フリージア
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放課後。みんなと寮に向かう為に外を歩いている時に懐かしい呪力を感じた。でも、きっと、勘違いだ。だって、居るはずがないんだから
私が立ち止まる横で憂太くんも立ち止まり振り返る
「どーした。憂太、すずめ」
「えーっと
なんかちょっと嫌な感じが」
「気のせいだ」
「気のせいだな」
「おかか」
歩き出すパンダくん達を少し早足で追いかける憂太くんに手を引かれ意識が彼らに戻った
少し息を整えるように深呼吸をする
それでも、気配は近寄ってきてる気がして憂太くんの呪力感知はザルだと話しているみんなに声をかけようとした時だった
「珍しいな」
「憂太の勘が当たった」
空から降りてきたのは見たことがない大きな鳥と、懐かしい気配の正体である傑くんの姿があった
息を飲み憂太くんに握られた手をつい強く握ってしまった。それを不思議そうに憂太くんは私を見たけど鳥の方に視線を戻した
「関係者…じゃねぇよな」
「見ない呪いだしな」
「すじこ」
「わー、でっかい鳥」
真希ちゃん達が戦闘態勢をとる中私は動けずに震えてしまった
それは、少しの恐怖と悲しさと嬉しさが混ざったようなよくわからない感情からくるもので
鳥の口から見知らぬ人物が3人降りてきて、パンダくんのことを写真に撮ったりする子もいた。アイツら何?とおかっぱの歳の近そうな子が言うと、オマエらこそ何者だとパンダくんが手をシッシッと払いながら言う
「侵入者は憂太さんが許さんぞ」
「こんぶ!!」
「えっ!?」
「憂太さんに殴られる前にさっさと帰んな!!」
「えぇ!?」
と敵の前でもいつもと変わらないみんなの様子に少し安心して瞬きした時にはすぐ近くに傑くんがいて
憂太くんの私と繋いでない方の手を握って挨拶をしていた。そして、理解し難い思想を語り出す。これは昔、ココからいなくなる前にも聞いた言葉で彼はやはり変わってしまったと再確認してしまった
憂太くんの肩に腕を回して「非術師を皆殺しにして呪術師だけの世界を作るんだ」という傑くんの言葉を皮切りに憂太くんと繋いでいた手を離してクナイを傑くんの喉に向ける
「憂太くんから離れて、傑くん」
「夏油様!!」
「私は大丈夫だよ。大きくなったねすずめ
イタコの力は扱えるようになったかい?雪の日でもちゃんと休めてるかい?」
雪という単語に昔のことを思い出す
真っ白い雪、流れる大量の血、息が浅いお兄ちゃん
抑えていた呪力が溢れそうになるのを堪える
「その話は今は関係ない…」
「私はずっと心配していたんだ
君は周りを頼ってるつもりだろうけど、1番のトラウマは僕や悟にしか話せていないんだろう?」
「もう1回言うね
憂太くんから離れろ」
「呪力の込め方が昔より格段に上手になったね
でも、震えてるよ…君はとても優しい良い子だ…本当は敵対したくないんだろう」
ごめんね。と頭を撫でられ我慢していた涙が零れた
昔と変わらない優しい手つきにクナイを握る力が抜けカランと落ちる音がした
傑くんは呪詛師だ
そうなった経緯は彼が私を仲間にと勧誘してきた時に聞いた。非術師からの迫害から守る為にという話には少なからず共感はあれど
だからって非術師を皆殺しには賛成はできない、それに憂太くんと里香ちゃんを利用しようとしているなら私が守らないと
その為には彼を倒さないといけない…でも、それは、傑くんを傷つける行為で…大切な人に傷を本当につけれるの??私が??
「僕の生徒にイカれた思想を吹き込まないでもらおうか」
悟くんの声に張り詰めていた気持ちが解れた
昔と変わらない様子で悟くんに声をかけるのが懐かしい記憶が頭を過ぎったけど、気を緩めないように息を吸った
「今年の一年は粒揃いと聞いたが
成程、君の受け持ちか
特級被呪者、突然変異呪骸、呪言師の末裔、御神体
そして、禪院家の落ちこぼれ」
「テメェ」
「発言には気をつけろ
君のような猿は私の世界にはいらないんだから」
その言葉に私が怒るよりも先に、憂太くんが傑くんの手を払い除け私の腕を引き抱きしめられる
普段、あまり怒らない彼が睨みつけるように傑くんを見て
「ごめんなさい。夏油さんが言ってることはまだよく分かりません
でも、友達を侮辱する人の手伝いは僕にはできない!!」
とはっきりと言い切った
いつの間にか近くに来ていた悟くんが傑くんと憂太くんの間に入り守るように立つ
その後、傑くんの百鬼夜行…戦争を起こすという話に体が震えた。それって人がたくさん死ぬ可能性が高いってことだよね
昔の記憶が嫌でも蘇って憂太くんの服を強く握った
宣戦布告をして、立ち去ろうとする彼を悟くんが止めようとして気づいたら私達の周りに大量の呪霊が現れておりそれを祓う為に追いかけることは諦め、呪霊が祓い終わる頃にはもう傑くんの姿は無かった
...To Be Continued