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「やぁ、久しぶり八雲」
と飄々と姿を現す人物に顔を顰める
久方ぶりに見る先輩は相も変わらずで昔のことを思い出すから嫌いだ
いや、昔よりは丸くなったとこもあるがやっぱり嫌いだ
「…お久しぶりです。五条先輩
そして、さようなら」
「ちょっと待ってよ
せっかく挨拶しに来たのに〜」
「乙骨憂太1級推薦の件ですよね。その挨拶なら、結構です。
五条先輩の親戚とお聞きした段階で断固拒否です
大嫌いな人と少しでも繋がりがある人の面倒なんて見ませんし、もしも危険な目にあっても助けませんよ」
「そんなこと言うなよ〜
悲しくなるよ〜憂太が」
その言葉に先程から見ないようにしていた五条先輩の方を見ると、困った顔でこちらを伺う少年がいた
ぬるっとした呪力を感じてはいたしその気味悪さに見ないようにしていたが、成程、これは厄介そうだと思い
「無理です。さようなら」
「あ、あの!ご迷惑にならないようにします…
なので、どうかお願いします!!」
そう頭を下げる彼は本当に先輩と親戚なんだろうかと疑ってしまう
深々と頭を下げる姿はまるで…と昔のことを思い出し奥歯を強く噛む
私は五条先輩を睨みつけるといつものへらへらとした顔でこちらを見ていた
「なんで私なんだ…
…わかりました。引き受けます
上からのお達しを断るのも面倒になってきましたし」
「ありがと〜さっすが可愛い僕の後輩」
「思ってもないことを…」
用事が終わったなら、先輩は今すぐ帰って下さい。さようなら。と顔を見ないまま言うと
つれないな〜ま、いっか。頑張ってね憂太と声と共に気配が遠のくのを感じた
私は深いため息をついた後、取り残され困ったようにこちらを見つめる少年に視線を移す
「…初めまして、1級呪術師の八雲です。」
「あ、乙骨憂太です…よろしくお願いします!!」
「君、本当に五条先輩の親戚ですか?
こんな礼儀正しい子がいるなら爪の垢を煎じて飲ませるべきですね。五条先輩に」
「…五条先生のこと好きなんですね」
彼の言葉に先程以上に顔を顰める
そして、さすがに子供相手に怒るのは大人として如何なものかと考えたあと
できるだけ、笑顔(と言っても引きつっているのだろうが)を向け「どこがですか?」と問う
「え、いや、嫌いとは言ってましたけど
五条先生がいなくなる時少し寂しそうに見えたので本当は好きなのな…って」
「寂しい?私が?見間違えですよ
私に好きな人物は存在しません
強いて言うなら私は私しか好きじゃないし信用していない
寂しいなんて思うわけが無いのです」
ふと頭に浮かぶのは笑顔のあの人達…
私は、その人達のことが大嫌いだ。何もかも嫌い。…裏切り者はもっと大嫌いだ
「でも「でもも何も無いのです。いいですか?乙骨憂太
君の話や噂は聞いています。愛する人との呪いとても素敵ですね
でもね。愛ほど歪んだ呪いはないし、そんな面倒なものを持つのも持たれるのも私は嫌いです
…愛を選んだ貴方には私のことはわかりません。次、わかったような口をきいたら容赦しませんので」
「…ごめんなさい」
しょんぼりと聞こえてきそうな子犬のような顔で謝ってくる彼にわかればいいのですとだけ言いスケジュールを確認する
今日はお気に入りのカフェで新作のケーキが出る初日なのを思い出し
「明日の朝8時に学校の正門まで迎えに行きます。解散」とだけ伝え足早にカフェに向かう
まだ何か言いたげな自信が無さそうな彼が昔の自分と似ていて見てて少し苛立った
………To Be Continued