フリージア
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
((??side))
すずめに反転術式をかけようとした少年の手を優しく止めると目を見開かれる
ゆっくりと起き上がり腹部に手を当て自分で反転術式をおこない傷を治す
「すずめちゃん!?大丈夫なの??それにその髪…」
「悪いな少年。俺はすずめじゃない
先代の御神体…紫季だ」
彼女のトラウマが術式にも現れるのかこの力を使うと髪が白くなるのが少し残念だ。すずめの綺麗な黒髪が俺は好きだから
建物の縁に立ちこれ程の重傷を負わせた人物を見下ろす
この方法しかないとはいえ大事な子に怪我をさせられることには旧友だとしても怒りを覚える
「(紫季…さん。すずめちゃんが言っていた)
ぼ、僕は乙骨憂太です
あの…すずめちゃんは」
「ああ、大丈夫だ。今は眠っているがその内起きる
それと…悪いが俺は反転術式をすずめにしかかけられねぇし
縛りの関係で呪霊は祓えるが生きている人間を傷つけることはできねぇんだわ
だから、俺は傑と話をしに行くけど戦えない。わりぃな」
何か言われる前に屋根の上を飛び跳ね傑の前へと降り立つ
数年前よりも歳をとった旧友に死相が出ているのがわかった。俺の術式は結界と微弱の未来視だ
見た相手の死ぬ当日がわかるっていう雑なものだけど、それを伝えると因果関係が可笑しくなってしまう場合があるからとそのことを伝えたことがあるのは師匠にだけだ
「久しぶりだね、紫季」
「おう、久しぶり
で?わざわざ俺の可愛いすずめに怪我させてまでなんの話だ?」
「君の力を借りたくてね
紫季はその子と違って非呪術師のことは嫌いだろう?
村人達を本当は殺したい程に憎んでいた。だが、御神体として村を守っているお師匠さんの苦労を無下にしたくなくて仕方なく従っていた
それだけで、非呪術師に対しての憎悪は強いはずだ」
的確にこちらの考えを当ててくる程には仲が良かったからな…
すずめが寝ている状態で良かった。彼女は悪くも良くも純粋で優しい子だ
村人達にどんな目に遭わせられようとすずめにとっては守りたい大切な人々なのだろう
俺からしたら御神体と祭り上げながら本当は生贄としか見ていない力の無いアイツらが大嫌いだ。本当なら俺が皆殺しにしても良かった
でも、それを師匠も彼女も望んでいない…唯一俺が守りたくて大切だと感じた存在はこの2人だけだ
だから今は彼女が望むようにするだけだ
「そうだな。俺としては傑と手を組んでも良かったんだけどな…
悪ぃけど、この子は非呪術師や高専の大切な友人達を守って欲しいらしい
あくまで体の所有者の思考優先だ」
「…そうか」
「傑…この子はお前のことも守りたがってるよ。まだ迷ってるし、お前が助かる方法もないかと思ってる
けどな、俺はこの子程優しくないからどちらか選ぶよ
俺はあそこで手当されてるすずめの友人達を守ることに専念する
乙骨と傑どっちが死ぬとしても手助けはしない」
「最後にもう1ついいかな?」
少し寂しそうな顔をするもんだから。なんだ?と返した
まぁ、旧友の質問に答えられる範囲なら答えてやろうと視線を合わせる
「君のそれはイタコの力ではないのだろう?」
「…ご名答。この子はイタコの力で俺が呼び出せると思っているが違う
本当はこの子を守る為に魂だけをすずめの生得領域の中に閉じ込めさせて、死にかけるか死亡した際に魂を無理矢理にでも領域内に留める為に俺とすずめの魂の居場所を交換する
そして、無事を確保出来たあとに俺の意思でまた魂の居場所を交換することが出来る…俺の呪力は特殊なのは知ってるだろ?反転術式にもその影響が出て自分の体…今はすずめの体だけどな
…どんな怪我でも完全に治すことが出来る
まぁ、半不死状態にする為に複数の縛りをしたが運良く成功したわけだ」
まぁ、それも何度もできる芸当ではないし彼女が本当の自分を思い出せば俺は強制的に成仏してしまうわけだが
受け継がれたイタコ…いや、御神体としての術式はイタコとは違う。そもそも説明がめんどうでこの術式はイタコと話したが本当は違ったものだ
神を体に宿す術式が御神体の力だ。しかも、邪神しか宿せない。禁忌の術式
「…すずめのことばかりだね」
「いやいや、傑もそういうとこあるよ
お前も大切な人のために今も必死に頑張ってんだろ?
それが間違った道かは人それぞれ考えが違うが
俺はお前のことも肯定するよ
むしろ…俺がやりたいことの考えは傑の方が近い」
「紫季…」
「さて、長話が過ぎたな…
向こうも落ち着いたみたいだ
じゃあな、傑」
また来世で。という言葉は飲み込み傑を見下ろしている乙骨と呪霊を見る
すずめの魂が強く反応しているのを見ると乙骨と呪霊は特に大切な存在なのだろう
死相は見えていないし守る必要は無いと判断をし屋根の上を飛び先程の建物へと登る
「乙骨。クラスメイトは俺の結界で守っておくから気にせず戦って来な」
「ありがとうございます…」
「おう」
降り立った少年を横目に印を結ぶ
「結界術 無貌の神の帳」
建物を覆うように結界を張る。特級の呪力でさえも通さない結界術
無貌の神はとある邪神でありその力は余りにも巨大な為に扱い方を間違えればこの世など簡単に消せるだろうと師匠は言っていた
俺が契約している邪神で死後の魂は本来ならコイツに弄ばれる予定だった…でも、未だにこの術が使えるのはまだこれがこの邪神にとって面白い退屈しないと判断してくれたのか
それとも、すずめがあの方の子供だからか…
「早く成長してくれよ」
それはすずめだけではなく彼女の友人達に向けてでもある言葉だった
…To Be Continued