
少し開いた扉の隙間から光が溢れている。
「やったね、ヴィンセント!」
開いたよー!ふにゃっとした笑みを浮かべてカノンはヴィンセントのマントをギュッと掴むとそのままハグをした。
あっ。
つい出れるのが嬉しくてナナキと同じノリで抱きついてしまった…
おそるおそる上を見上げると、ヴィンセントは一瞬びっくりした表情だったがいつもの顔でこちらをみている。
「ご、ごめんヴィンセント…嬉しくてつい…」
私はヴィンセントから1歩離れた。
「…私はレッドじゃない。」
そ、そうだよね。少ししょんぼりする。
「…場所はどこでも良かったようだな。」
ヴィンセントは少しニヤリとしながらカノンの方を見た。
「…そうだねっ」
勘違いを思い出し、また顔に少し熱が戻る。
カノンは少し開いているドアを開くとヴィンセントに向き直る。
「…ヴィンセント、ありがとう。」
いつものフニャっとした笑顔とは違う、少しはにかんだ笑顔。
「あぁ…」
ヴィンセントもつられてフッと笑う。
2人で扉を潜り、光の中へ歩き出した。