カタカナ推奨
4. 慌てて離した手
your neme
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ディオを探すのに皆が散り散りになっていくのを見届けた後、私はゆっくり周りを見渡した。どこもかしこも煌びやかな光と音に溢れている。
とりあえず静かな所から探そうとエントランスを歩いていた。
数メートル先にカノンが目に入った。誰か知らない男と話をしている。
彼女はよく知らない人に声をかけられる事が多いと以前に話していたことがあった。
本人は理由が分からない、と言っていたが。容姿もそうだがそれ以上になにか人を惹きつける魅力があるのだろう。それは理解ができた。
「…痛い、のでやめてもらっていいですか?」
少々怒気を含んだ声だ。
少し近づくと、両方の腕の肩から下、二の腕辺りを男ががっしりと掴んでいる。
彼女も周りに一般人が居て反撃できないのだろう、少し抵抗を試みているがしっかりと掴まれたままだ。
仲間に危害を加えられている。
そう思うと胸の奥がモヤモヤとする。
男の握る力が一層強くなったのか、カノンの顔が痛みに歪む。
見ていられなかった。
足を素早く動かして一気に距離を詰める。
「…その手、離してもらおう。」
男の手を掴みながら声をかける。
彼女の方を見ると、不安気な顔をしている。
男はああん?なんだこのヤロー、だの言っていたが私の耳には入らなかった。
掴んでいた手首を少し捻ってやると、奇声を上げて男は手を離す。
「いっててえええ!」
後ろに下がって叫んでいる男に背を向け、間に入り、カノンに声をかける。
「カノン、大丈夫か?」
掴まれていた二の腕を彼女が確認すると、表情が曇った。
先日、傷を負わせてしまったところに手の跡がくっきり残って赤くなっている。反対側の腕も。早速治ってきたと笑顔をこぼしていたのに。
まただ。守れなかった。
……こんな奴に。
腹の中で自分への怒りと、この男に対しての怒りの感情がグツグツと湧き上がっているのがわかった。
ーーーカノンを、傷つけるな。ーーー
そう思った瞬間、男の額に銃口がピッタリとくっつく。
カチャ。
トリガーに指をかける。
「…即刻立ち去れ。」
そして二度と近づくな、と心の中で吐き捨てる。
男はヒッと短い悲鳴をあげて両手を顔の横に挙げてす、すみませんでしたあああと叫んでどこかへ走り去っていった。
数秒、相手が居なくなっても銃を構えた体制はそのままだった。
私は息をゆっくり吐き、構えていた銃と腕を下ろそうとした時
「い、いこうヴィンセント!」
声がかかると同時に左手をぐいと引っ張られる感触。
そのままカノンに連れられて走り出した。
ディオを探すのに皆が散り散りになっていくのを見届けた後、私はゆっくり周りを見渡した。どこもかしこも煌びやかな光と音に溢れている。
とりあえず静かな所から探そうとエントランスを歩いていた。
数メートル先にカノンが目に入った。誰か知らない男と話をしている。
彼女はよく知らない人に声をかけられる事が多いと以前に話していたことがあった。
本人は理由が分からない、と言っていたが。容姿もそうだがそれ以上になにか人を惹きつける魅力があるのだろう。それは理解ができた。
「…痛い、のでやめてもらっていいですか?」
少々怒気を含んだ声だ。
少し近づくと、両方の腕の肩から下、二の腕辺りを男ががっしりと掴んでいる。
彼女も周りに一般人が居て反撃できないのだろう、少し抵抗を試みているがしっかりと掴まれたままだ。
仲間に危害を加えられている。
そう思うと胸の奥がモヤモヤとする。
男の握る力が一層強くなったのか、カノンの顔が痛みに歪む。
見ていられなかった。
足を素早く動かして一気に距離を詰める。
「…その手、離してもらおう。」
男の手を掴みながら声をかける。
彼女の方を見ると、不安気な顔をしている。
男はああん?なんだこのヤロー、だの言っていたが私の耳には入らなかった。
掴んでいた手首を少し捻ってやると、奇声を上げて男は手を離す。
「いっててえええ!」
後ろに下がって叫んでいる男に背を向け、間に入り、カノンに声をかける。
「カノン、大丈夫か?」
掴まれていた二の腕を彼女が確認すると、表情が曇った。
先日、傷を負わせてしまったところに手の跡がくっきり残って赤くなっている。反対側の腕も。早速治ってきたと笑顔をこぼしていたのに。
まただ。守れなかった。
……こんな奴に。
腹の中で自分への怒りと、この男に対しての怒りの感情がグツグツと湧き上がっているのがわかった。
ーーーカノンを、傷つけるな。ーーー
そう思った瞬間、男の額に銃口がピッタリとくっつく。
カチャ。
トリガーに指をかける。
「…即刻立ち去れ。」
そして二度と近づくな、と心の中で吐き捨てる。
男はヒッと短い悲鳴をあげて両手を顔の横に挙げてす、すみませんでしたあああと叫んでどこかへ走り去っていった。
数秒、相手が居なくなっても銃を構えた体制はそのままだった。
私は息をゆっくり吐き、構えていた銃と腕を下ろそうとした時
「い、いこうヴィンセント!」
声がかかると同時に左手をぐいと引っ張られる感触。
そのままカノンに連れられて走り出した。