カタカナ推奨
3.平行線をたどる日々
your neme
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順調に登っていたのも束の間、小石がパラパラと頭上に落ちてきた。
ふと上を見ると、彼女の足が宙に揺れている。
このままでは。
と思ったら体が勝手に動いていた。
少ない足場を使って跳躍し、彼女を抱える。
暴れるかと思っていたが、サッと首に手を回して大人しく腕の中に収まっている。力が入っているのがマント越しに伝わる。怖い思いをしたのだ、無理もない。
彼女の方を見ると黒紫の瞳が不安げにこちらを見つめていた。
「…間に合ったな。」
思っていた事が、言葉になって口から自然に零れていた。
彼女と接すると普段は口に出さないような事もスルスルと言葉に出てしまう。
人間的な行動につい微笑が漏れる。
仲間が見守る中、音もなく地面に着地する。
「…怪我はないか?」
跳躍した際に乱れたのか、彼女の顔に髪が少し掛かっていた。
さらりと払い耳にかけてやる。
…少し顔が赤いように見えるが、どこか擦りむいたのだろうか。
「う、うん。ヴィンセント、ありがとう。」
上目遣いでまっすぐ私を見つめてくる。
彼女を見るとなぜか、ざわめく心に私は蓋をした。
彼女が腕の中でモゾモゾと動いている。
……
完全に彼女を下ろすタイミングを逃した。
周りを見ると、レッド13はすごいやヴィンセント!とジャンプし、首につかまっていたケットシーが宙に跳ね上げられている。ユフィはなぜかヒューヒュー!やるねぇーと囃し立てていて、向かい側に座っているバレットにウルセェよと言われている。
「…降りても大丈夫?」
腕の中から、声がかかる。
ああ、とヴィンセントはしゃがんで足を地面につけてカノンを降ろした。
さっきまで持っていた重みが無くなり、少し手持ち無沙汰を感じたのかヴィンセントは腕を組んだ。
ティファがこちらに歩いてきた。
安否の確認をしている。
しかし、この感じは…
私は今超えてきた崖の方をぼうっと見る。
「ありがとう、ヴィンセント。」
緊張が解けてきたのだろう。いつもの柔らかい言い方でお礼を言われた。
何故かカノンの顔は見れなかった。
カノンに礼には及ばない、と言うと彼女はティファと一緒に仲間の元に掛けて行ったようだ。
少ししてから私も仲間が集まっている方に向かった。
END
順調に登っていたのも束の間、小石がパラパラと頭上に落ちてきた。
ふと上を見ると、彼女の足が宙に揺れている。
このままでは。
と思ったら体が勝手に動いていた。
少ない足場を使って跳躍し、彼女を抱える。
暴れるかと思っていたが、サッと首に手を回して大人しく腕の中に収まっている。力が入っているのがマント越しに伝わる。怖い思いをしたのだ、無理もない。
彼女の方を見ると黒紫の瞳が不安げにこちらを見つめていた。
「…間に合ったな。」
思っていた事が、言葉になって口から自然に零れていた。
彼女と接すると普段は口に出さないような事もスルスルと言葉に出てしまう。
人間的な行動につい微笑が漏れる。
仲間が見守る中、音もなく地面に着地する。
「…怪我はないか?」
跳躍した際に乱れたのか、彼女の顔に髪が少し掛かっていた。
さらりと払い耳にかけてやる。
…少し顔が赤いように見えるが、どこか擦りむいたのだろうか。
「う、うん。ヴィンセント、ありがとう。」
上目遣いでまっすぐ私を見つめてくる。
彼女を見るとなぜか、ざわめく心に私は蓋をした。
彼女が腕の中でモゾモゾと動いている。
……
完全に彼女を下ろすタイミングを逃した。
周りを見ると、レッド13はすごいやヴィンセント!とジャンプし、首につかまっていたケットシーが宙に跳ね上げられている。ユフィはなぜかヒューヒュー!やるねぇーと囃し立てていて、向かい側に座っているバレットにウルセェよと言われている。
「…降りても大丈夫?」
腕の中から、声がかかる。
ああ、とヴィンセントはしゃがんで足を地面につけてカノンを降ろした。
さっきまで持っていた重みが無くなり、少し手持ち無沙汰を感じたのかヴィンセントは腕を組んだ。
ティファがこちらに歩いてきた。
安否の確認をしている。
しかし、この感じは…
私は今超えてきた崖の方をぼうっと見る。
「ありがとう、ヴィンセント。」
緊張が解けてきたのだろう。いつもの柔らかい言い方でお礼を言われた。
何故かカノンの顔は見れなかった。
カノンに礼には及ばない、と言うと彼女はティファと一緒に仲間の元に掛けて行ったようだ。
少ししてから私も仲間が集まっている方に向かった。
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