フリージア
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暫く抱き合って涙が落ち着いた頃にゆっくりと名残惜しいけど離れる。お互いの顔を見て笑い合いながらハンカチで憂太くんの涙を拭ってあげる
泣き虫なのはお互いに昔から変わらないようだとまた笑いあっていると
ここにある筈のない呪力の気配を感じて外を見ると帳が下りていた
「高専に帳が下りてる!!
誰が…どうして!?」
「この呪力…」
間違えない傑くんの呪力だ…狙いは里香ちゃんだろう
高専には今ほとんど人がいない。けど、真希ちゃんが寮に向かっているはずだもしも鉢合わせたら傑くんは真希ちゃんのことを殺すかもしれない
それは、絶対に嫌だ
「え、すずめちゃん!?」
「様子を見てくるよ」
「それなら、僕も」
「憂太くんはここにいて!!
大丈夫、危ないと思ったらすぐに逃げてくるから
その時は私のこと守ってね。なんて」
と言いながら教室の扉を閉める
今の憂太くんじゃ傑くんには絶対に勝てない
私でも勝てないかもしれないけど…お兄ちゃんが出せればもしかしたら…
「絶対に守るよ。大好き」
-----...
寮までの道を走っていると爆音が響くこの呪力は棘くんとパンダくんが応戦してるのだろう
でも、きっと2人でも倒せないであろう相手だ
実は憂太くんや悟くんに話していない話がある。傑くんは無くなる前の村に来たことがあるのだ
村の近くで任務があり怪我をした傑くんをお兄ちゃんが保護をした。村のことは高専に黙っていて欲しいと頼み、たまにお兄ちゃんに会いに来ていた人だった
その後は悟くんに連れられ高専で再開した時は初対面のように挨拶されたけど、村のことを知らないふりをする為なんだろうとすぐにわかった。その後すぐに呪詛師になってしまったけど
私は少ししか傑くんと過ごせなかった。でも、彼がとても優しい強い人なのは知っている
その優しさは歪んでしまったけど、それは傑くんのせいじゃないこともわかってる
みんなの呪力を探りたどり着くとそこには倒れたクラスメイトの姿が広がっていた。それが村のみんなの姿と重なり呼吸が浅くなる
「やぁ、君もいたのかちょうど良かった」
「…なにが?」
「すずめ、君のことは今も大事に思ってるよ
だから傷つけるようなことはしたくないんだ
でも、紫季を呼ぶにはこの方法しかないから…ごめんね」
謝った瞬間にはもう目の前に傑くんがいて呪霊を私に放った。すぐさま脇差で切りつけ、クナイに呪力を纏わせて放ちつつ距離をあける
すぐさま襲ってくる呪霊にクナイを投げつけ動きが鈍くなった瞬間に跳躍し脇差で頭から切り裂くと次の呪霊を放たれる
怪我した3人から離しつつ戦わないといけないと考えた途端に背後に大きな呪力を感じそっちを見ると目を見開く憂太くんがいた
「真希さん?パンダくん…」
「ゆぅた…」
「狗巻くん!!」
「逃…げろ…」
いけない。憂太くんと里香ちゃんが暴走しないようにしないと意識を完全に逸らしてしまったのが悪かった
急に腹部への違和感を感じた。ゆっくりと下を見るとそこには腹部に突き刺さるように真希ちゃんの呪具が刺さっていた
きっと、落ちていた呪具を傑くんが拾っていたのだろう
「すずめちゃ…」
「ゆ、うた、くん…だいじょ、ぶ、だから…私が、まも…」
憂太くんを落ち着かせようと笑顔を向けたとたんに思いっきり呪具が引き抜かれ辺りに血が広がり体が倒れる
呪力を込めた一撃だったのだろう見た目より大分重い攻撃だ。段々と体の力が抜けていくのを感じる
いけない、動かなきゃ、守らなきゃいけないのに体が動かない。広がっていく大量の自分の血に嫌な記憶がフラッシュバックする
保たないといけないのに意識が途絶える瞬間に感じたのはとてつもなく大きな呪力だった
…To Be Continued