フリージア
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強い呪霊といえど眠っているなら人と引き離すぐらい容易だろうと過信があった。牢は錆び付いており簡単に開いたから、中にいたその人を肩を貸すように抱き上げた
体が小さい子供が連れ出すのにも限度があるはずなのに、その人はとても軽かったから難無く牢から出た瞬間にその女の人に押し倒され顔を掴まれた
「あ、ああ、ああああああありがとうありがとうねぇ優しいねぇねぇあなたやさシイねぇ体、健康なからだちょうだいちょうだいちょうだいたすけてネえいいでショちょうだいちょうだいちょうダイチョウダイちょうだイいいいイイいいいいい」
その時に気づいた。あ、この人はもうとうの昔に呪霊に呪い殺されていたんだと私は間違えてしまったと
その瞬間、死を覚悟した。自業自得で仕方の無いことだと受け入れようとしたけど
「悪い子だな!!」
「っ、おにぃ、ちゃん!!」
気づいた時にはお兄ちゃんに抱き抱えられていた
先程までそこにいた女性は力なくそこに倒れていて倒したのかと安心したのも束の間。もっと大きな強い呪力を感じる
冷や汗が流れる。ゆっくりと気配がする方を見るとそこには目を覚ました呪霊がこちらを笑いながら見ていた
私が身構えるよりも先に呪霊は洞窟の天井に穴を開け外に出てしまった
「ちっ、村の方を狙ってんのか…
すずめはどこかに身を隠してろ」
呼び止める前に彼は呪霊を追っていってしまった
恐怖で震える体を無理に動かして私も村へと走る。この事態を起こしたのは自分だから私が責任を負うべきだと幼いながらもそう思った
-----...
村は酷い有様だった。どこも崩壊しており逃げ遅れた…いや、逃げることができた人はいなかったのかもしれない
至る所にある見覚えがある人々の亡骸があり、空からは氷の結晶がしんしんと降っていた。少しずつ積もる雪に足がとられながらもそれでも動かす足は止めなかった
走って、走って、息が上がりながらもお兄ちゃんの呪力を頼りに走る。ついた時には雪の中に倒れ伏すお兄ちゃんの姿とそれを愉快そうに見下ろす呪霊
「っお兄ちゃん!!」
必死に駆け寄って彼を抱きしめる。浅くはあるがまだ息はある
普段から着ている綺麗な着物は破れそこから大量の血が雪を染めていく
それを未だに楽しげに見ている呪霊はそこから動こうとはしない、自分より弱いものが必死になっているのがさも面白いといったように見つめられ恐怖よりも怒りが上回った
--許さない…許さない許さない許さない許さない許さない!!!!!!絶対に許さない!!私の命をかけてでも
「殺す!!」
体から抑えきれない大量の呪力が溢れる感覚がした
でも、今はとにかく目の前のコイツを殺すことしか頭に無くてゆっくりと立ち上がろうとすると腕を掴まれた
「いけない…ダメだ…それは」
「おにぃ、ちゃん?」
「…すずめ
俺が、守るよ。だから…」
その後の言葉はもう思い出せないけどお兄ちゃんが言った言葉に頷いた
その時にイタコとしての術式を受け継ぎ、気づいた時には呪霊は消えていて雪が降り積もる中、お兄ちゃんの亡骸を抱きしめていたら
「これやったのお前?」
とサングラスをした見知らぬ男性…悟くんに声をかけられた
その時の私は何日そうしていたかもわからなくて、その問いにすら答えられずただお兄ちゃんの亡骸を虚ろな目で見つめていたらしい
髪は白く生気を感じさせない肌から生きているのかさえ少からず疑っていたらしい
その時の私は呪力がほぼ残っておらず呪霊を見ることすら出来なかったから、一般の少女が巻き込まれたとして扱われ私は病院へと連れていかれた
悟くんは最後まで納得していなかったらしいけど…
…To Be Continued