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学校に向かっていると悟先生に呼び止められた
横には困惑した表情の憂太くんもいて私も似たような顔をしながら近づくと「任務だよ」と言われる
「すずめは呪力感知が人並み以上だから大丈夫だろうけど、この間の棘と憂太の任務でのこともあるから十分注意して
憂太は補佐ね。任務、任せたよ」
「「はい」」
声が揃ったことに少なからず嬉しく感じながら、憂太くんと任務先に向かう
-----...
補助監督さんの運転でついた先は廃墟となった遊園地だった
錆びた乗り物たちは昔は沢山の人が遊んだのであろう、きっと、素敵な思い出もあったはずなのに寂しそうに見える
補助監督さんの説明では、ここは新しい施設開発をしたいが工事をすると事故が起こるらしい。いわくが付くとやっかいなのでその前に調査して、存在する呪霊を祓って欲しいそうだ
帳が下りるのを見た後に先程からの複数の呪霊の気配の方を見るけど出てこない
真希ちゃんに聞いてはいたけど、里香ちゃんの存在は確かに少なからず恐怖心が生まれる。私も会うまではそうだったし
ただ、2人の呪いは愛ゆえの呪いでたとえどちらが呪っていたとしてもそこは揺らぐことは無いのだろう
暖かい呪いだと感じた。そこに憎悪はないのだから
「呪霊出てこないね」
「そうだね。少し見て回ろっか
3人で遊園地なんて行ったことなかったから実は少し嬉しかったり」
「乗り物動いてないけどね」
「それでも嬉しいよ」
お互いに苦笑いをしながら話して昔のことを思い出す
入院してる間は外出が許されたことはなかった。数年経ったある日急に悟くんが約束通り迎えに来たと言っていた
多分、お兄ちゃんが悟くんに何かを伝えていたのだろう…病院にいた頃は何故か呪霊を見ることは無かったのもきっとお兄ちゃんの仕業で今も守ってくれてる
「すずめちゃん?急に立ち止まってどうかしたの?」
「憂太くん、里香ちゃんの呪いを解いても私と友達でいてくれる?」
「もちろんだよ!むしろ、僕は…その…
あのさ、ずっと話したかったことがあ」
何か言いかけた彼の言葉を遮るように背後に現れた呪霊にクナイを投げる。あたりはしたけど少し怯むぐらいだから思ったより級の高い呪霊なのだろう
クナイには瞬時に私が呪力を灯している即席武器だから威力は特別強くはない、ただ脇差しはちゃんとした呪具だから基本的に主な攻撃手段はこっちだ
「憂太くん実践だよ
呪力込めるの遅れたら私が先に祓っちゃうからね!」
クナイを数本空中に投げて狙いを定めながら呪霊に投げつける。それを避けることに意識を逸らした好きに脇差しで切り付ける
上からはクナイ、下からは脇差しというように相手を追い詰める。憂太くんも少し遅れて参戦してきたから、連携できるように彼の動きに合わせてクナイの操作をする
最終的には憂太くんがトドメをさして呪霊は消えていった
「憂太くん、お疲れ様」
「う、うん!おつかれ、すずめちゃん」
近寄って頬についていた呪霊の返り血をハンカチで拭ってあげる
瞳に怯えもあるけど、達成感のような色が見えた。少しずつ彼も呪術師として染まってきていることに、彼も本当に呪術師になれればいいのにと思ってしまう
「いつも顔に布みたいなのしてるのによくわかるよね」
「ああ、これはイタコとして
体を貸す時にはその人になるから私の顔はいらないんだって
特殊な呪力を込めた布だから普段から透視みたいな感じで普通にまわりは見えてるよ」
「そう、なんだ…これ外してもいい?」
「だめ」
自分でも驚くくらい冷たい声が出たことにすぐ謝る
でも、これだけは外せないからと憂太くんから1歩離れる
「これ、おまじないをしてもらってる特殊な布でできてて
私って本当は人より呪力が多いんだけどそれに耐えきれる体じゃなくて、だからずっと入院してたのもそれも理由なんだけど
これは、それを抑える物でもあるから外せないの」
「そうだったんだ」
「あ、でも少しめくるくらいとかなら大丈夫なんだよ。ほら」
と端を少しめくって片目だけ出す
そうすると憂太くんは私の顔を凝視すると、覗き込むようにして指でゆっくりと私の目元を撫でる
なんだか、キスができそうなぐらいの距離に少しだけ恥ずかしくて声が裏返る
「ゆ、うたくん?」
「…髪色は変わったけど瞳は変わってないんだね
あの頃から変わらずとても綺麗だ」
「…瞳だけ?」
恥ずかしげもなく髪を優しくさらっと触られて鼓動が早くなり
昔より大人びた優しい表情で私の顔を見る彼につい言葉を零してしまう
すぐに自分が言ってしまった言葉に後悔をして話を変えようと口を開いた
「い、今のは違くて」
「昔のキレイな白い髪も綺麗だったけど、今の黒檀の髪もとても綺麗だ
すずめちゃんの全部…どこもかしこも昔から綺麗だよ」
そんな口説き文句どこで覚えてきたのだろう
いや、好きな人から言われる言葉だからそう聞こえるだけなのかもしれない
里香ちゃんごめんね。少しだけ、少しだけこのままの気持ちに浸らせて…憂太くんは里香ちゃんのだってちゃんとわかってるから邪魔はもうしないから
勝手に2人のことを好きなのは許してね
「ありがとう、憂太くん
この髪、里香ちゃんも褒めてくれるかな??」
「うん、きっと…里香ちゃんもすずめちゃんのこと大好きだから」
「そっか…嬉しい」
そう微笑んで布作面を元に戻す
少し残念そうな顔をした彼が帰ろっかと声をかけてくれたことで帳が消えていっていることに気づき頷いた
…To Be Continued